FOLFOX・FOLFIRIを軸に、さらなる組み合わせに可能性
組み合わせがカギ、再発大腸がんの最新化学療法
新しい抗がん剤の登場で再発大腸がんの治療が可能に
かつては不治の病とまで言われた大腸がんの再発だが、2000年以降には新薬の開発が順調に進み、近年になって他のがんでも効果を発揮しているの有効性が大腸がんでも証明され、治療状況はどんどん改善されてきている(図1)。
こうした現状について、関西労災病院下部消化器外科部長の加藤健志さんは、次のように説明する。
[図2 手術の有無による効果]
「現在大腸がんに使用する薬剤は5-FU(*)、ロイコボリンカル シウム(*)、カンプト/トポテシン(*)、エルプラット(*)、これにであるアバスチン(*)、アービタックス(*)、ベクティビックス(*)の3種類があります。これらが使えるようになったことで欧米から約10年遅れていました日本の大腸がんの化学療法は、ようやく世界レベルになりました」
現在の大腸がん化学療法では、のような新しい抗がん剤の開発はもちろんだが、それぞれの薬には副作用や有効性に特性があることから、組み合わせを工夫することで、より高い効果が生み出せるようになってきたのである。
*5-FU=一般名フルオロウラシル
*ロイコボリンカルシウム=一般名ホリナートカルシウム
*カンプト/トポテシン=一般名イリノテカン
*エルプラット=一般名オキサリプラチン
*アバスチン=一般名ベバシズマブ
*アービタックス=一般名セツキシマブ
*ベクティビックス=一般名パニツムマブ
FOLFOX・XELOX・FOLFIRI療法から
療法は、5-FUとロイコボリンカルシウムとエルプラットを併用する治療法です。
「当院では病院で5-FUとロイコボリンカルシウムとエルプラットを約2時間かけて点滴をした後に、5-FUを46時間自宅で持続点滴を行います。皮下埋め込み型リザーバー(*)という器具を使用することで、外来通院が可能となりました。ただし、リザーバーを入れる必要があることや、2日間ほ乳瓶大の容器をぶら下げないといけないなどの問題もあります」
そこで、持続性の5-FUの代わりに、経口抗がん剤であるゼローダ(*)を使うXELOX療法(*)が開発されました。療法と同等の効果があることが証明され、XELOX療法も標準療法になっています。
| 腫瘍縮小効果(%) | 54 | 56 |
| 切除率(%) | 24 | 10 |
療法は、療法のエルプラットの代わりにカンプト/トポテシンを使用し、インフュージョンポート(*)の挿入と2日間の持続点滴が必要です。
日本では、臨床試験が行われないでこれらの療法が導入されるための、両療法を比較したデータは欧米人のデータということになります。の比較では療法のが20.6カ月、療法では21.5カ月と両者に差を認めていません(図3)。
しかし、が大幅に改善され、治癒の可能性もある化学療法後に手術が可能となった確率は、24パーセントと10パーセントと、療法のほうが良好です。
「これらの結果が、化学療法後により切除が可能となりそうな方には、切除率の高い療法を併用する治療法が、第1選択となることの多い理由です」
*皮下埋め込み型リザーバー=抗がん剤の投与経路として、血管の中にカテーテルを埋め込むための器具
*インフュージョンポート=鎖骨の下の皮下に埋め込み、注射針を刺して薬剤を注入するため機器
*ゼローダ=一般名カペシタビン
*XELOX 療法=カペシタビン+オキサリプラチン
1次療法の次は2次療法へ
抗がん剤は、ある一定の期間使用すると、その効果が薄れてきます。
「抗がん剤が効いたがん細胞と効かなかったがん細胞があるからです。効かなかったがん細胞がやがて活性化してくるので、それには投与する薬を切り替えて対処します」
そうなると、1次療法で行った療法ないし療法から、2次療法治療に切り替える。
2次療法は、1次療法で用いた療法ないし療法を逆に行う。
療法と療法は、どちらかを先行させてもに差はありません。2次療法における治療効果は、療法を行った後の療法では4パーセントの腫瘍縮小効果に対して、逆の療法を行った後に療法をした場合では15パーセントと差が見られます。
つまり、療法を先行させると切除率は増加するが、切除ができなかった場合、2次療法で行う療法の治療効果が低く、を十分に延長できない可能性があります。
化学療法後に切除が困難である方には、療法を先行するほうが有効である可能性が高いということです。ただし、化学療法後に切除可能となるかを投与前に知ることは難しいのが現状です。そこで治療法選択に困ったときは、副作用を考慮します。療法は手足のしびれや痛みが出ます。
一方、療法は脱毛が起こります。どちらの副作用が許容しやすいかを考慮し、治療方法を決定します。