ブレオは、抗がん剤の抗腫瘍性抗生物質
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◎ブレオは、抗腫瘍性抗生物質
ブレオは、抗腫瘍性抗生物質という種類の抗がん剤です。
この抗腫瘍性抗生物質(抗がん性抗生物質)とは、微生物によって産生された化合物から分離して作られ、がん細胞に作用して、がん細胞の増殖を抑制する効果を発揮します。
抗腫瘍性抗生物質の代表的な薬剤には、アントラサイクリン系のドキソルビシンやダウノルビシンのほか、マイトマイシンCやブレオマイシンなどがあります。
ただ、抗腫瘍性抗生物質は、がん患者さんの抗がん剤として、幅広く使用されていますが、全般的に毒性が強くなっています。
そのため、抗腫瘍性抗生物質は、共通して骨髄抑制を持つほか、アントラサイクリン系では心毒性があり、ブレオマイシンでは肺毒性があり、投与後の副作用に、注意が必要となっています。
◎ブレオの作用
・略号:BLM
・商品名:ブレオ注射用5mg、ブレオ注射用15mg
・薬剤名:ブレオマイシン
ブレオマイシンは、1962年に、梅沢浜夫氏らにより、Streptomyces verticillusから分離された抗腫瘍性抗生物質の1つです。
ブレオマイシンは、腫瘍細胞のDNAと結合した後、核酸ポリメラーゼ活性を阻害します。
また、ブレオマイシンは、トポイソメラーゼⅡを阻害することによって、DNA 鎖を切断する強い抗腫瘍効果を発揮します。
そのほかに、ブレオマイシンは、カルシウムイオンや鉄イオンとの親和性が高い性質があり、これらの添加によって、DNA鎖の切断作用が増強されます。
特に、ブレオマイシンは、細胞分裂のG2期にあるがん細胞に強く作用します。
◎ブレオの適応疾患とその目標
ブレオの適応疾患は、皮膚がん、頭頸部がん(上顎がん、舌がん、口唇がん、咽頭がん、喉頭がん、口腔がんなど)、肺がん(特に原発性および転移性扁平上皮がん)、食道がん、悪性リンパ腫、子宮頸がん、神経膠腫、甲状腺がん、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)になります。
◎ブレオの代表的な投与例(レジメン)
通常、以下の①~③の用法用量で、1週間に2回投与を原則として、症状に応じて、1日1回や1週間に1回など、適宜増減して投与します。
①静脈内注射の場合
通常、成人にはブレオマイシン塩酸塩として、15~30mg/m2を生理食塩液またはブドウ糖液などの適当な静脈用注射液約5~20mlに溶解して、緩徐に投与します。
発熱の著しい場合には、1回量を5mg/m2またはそれ以下に減量します。
②筋肉内注射、皮下注射の場合
通常、成人にはブレオマイシン塩酸塩として、15~30mg/m2を生理食塩液などの適当な溶解液約5mlに溶解し、筋注または皮下注で投与します。
③動脈注射の場合
通常、成人にはブレオマイシン塩酸塩として、5~15mg/m2を生理食塩液などの適当な注射液に溶解して、シングルショットまたは連続的に注射します。
◎ブレオの特徴的な副作用とその注意点
ブレオマイシンは、肺毒性があり、間質性肺炎や肺線維症を引き起こす可能性があります。
そのため、ブレオマイシン投与中は、定期的に胸部X線、一酸化炭素拡散能、肺気量分画を含む呼吸機能検査をモニターするとともに、呼吸困難感、乾性咳嗽、ラ音、SpO2低下などに注意が必要です。
また、肺線維症に至る頻度は、ブレオマイシンの総投与量と相関し、200mg/m2未満では1%程度に対し、それ以上では、10%程度の頻度になります。
特に、高齢者や慢性閉塞性肺疾患などの基礎肺疾患あるいは放射線治療歴のある患者さんでは、肺毒性が高く現れやすくなっています。
皮膚症状は、皮膚の硬化、色素沈着、爪の変形や変色が引き起こされる可能性があります。
特に、皮膚の色素沈着は、手首や肘の伸側に好発します。
発熱は、ブレオマイシン投与後、4~5時間あるいはさらに遅れて発現することがあります。
発熱と1回量との間には、用量反応性がありますので、発熱が強い場合には、投与量を減量し、投与間隔を短縮するか、投与前後に抗ヒスタミン薬、解熱薬を投与するなどの適切な処置を行います。
悪心・嘔吐は、発現率が10%以下のため、最小度の催吐性リスクになります。
急性嘔吐は、弱冠見られますが、遅発性嘔吐はほとんど見られません。
最小度リスクに対しての制吐薬は、基本的に不要になります。
そのほかの副作用としては、倦怠感や脱毛、食欲不振などが引き起こされる可能性があります。
◎ブレオ投与時の注意点
ブレオマイシンの総投与量は、腫瘍の消失を目標とし、300mg/m2以下にします。
また、胚細胞腫瘍に対し、確立された標準的な他の抗がん剤との併用療法を適用することにより、やむを得ず300mg/m2を超える場合には、間質性肺炎または肺線維症などの肺症状の発現率が高まる可能性がありますので、注意深く経過観察します。
ブレオマイシンを軟膏に配合する場合、患部100cm2に対して、5~12.5mg(力価)にします。
ブレオマイシンは、血管痛を引き起こす可能性があります。
そのため、ブレオマイシンの注射濃度や注射速度に注意をする必要があります。
ブレオマイシンは、重篤な肺疾患、腎疾患、心疾患がある患者さんや、胸部とその周辺部位の放射線照射中の患者さんには、禁忌になります。
ジゴキシンやフェニトインを持続投与している患者さんでは、ブレオマイシンの投与により、これらの薬物の血中濃度が低下する可能性があります。
また、シスプラチン(CDDP)との同時投与により、ブレオマイシンの排泄が遅れる可能性もあります。
ブレオマイシンの薬物動態(排泄)は、経静脈的に投与された後、50~70%は、未変化体のまま尿中に排泄されます。
ブレオマイシンは、肺障害のリスクがありますので、咳嗽や呼吸困難感などの自覚症状が現れた場合には、患者さんにすぐに報告してもらうようにあらかじめ説明します。