肌の湿疹やフケ、なんだか普通と違うみたい…
乾燥などでついつい身体を搔いてしまうことは誰にでもありますね。ですが肌が次第に膨らんできたり、掻いた場所から垢のようなものがボロボロと落ちるなど、ただの乾燥ではないような肌トラブルを経験したことはありませんか?もしこれが繰り返し起こっているようなら乾癬という病気かもしれません。
聞きなれないけれど誰しもが発症する可能性のある乾癬について私水野春子が解説します。
乾癬(かんせん)っていったいなに?
皮膚がボロボロとはがれる病気
乾癬は皮膚が盛り上がり紅斑(こうはん)と呼ばれる赤い発疹ができ、その上に銀白色の皮膚のカスのような鱗屑(りんせつ)が付着し剥がれていく病気です。肌のターンオーバーは通常30日程度であるのに対して、乾癬の患者さんの場合は3~4日という急速なペースで肌の細胞が生まれ変わるため、どんどん分厚くなった細胞が鱗屑となって次第に剥がれ落ちていきます。
乾癬は全身のどこにでも現れますが、特に頭部や肘、膝、臀部など毛や洋服などで擦れることの多い場所に出やすいという特徴があります。
乾癬は慢性の皮膚疾患、でも改善は可能
乾癬は発疹が繰り返し現れたり、症状が長引く慢性の皮膚の病気です。残念ながら完治させることは難しいのですが、根気強く治療を続けることで発疹の出ない状態を長期間キープすることは可能です。まずは今ある発疹の症状を抑え、生活習慣の改善やストレスを緩和することで乾癬が出にくい肌を作っていきましょう。
乾癬は感染しない!
乾癬は徐々に広範囲に広がっていくことが多く、うろこ状の見た目や剥がれ落ちる皮膚といった目立つ症状からも人の目を気にしてしまう患者さんも少なくありません。こういった精神的なストレスも乾癬を悪化させる原因になりますので、患者さんの周囲の人が病気を正しく理解してあげることはとても大切なことなのです。
断言できるのは、乾癬は絶対にうつることはないということ。直接触れることはもちろん、一緒に温泉やプールに入ってもうつることはありません。
乾癬の原因
乾癬の原因はまだ正確には解明されていません。現時点で考えられている原因としては、元々乾癬になりやすい遺伝的な体質があり、そこにストレスや生活習慣、感染症や薬の影響などが加わることで発症するのではと言われています。
また糖尿病や高血圧症、虫歯などを患っていた場合、乾癬になりやすい傾向があるとも考えられています。風邪や扁桃腺炎によって感染の症状が悪化することもあるなど、他の病気と乾癬の関係は必ずしも切り離せるものではないと言えそうです。
乾癬の種類と症状
乾癬は主に5種類に分けられ、それぞれ症状や重症度が異なります。通常の乾癬の治療に加え別の治療が必要になる場合もあるので、症状を見極めて正しい対処をすることが重要です。
それでは早速、乾癬にはどのような種類があるのか、ひとつずつ見ていきましょう。
尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)
尋常性という名前の通り、乾癬患者のほとんどを占めると言われるのが尋常性乾癬です。皮膚が盛り上がり赤くなった上に銀白色のかさぶたの様な垢が付き、次第に剥がれ落ちていく病気です。発疹のでき始めはニキビのような小さいもので徐々に周りに広がっていき、やがて消失しますがこれを繰り返すことが多く、何かのきっかけで重症化してしまうこともあります。
乾癬は髪が伸びる時の刺激で頭皮に現れたり、肘や膝、お尻など関節の動きや衣服などにより擦れることが多い部位に発疹が出やすいとされています。
滴状乾癬(てきじょうかんせん)
胴体や手足に多く見られる、厚みのない水玉模様のような発疹が現れるのが滴状乾癬です。子供や若い人に発症することが多く、呼吸器疾患やウイルス感染、薬を服用後に突然現れることがあります。
乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)
乾癬は小さな発疹が次第に広がり消えていくものですが、悪化すると極稀ではありますが乾癬性紅皮症へ進行し全身が炎症を起こし真っ赤になることがあります。どのような場合に進行するのか決定的な根拠は掴めていませんが、主にステロイドなどの強い治療を長期間継続したり、突然治療を中止することが要因として考えられているようです。
乾癬性紅皮症の場合も通常の乾癬同様、気長に根気強く治療していく必要があります。
膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)
ニキビのような小さなブツブツが、2~3日で急激に大きくなり膿を含んだ茶色っぽい発疹になる膿疱性乾癬は、乾癬の重症型とされ日本ではおよそ1000人の患者がいるとされています。
発熱や扁桃炎を併発することもあり、細菌感染が原因ではと考えられています。症状が重いため、膿疱性乾癬と診断されたら速やかにステロイド薬の内服や点滴などの強力な治療が必要になります。
関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)
手足などの関節の炎症を同時に引き起こす関節症性乾癬は、男性に多い乾癬の重症型です。原因は不明ですが、尋常性乾癬よりも生活習慣やストレスなど、体質的な要因が強いと言われています。
全身に発疹ができるとともに関節痛を併発し、この痛みが長期間続くと関節が変形することもあります。
乾癬の治療方法
乾癬は改善と悪化を繰り返す慢性の病気で、現時点では確実に完治させることは難しいとされています。それでも不快な症状を和らげたり、発疹が現れる頻度を遅らせるためには根気強く治療していく必要があります。
乾癬の治療に使われる薬には重大な副作用を起こす可能性のあるものが多いため、医師の指導の下、症状に適した治療方法を選択していきましょう。
塗り薬
乾癬と診断されればまず塗り薬による治療を始めることが多く、中でもステロイドやビタミンD3が代表的な外用薬として挙げられます。
ステロイド
乾癬の炎症を抑えるために処方されるのは主にステロイドです。赤い発疹やそれに伴うかゆみを鎮めるためにも使われ、短時間で効果が出る反面、長期間使用すると皮膚が薄くなったり毛が増えやすくなるなどの副作用が現れることがあります。
ビタミンD3
皮膚の細胞が異常に増えてしまうのを抑える働きをする薬がビタミンD3で、盛り上がった皮膚や鱗屑への効果が期待できます。ステロイドと比べ効果はゆっくりと現れますが、塗り続けることで良い肌状態を保つことができます。目立った副作用はありませんが、皮膚のヒリヒリ感や稀に喉の渇きやだるさなどの全身症状が現れることがあります。
紫外線照射
紫外線には免疫の働きを弱める作用があり、これを利用して紫外線を患部に照射して乾癬を治療する方法もあります。紫外線照射法にもいくつかの種類があり、比較的皮膚に悪影響を与えにくいUVA(紫外線A波)を使ったPUVA療法、薬剤を投与する必要がなく簡単で効果の高いUVB療法が挙げられます。
PUVA療法はソラレンという紫外線に反応しやすい薬を投与しUVAを照射します。体内にソラレンが残るので半日程度は日光に当たらない様に過ごす必要があります。
UVB療法は日焼けの原因にもなる有害な物質を取り除いた紫外線を照射するナローバンドUVB療法やエキシマライトなどに分けられます。乾癬が広範囲に及ぶ場合は全身に照射し、反対に治りの悪い部分だけを狙っての照射も可能です。
飲み薬
乾癬の症状が中程度から重度の場合には飲み薬が使われ、他の治療と併用する場合と単体で使う場合があります。ここでは主な2種類の飲み薬について解説していきます。
ビタミンA誘導体(レチノイド)
乾癬では皮膚のターンオーバーの周期が乱れ早いペースで肌の細胞が生まれ変わります。レチノイドを服用することで皮膚の細胞が異常に増えてしまうのを抑え、ターンオーバーの早さを調節することができます。
鱗屑やかゆみなど様々な乾癬の症状に効果がありますが、胎児に奇形などの悪影響を及ぼすことがあるため、服用を中止してからも女性は2年間、男性は半年間は避妊が必要です。また男女ともに2年間献血をすることは避けます。
免疫抑制薬(シクロスポリン)
乾癬やアトピーなどの免疫異常による皮膚炎の治療に用いられることが多いのが免疫抑制薬であるシクロスポリンです。抗生物質の一種で、過剰な免疫反応を抑え乾癬の症状を軽減、改善していきます。長期服用することで腎臓に障害を起こすことがあるため、血液検査をし様子を見ながら慎重に服用する必要があります。
注射や点滴
薬でなかなか改善されない場合、別の治療法ってあるんですか?
改善しない場合や重度な乾癬の場合は注射や点滴を使った最新治療を取り入れることもあるけれど、これも大きな副作用が出ることがあるの。ここからは最新の治療法について少し解説するわね。
乾癬の最新治療方法
乾癬は体の免疫機能に関わるサイトカインのバランスが乱れることで起こるとされており、これにはTNF-αというたんぱく質が大きく関係しています。TNF-α自体が炎症を引き起こしますし、司令塔の役割を果たし間接的に炎症を悪化させることもあるため、TNF-αの働きを抑えることで乾癬の症状を和らげることが可能です。
乾癬の炎症を引き起こすTNF-αの働きを抑える治療法としては主に2種類が挙げられます。一つ目はインフリキシマブ(レミケード)を2か月に1回程度点滴する方法です。レミケードはTNF-αに強く結合し働きを弱めるとともにTNFーαが作る細胞を壊す作用があり、乾癬とそれに伴う関節痛に効果を発揮します。二つ目はアダリムマブ(ヒュミラ)を2週間に1度注射する方法です。医師の指導を受ければ自己注射をすることも可能で、頭皮や爪など治りにくい部分の乾癬の治療にも適しています。
これらの治療法の副作用としてはアレルギー症状や血液障害、間質性肺炎などがあるほか、免疫の働きを抑えるため、治療中は感染症にかかりやすいというデメリットもあります。日常生活では風邪を引かないよう手洗いうがいを徹底し、定期的に血液検査を受ける必要もあります。
乾癬を改善させるセルフケア
肌の乾燥や刺激は厳禁
乾癬は皮膚がこすれやすい部分に発症しやすいので、刺激を与えないようゆったりめの服装や綿や絹など柔らかい素材を選ぶようにしましょう。
夏場は適度に日光に当たることで症状が緩和されることもあるので、医師と相談しながら軽く日光浴することもおすすめです。冬は乾燥により症状が悪化しやすいため保湿ケアを忘れずに行いましょう。
かかない・肌に傷を作らない
症状が出ていない部分でも、掻いたりケガをすることで新たに発疹ができてしまうケブネル現象が起こることがあります。爪を短く切っておくことも良い対策です。
肉の食べすぎや刺激物に注意
お肉の食べ過ぎは乾癬を悪化させると言われています。肉よりも魚や野菜を摂るようにし、どうしてもお肉を食べたいときは豚肉よりも牛肉を選ぶようにしましょう。
また、辛いものや熱いものなど刺激の強い食べ物はかゆみが強くなることがあるので避けた方が良いでしょう。
乾癬に良い食べ物
乾癬の治療において極端な食事制限は必要ありませんが、規則正しくバランスのとれた食生活を意識することは大切なことです。特におすすめしたいのは海藻や魚類です。中でもイワシの油に含まれるEPAという栄養素は乾癬の炎症を抑える作用があるので積極的に摂取していきましょう。
農薬を控えた新鮮な緑黄色野菜を薄味で取り入れることも乾癬の改善に役立ちます。
お風呂の入り方に気をつける
乾癬の治療中でも医師から特別な指示がない限りは毎日入浴をすることが好ましいです。しかし熱いお湯や長時間の入浴やシャワーの刺激はかゆみを悪化させたり乾燥を招くので、ぬるめのお湯に短時間浸かるようにします。石鹸はよく泡立てて優しく撫でるように洗いましょう。
ステロイドの外用薬を処方されている場合は、お風呂あがりに塗ることで馴染みやすくなります。乾燥している場合は保湿剤を塗ってから薬を塗ると効果的です。
ストレスを溜めず規則正しい生活をする
ストレスは乾癬を悪化させる原因の一つにもなります。治療は長く大変ですが、趣味を持ったり気分転換をしてストレスを溜めないようにしましょう。
お酒やタバコは乾癬には直接影響はありませんが、アルコールで体温が上がればかゆみが出やすくなりますし、喫煙はのどを痛め風邪や扁桃腺炎などにかかりやすくなります。お酒はたしなむ程度に留め、タバコは百害あって一利なしですから禁煙しましょう。
日光に当たる
紫外線照射による治療法があるように、適度に日光を浴びることは乾癬にとって良い影響を与えます。薄手の服装でなるべく日光に当たるように心がけたいですが、急激に日焼けしたり、多量の汗をかくと症状を悪化させることもあるので注意が必要です。
肌の乾燥対策に「みんなの肌潤」
乾癬の大敵でもある乾燥対策としてオススメしたいスキンケアが「みんなの肌潤」シリーズです。
みんなの肌潤シリーズに使われる成分はなんと砂糖。この砂糖が持つ浸透力や吸水力は、乾癬やアトピーなど乾燥により悪化しやすい肌への保湿対策にピッタリです。
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シリーズの中でも一番人気なのが「みんなの肌潤糖」。炎症や腫れなどの肌トラブルが起きている場所にも刺激なく使えたという感想もありましたが、お砂糖の粒がスクラブのような刺激を与えることもあるので乾癬の症状が出ているときの使用は控えた方が良いかもしれません。
しかしながら肌潤シリーズを使用した後の潤いと柔らかな仕上がりは、乾燥を避けたいデリケートな肌でお悩みの方にはもってこいですね。症状が治まっているときの乾燥対策として取り入れてみてはいかがでしょうか。
乾癬の症状が出ない状態を目指そう!
乾癬の原因や治療法、日常でできる対策などをお伝えしてきました。冒頭でも触れたとおり乾癬は完治させることが難しい病気ですが、薬などでの治療に加え生活習慣を改善することで、症状が出ない状態を続けることが可能です。
発疹が一時的に治まったからと言って油断は禁物。規則正しい生活を常に心がけて乾癬の出ない状態を目指していきましょう。