| ■ アナログ映像端子はD端子を筆頭に幅広い |
●D端子
D端子は、主にAV機器で利用されている映像端子だ。コンポーネント端子(後述)と同様に、映像信号を輝度信号と青色差信号、赤色差信号の3つの信号として伝送することが特徴であり、画質的にはコンポーネント端子とほぼ同等である。コンポーネント端子では3つの信号をそれぞれの別々のケーブルで伝送するため、ケーブルを3本接続しなくてはならないが、D端子では1本のケーブルで伝送できることがメリットだ(ただし音声信号は別)。
| ■ D端子の規格と対応解像度 | |
| D1 | 480i |
| D2 | 480p |
| D3 | 1080i |
| D4 | 720p |
| D5 | 1080p |
D端子には、D1からD5まで5種類の規格があり、コネクター部分に規格名が書かれている。数字が大きくなるほど、高解像度の映像信号の伝送が可能だ(表参照)。D1端子は、従来のアナログ放送と同じ480i(走査線480本のインターレース表示)に対応し、D2端子は、D1端子がサポートする信号に加えて480p(走査線480本のプログレッシブ表示)に対応する。上位のD端子では、下位のD端子がサポートしている信号は全てサポートされる。
D3端子では、1080i(走査線1080iのインターレース表示)に対応し、D4端子では、720p(走査線720pのプログレッシブ表示)に対応。D5端子では1080p(走査線1080pのプログレッシブ表示)に対応する。地上デジタルなどのハイビジョン放送は1080iで放送されているため、ハイビジョン放送の高画質をフルに楽しむには、D3端子以上が必要になる。
なおD端子の「D」は、コネクタ形状がアルファベットのDに似ているために付けられた名称。デジタル(Digital)のDと勘違いしている人がときどきいるが、D端子はデジタルではなくアナログ方式であることに注意したい。
| ▲ HDD&DVDレコーダーのD端子。写真のように対応規格が書いてある | ▲ D端子のプラグ |
●コンポーネント端子
コンポーネント端子は、主にAV機器で利用されている映像端子だ。別名「色差入力端子」とも呼ばれていることから分かるように、映像信号を輝度信号と色差信号に分けて伝送することが特徴だ。色差信号とは、それぞれの色信号から輝度信号を引いたもので、コンポーネント端子では「赤色差信号(R-Y/Pr)」と「青色差信号(B-Y/Pb)」の2種類の色差信号が用いられる。緑色差信号については、この2つの信号と輝度信号から演算で得ることができる。
コンポーネント端子では、1080iや720pといったハイビジョン映像フォーマットにも対応できる。しかしD端子とは違って、どの映像フォーマットに対応しているかが端子を見ても分からないという欠点がある。また、映像信号(音声信号は別)だけで3本のケーブルを接続しなくてはならず、接続もやや面倒である。AV機器では通常、コネクタとしてコンポジット端子などと同じRCA端子が使われているが(色は緑・赤・青が一般的)、パソコン用ディスプレイなどではBNC端子が使われていることもある。
| ▲ HDD&DVDレコーダーのコンポーネント映像出力端子 | ▲ コンポーネントケーブルはコンポジットケーブルと同じRCA端子が使われることが多い |
●S端子
S端子は、Separate端子(セパレート端子)の略で、主にAV機器で使われている映像端子である。コンポジット端子(後述)は「輝度信号(Y)」「色信号(C)」「同期信号」のすべてが複合されて伝送されるが、S端子では輝度信号と色信号が分離され、別々に伝送されることが特徴だ。
S端子の場合、コンポジット端子で生じやすいドット妨害(後述)やクロスカラー(後述)といった問題が起きにくいので、コンポジット端子よりも画質的には有利。ただし、480p以上の映像フォーマットには対応しておらず、ハイビジョン放送をそのままのクオリティーで伝送することはできない。コネクターはミニDIN4ピン端子が利用される。
なお、通常のS端子に、ワイド信号を識別するための信号が付加された「S1端子」や「S2端子」と呼ばれるものもある。S1端子は、画面の左右を圧縮したスクイーズ信号が用いられ、S2端子では、画面の上下が黒くなるレターボックス信号が用いられる。
| ▲ HDD&DVDレコーダーのS映像端子(写真右) | ▲ S映像端子はミニDIN4ピン端子を採用する |
●コンポジット端子
コンポジット端子は、通称「ビデオ端子」とも呼ばれる映像端子で、映像信号の三要素である「輝度信号」「色信号」「同期信号」が複合されて伝送されることが特徴だ。後述するコンポジット音声端子と合わせて「AV端子」と呼ばれることも多い。
コンポジット端子は、映像信号を送るのにケーブル1本で済むというメリットがある。だが輝度信号と色信号が複合されているため、輪郭部分に黒っぽいドットが生じるドット妨害や、虹色のような「クロスカラー」といった画質を劣化させる現象が生じてしまうことから画質的には不満が残る。もちろんハイビジョン映像フォーマットにも対応していない。コネクターにはRCA端子が利用され、コネクターの色は黄色が一般的である。
| ▲ HDD&DVDレコーダーのコンポジット映像端子(写真中央右側の黄色い端子)。音声端子と合わせて「AV端子」と呼ばれることも多い | ▲ 写真上の黄色いプラグがコンポジット映像端子 |
| ■ 画質がいいのはどの端子? |
現在、AV機器で主に使われている代表的な映像端子について説明したが、画質を重視するなら、どの端子を選ぶべきだろうか?
画質がいい順に各端子を並べると以下のようになる。
HDMI端子=DVI端子>D端子=コンポーネント端子>S端子>コンポジット端子
デジタル方式のHDMI端子やDVI端子と、アナログ方式のD端子およびコンポーネント端子の画質の差は、実際の機器ではそれほど大きな差として現れてないことも多い。しかしノイズに対する耐性や、相手側(表示側)の機器を変えても画質が大きく変わらないといった点では、やはりデジタル方式のHDMI端子やDVI端子が有利である。テレビ側と、映像出力側(HDD&DVDレコーダーなど)の両方がHDMI端子に対応しているのなら、HDMI端子の利用をオススメしたい。