自分を美しく見せるための行為が、もし自分の見た目を壊していたとしたら?

程度のちがいはあっても、ほとんどの女性にとってメイクはとても大切なものですよね。

ただ、どんな天然成分が配合されたものにしても、直接何かを肌に塗りつけるものだけに、やり方をまちがえると地肌にダメージを与えることになります。

一度や二度の刺激なら大きな問題にはなりませんが、それが毎日ずっと続いていくと、たとえば色素沈着やシミとなってしまう場合もあります。

実は、強い紫外線での日焼けや、虫刺され、天ぷら油などが原因でのシミより、日常的な接触など弱い刺激によってできるシミのほうが完治が難しくなります。

間違った、勘違いしていたメイクで肌を傷めてしまう前に。

正しく肌をいたわったメイクの方法を一度おさらいしてみませんか?

強くこすりつける刺激がシミの原因に

シミといえば、紫外線ダメージ!と繋がる方も多いと思います。しかし、実は強くこすりつける刺激、摩擦もシミの原因となってしまうのです。

シミといえばメラニン色素が大きな原因ですが、肌に対する刺激やダメージから守るために生成される物質です。

つまり、メイク・クレンジング・洗顔などで肌をこすることによっても、メラニン色素がつくられてしまうのです。

この摩擦による刺激を受けてできるシミを摩擦シミともいいますが、目元や頬にできやすいとされています。

目元はそもそも皮膚が薄く、メラニンの元であるメラノサイトが多い部位です。

その上で、アイメイクをしたり、アイメイクを落とすためのクレンジング・洗顔による刺激が加わりますので、シミができやすいのです。

そして、頬については顔の中で一番高い場所にあるため、他の部位に比べスキンケアやクレンジング、洗顔などで最もこする回数が多くなってしまいがち。

メイクオフのクレンジングや洗顔を、ゴシゴシとしすぎないように少し意識を変えるだけでもだいぶ変わってきますので、目に見えるような即効性のある効果ではありませんが、見逃せないポイントとなります。

合わない化粧品が炎症やシミの原因にも

合わない化粧品が炎症やシミの原因にもなってきます。

お肌の状態は十人十色、千差万別です。お肌に良い、優しいと言われていても、個人差があるのが現実と言えるでしょう。

そのため、実際に使用してみないことには、合っているか合っていないかというのは分からないものです。

肌に合わない化粧品の使用は、肌に刺激を与えてしまうことになります。

なんとなくピリピリする、少し痒くなる、ちょっと赤いかもというような、もしかしたら勘違い?という程度であっても、微弱炎症という弱い炎症を引き起こしている場合が多いです。

さて、この微弱炎症が慢性的に続いてしまうと、メラノサイトが活性化してお肌を刺激から守ろうというはたらきをします。

つまり、この微弱炎症によってもメラニンが生成されるので、この場合もシミ発生のメカニズムを辿ることになってしまいます。

せっかく高い化粧品であっても、もしも肌に合わないと感じるようであれば、肌の未来への投資だと思って“使わない”という決断をすることも大事ですね。

高価な化粧品ではサンプリングやお試しセットがある場合が多いので、まずはお試しで使ってみるのも良いと思います。

メイクをしたまま寝るのも肌に悪い

帰って来て疲れてしまって、メイクを落とさずに寝てしまった経験は誰しもがあるのではないでしょうか。

たまに・・・ならば許容範囲と言えますが、やはり繰り返してしまうのはお肌によくありません。

化粧品にはさまざまな顔料などの粉末成分、油分や金属が含まれています。時間が経てば経つほど、酸化して、皮脂と混ざり合うので“腐った食べ物”とも言われているものです。

さて、メイクを落とさずに時間が経つとどうなるのでしょうか。まず、微生物や顔ダニの繁殖がおき、肌の炎症を引き起こします。

肌の炎症はメラノサイトを刺激しますし、コラーゲンなどの皮膚組織の破壊も引き起こしていきます。

また、寝ている時間にこそ活性化する肌の新陳代謝(ターンオーバー)を阻害し、毛穴の詰まりからニキビや吹き出物が発生します。

色素沈着が起こり、くすみの原因にもなります。メイクをしたまま寝てしまうことには百害こそあって、何の利もありませんので要注意ですね。

過剰な顔剃りの肌への刺激でシミに

顔のうぶ毛を剃るとメイクのノリが良くなり、くすみも消えて綺麗になる!といいますね。

顔ぞりでは、毛穴に詰まった汚れや古い角質を取り除いてくれるので、ワントーン明るい肌になれるのは間違いありません。

ただし、ここで要注意です。過剰な顔剃りの肌への刺激でシミになってしまうのです。肌にカミソリをあてて剃ることで、実は大きな肌ダメージが発生しています。

ダメージから肌を守るために、メラノサイトが活性化してメラニンが生成されるのは既出の通り。

クリームやフォームを使うことには摩擦を和らげる効果がありますので、肌ダメージを軽減することができます。

そして、しっかりとキレの良い刃を使って、1回で綺麗に剃ります。また、蒸しタオルなどで顔を温めてから顔剃りをおこなうと、毛穴が開いて毛もやわらかく剃りやすくなります。

また、美容院ではできませんが、理髪店では女性向けに顔剃りのメニューがあるお店もたくさんあります。

肌にやさしいメイクのコツは

肌にやさしいメイクのコツは、低刺激の製品を使用すること、スキンケアをしっかりおこなった上で、化粧下地を使用すること、そしてメイク落としの時にはゴシゴシこすりすぎないことがポイントです。

化粧下地を使用することで、直接の肌への刺激は少なくなりますし、メイクも落ちやすいとされています。