98%が男性!手軽にできる痛風の予防&改善法
足の親指のつけ根が突然激しく痛んだ経験はありませんか?
風が吹いただけでも激痛が走ることから「痛風」と呼ばれ、予備軍も含めると全国に約600~650万人いると推定されている関節の病気。
症状は1週間ほどで治まるとはいえ、その痛みは耐えがたいほど激しく、1年以内に再発するケースが多いというのですから厄介な病気です。ただし、食生活を中心とする生活習慣を変えることで痛風を予防することができるとも言われています。
そこで、このサイトでは、痛風の原因や特徴、どのような生活を送れば痛風になりにくいかについてまとめています。痛風かどうかの簡単なセルフチェックも併せ、痛風と似た病気や合併症についても詳しく解説していきます。
痛風ってどんな病気なの?
痛風とは、食生活やストレスなどが原因となり、体の中で過剰に増えた「尿酸」がナトリウムと結びついて結晶化し、激しい関節炎を起こす病気です。症状が出るのは一般的に手足の指のつけ根が多いものの、肩やひじなどにも発症します。
痛風が発症する部位
肩、ひじ、手指の関節、手首、ひざ、くるぶしの関節、アキレス腱、かかと、足の親指のつけ根
尿酸は体の中のゴミ(老廃物)
尿酸は、細胞の核となる「核酸」と体温を維持したり筋肉を動かしたりするエネルギー源となる「ATP(アデノシン3リン酸)」が分解され「プリン体」へと変化し、さらに尿酸へと変化する過程での最終産物で、体にとってはゴミ(老廃物)と同じです。
プリン体はご存知の人も多いはず。テレビでも「プリン体ゼロ!」「糖質ゼロ!」の謳い文句でビールのCMが流れていますよね。プリン体は体内で作られるものもありますが、ビールのように飲み物や食べ物にも含まれているんです。
ですので、それらを食べたり飲んだりすることでも尿酸が増えますし、お酒そのものに尿酸の排泄を抑制する働きがあるため、プリン体の多いお酒は痛風にとってWパンチというわけです。ただし、プリン体そのものは生命活動を支える大切な存在ですので、やみくもにプリン体を悪者扱いしないでくださいね。
痛風の原因
通常、体内では一日約0.6gの尿酸が作られます。
私たちの体は常に一定の量の尿酸が保たれるような仕組みになっていて、体内で生成された分の尿酸は毎日排泄されるようにできています。
ところが、何らかの理由で体内の尿酸量が増えてしまうと「高尿酸血症」となり、尿酸の排泄処理が追いつかず、体内に尿酸が蓄積されて結晶化し、痛風が起こるというわけです。ですので、痛風予防にはまず高尿酸血症にならないようにすることが大切。高尿酸血症には次の3つのタイプがあります。
3タイプの高尿酸血症
タイプ1:尿酸排泄低下型
作られる尿酸の量は正常ですが、排泄機能が低下しているため体内に残ってしまう尿酸量が増えることで尿酸値が高くなります。日本人の場合、全体の約60%がこのタイプです。
タイプ2:尿酸産生過剰型
排泄機能は正常なものの、尿酸の作られる量が多くなってしまうため、処理能力がオーバーし尿酸値が高くなります。全体の約20%がこのタイプです。
タイプ3:混合型
尿酸排泄低下型と産生過剰型の両タイプで、尿酸が過剰に作られるだけでなく、排泄量も少ないために尿酸が過剰に体内に残りやすくなります。全体の約30%がこのタイプです。
ちなみに、尿酸はアルカリ性の環境だと溶けやすく、本来、血液は弱アルカリに保たれている上、常時血液が流れていることで尿酸を溶かしやすくする性質があります。ところが、体が酸性に傾いていたり、血液の流れが滞っていたりすることでも、尿酸の排泄機能が低下してしまうとも言われています。
尿酸の正常値
- 成人男性・・・血液1dl中 4.0~7.0㎎/dl
- 成人女性・・・血液1dl中 3.0~5.0㎎/dl
7.0㎎/dlを超えると痛風予備軍で高尿酸症と診断されます。
ただし、7.0㎎/dlを超えたからといってすぐに症状が現れるわけではなく、尿酸値が高い状態が数年以上続くことで発症するとされています。また、常に8.5㎎/dlを超えているようであれば、痛風発作がいつ起きてもおかしくない状態だといえます。
痛風・セルフチェック!
- 30歳以上の男性である
- 肥満体質である
- 野菜はあまり食べない
- 肉類や脂っこい料理が好きでよく食べる
- イクラやタラコなど魚介類をよく食べる
- レバーなど動物の内臓をよく食べる
- プリン体が多い食品をよく食べる
- お酒をよく飲む
- 週に4回以上外食をする
- 水分はあまり取らない
- 暴飲暴食をすることが多い
- 激しい運動をすることが多い
- ストレスを感じることが多い
- 過労や睡眠不足が続いている
- 家族に痛風を患った人がいる
- 血圧は高め
上記の中で6個以上当てはまる項目があれば、痛風に罹りやすいため生活習慣を改善しましょう。また、足や手のつけ根や関節に痛みやピリピリした感覚があれば、痛風の可能性がありますので早目に医師の診断を仰ぐようにしてください。
男性に多い痛風
患者の約98%が男性だと言われる痛風。
しかも、女性はわずか1.5%というのですから明らかに男性特有の病気ともいえます。
その理由は、女性よりも男性のほうが血液中の尿酸濃度が高いからです。つまり、女性は尿酸濃度が低いということですね。では、なぜ、女性は尿酸濃度が低いのでしょうか?
では、なぜ、女性は尿酸濃度が低いのでしょうか?それは、腎臓からの尿酸の排泄を促進する働きが女性ホルモンにあるからです。ですので、閉経を迎えた女性は、女性ホルモンの分泌が低下するため尿酸値は多少高くなります。
痛風と似た病気
手足の指のつけ根などの関節に症状が現れる痛風には、似たような病気が意外とたくさんあります。自分で勝手に「関節リウマチだろう」「外反母趾だわ」などと判断せず、症状が出ているのであればキチンと医師の診察を仰ぎましょう。
1.外反母趾
ハイヒールを履く女性に多い病気ですが、足の親指が変形してしまうことで痛みが走り、悪化すると赤く腫れ痛風のような激しい痛みとなる。
2.変形性関節症
年をとることで骨や軟骨が変性してしまう病気。膝や股関節にかかることが多く、膝が腫れて痛風と同じような症状になることがある。
3.変形性腰椎症
腰椎の骨が変形することで神経が圧迫され、痛風のような足の痛みやしびれが生じる病気。
4.関節リウマチ
女性に多い病気で、関節のあちこちが慢性的に痛み、しだいに関節が変形し日常生活に支障を来す。痛風に比べて痛みが慢性化する。
5.回帰性リウマチ
原因は不明とされていて、急に関節が腫れて痛む病気。痛風よりも症状は軽いものの、2~3日痛みが続き、また繰り返す。
6.偽痛風
男女関係なく高齢者に多く、膝関節や足首の関節が痛む病気。ピロリン酸カルシウムのよる関節炎です。
他にも、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や溶血性連鎖球菌感染による壊死性筋膜炎があります。特に後者は「ヒト喰いバクテリア」とも呼ばれ、痛風発作よりもさらに激しい痛みが走り、その痛みは関節に留まらず体のどこにも発症し、急速に痛みや腫れが広がる恐ろしい病気。一刻を争うため、同じような症状が出たらすぐに病院に行くようにしてください。
痛風で起こる合併症
痛風は、尿酸が結晶化して起きる関節炎で、関節の周りや皮膚の下にもできる「痛風結節」、腎臓に結晶が溜まることで起きる「慢性腎臓病」、「尿路結石」などができやすくなります。厳密にいえばこれらも痛風の合併症となりますが、“痛風による障害”とみなされ合併症には分類されないこともあります。
一般的に痛風の合併症と呼ばれているのは、高血圧が多く49.2%です。次いで高中性脂肪が42.8%、肥満が42.0%、高コレステロール血症が37.6%、尿路結石が約20%になります。
狭心症や心筋梗塞、脳出血や脳梗塞なども痛風患者に多い合併症といわれていますが、直接的な関係か、関節的な関係かはまだ明らかになっていません。ただし、尿酸値が高いほどこれらの合併症が起きやすいことは分かっていますので注意が必要です。
痛風を予防するにはプリン体がカギ!
痛風の予防にはプリン体の合成を抑えるのがカギとなります。では、プリン体が増えてしまうのには、どのような理由があるのでしょうか?
プリン体が増えてしまう理由
- 食べ物や飲み物に含まれるプリン体により、体内のプリン体が増えるから
- 体内の核酸に含まれるプリン体が、新陳代謝により古い細胞が分解されることでプリン体が作られるから
- 激しい運動をすることでプリン体が生み出されるから
プリン体が作り出される量としては(2)が多いものの、生きていく上で欠かせない働きなので仕方のないこと。となると、(1)と(3)でプリン体の生産量をコントロールすることが重要です。
プリン体を多く含む食品
- レバー類・・・210~320㎎/100g
- 白子・・・300㎎/100g
- エビ・イワシ・カツオ・・・210~270㎎/100g
その他、魚の干し物、牛ヒレや豚ロースのステーキ、サンマやヒラメの切り身、真ダコ、干しシイタケ、大豆、かまぼこ、パセリ、アボカド、しらす干し、プロセスチーズ、卵黄など
お酒に含まれるプリン体
- ビール・・・4.35~6.86㎎/100ml
- 発泡酒・・・2.84~3.83㎎/100ml
- 低アルコールビール・・・7.06㎎/100ml
- 焼酎・・・0.03㎎/100ml
- 日本酒・・・1.18㎎/100ml
- ワイン・・・0.4㎎/100ml
- ウィスキー・・・0.1㎎/100ml
- 紹興酒・・・11.5㎎/100ml
他にも、コカ・コーラやペプシなどで「ゼロカロリー」と謳っているものは、尿酸の排泄機能を阻害する働きがあるとも言われているため、痛風が心配な人や現在、痛風で悩んでいる人は控えるようにしましょう。
手軽にできる痛風予防 ~日常生活での注意事項~
- プリン体の多い食品をなるべく控えるようにすること。
※1日のプリン体摂取量は400㎎までにできればベスト! - 肥満防止のためにも食事は「腹八分目」にすること。
- 早食い・ドカ食いはしないこと。
- お酒の飲み過ぎに注意すること。
※プリン体95%カットの発泡酒なども出ていますが、お酒に含まれるエタノールそのものが尿酸を作り出してしまうため、飲むとしても1合程度にしておきましょう。 - 塩分の摂り過ぎに注意すること。
- 水分補給を忘れないこと。
※お水やお茶など糖分やカフェインを含まないものにしましょう。 - 息が苦しくなるほどの激しい運動はしないこと。
※ウォーキングや散歩、軽い水泳などの有酸素運動を行うこと。目安は1日20分程度。10分も1日2回でもOK! - 海藻類や野菜、キノコ、大豆製品、果物などの摂取量を増やすこと。
※尿酸の排泄を促してくれますので積極的に食べましょう!
薬剤の影響
薬の中には尿酸値を上昇させてしまうものもありますので、市販薬を買う際には店頭の薬剤師に相談するか、成分を確認するようにしてください。
- フルイトランなどのサイアザイド系高圧利尿薬
- ラシックスなどのループ利尿薬
- テオドール(テオフィリン)などの喘息治療薬
- ピラジナミド(ピラジナマイド)などの結核治療薬
- バファリンなどのアスピリン
痛風治療の流れ
痛風かどうかを調べるには、以下のような検査があります。
問診
- 痛みや不調がないか?
- 痛風発作が起きた日時や部位、回数
- 発作を起こす前にあった自覚症状
- 痛風以外の症状があるかどうか
- 家族に痛風や糖尿病を患った人がいるか?
- 痛風以外も含め服用している薬があるか?
- 飲酒や食事内容、定期的な運動の有無などの生活環境
- 仕事の状況 など
採血・採尿検査
血液中の尿酸値と合併症が起きていないかを調べます。肝機能や腎機能、患部の炎症反応、高脂血症、糖尿病、リウマチなどの病気についても分かります。
レントゲン検査
痛風や高尿酸血症の疑いがある場合、健康な骨と患部の両方をレントゲン検査します。
超音波検査
高尿酸血症、痛風の患者さんの約30%が腎、尿管結石を併発することが分かっています。高尿酸血症だと診断されたら、次にどの痛風型なのかを調べます。
尿酸クリアランス検査
検査3日前~前日の夕食は9時に済ませ、夜食なども控えます。プリン体の多い食事は避け、お酒も控えましょう。また、激しい運動も避けること。検査当日は朝食を摂らず、糖分を含まないお茶やお水を飲むようにします。
検査では、500㏄の水を飲んで1回排尿し、そこから1時間分の尿を溜めるようにします。最初の排尿から30分後に採決をし、さらに1時間後に排尿して検査が終わります。
簡便法
時間のない人用の簡易検査で、1回の排尿から尿中の尿酸値とクリアチニン値の比からどの痛風型なのかを判定します。
薬物療法
尿酸排泄低下型
排泄促進効果がある「ベンズブロマロン」(商品名:ユリノールなど)や「プロベネシド」(商品名:ベネシット錠など)。
尿酸産生過剰型
尿酸の生成を抑える効果がある「アロプリノール」(商品名:ザイロリック、アロシトールなど)や「フェブキソスタット」(商品名:フェブリク)。
混合型
ベンズブロマロンとアロプリノールなどを併用します。
尿が酸性に傾くと溶けにくく、結石ができやすくなります。自分でも市販の尿pH試験紙などで測定することができますので、酸性尿の人は尿のpHがいつも6.2~6.8に保たれるようにしましょう。
治療のポイント
- 痛風発作を抑える
- 尿酸値を下げる
- 合併症を予防する
これら3つのポイントを実践するには、薬物療法も大切ですが日常生活の習慣を改めることが重要です。また、尿酸値が異常に高くても激しい痛みなどをほとんど感じない人もいますので、セルフチェックで6個以上の項目に該当する場合は、定期的な検査をおススメします。
痛風Q&A
Q1) 痛風になったらビールは一生飲んじゃダメ?
確かに飲酒は痛風の原因のひとつです。特にビールにはプリン体が多く含まれているため、よく「痛風の人はビールを飲むな」などと言われています。
ただし、食事やお酒などを通して体内に取り込まれるプリン体の量は、体内で合成される量の約1/5というデータもあります。飲みたいのに我慢してストレスになるのも痛風にとってはマイナス。毎日の食生活や生活習慣の見直しと、状態によっては病院での治療をキチンと行えば、それほど厳しく制限をしなくても大丈夫です。
Q2) 痛風が贅沢病ってホントですか?
一般的には美食や飽食によって痛風になることが多いため、贅沢病と言われることもありますが、お酒も飲まず質素な食生活の人でも痛風になっている人もいます。また、食生活以外にも尿酸が増えやすい体質や仕事などのストレスも関係しているため、一概に贅沢病だとは言い切れません。
Q3) どんな時に痛みが出るの?
一般的には血清尿酸値が高い時に激しい痛み(痛風発作)が起こります。
ところが、高尿酸血症が長く続くことで体内に尿酸塩結晶が蓄積されていると、血栓尿酸値が正常でも発作が起きるケースがあります。
Q4) 夜中に激しい痛みが出たらどうすればいいの?
夜間で病院に行けない場合は、以下のような手順で応急処置をしてください。
- 机の上に足を乗せるなど、患部を高い位置に保ちます。
- 冷たいタオルや保冷剤などで患部を冷やしましょう。
- 血液中の尿酸を薄めるためにも水分を補給してください。
- むやみに動かず安静にしましょう。マッサージもNGです。
痛みに応じ市販の消炎鎮痛剤などを飲んでもOKですが、バファリンなどのアスピリン薬はたくさん飲むと発作がひどくなりますので、なるべく医師から処方された発作用の薬を飲むようにしてください。
Q5) 女性は痛風に罹りにくいってホント?
女性は圧倒的に男性より罹りにくいのは本当です。
ただし、50歳を過ぎると女性ホルモンの低下により、尿酸値の男女差は小さくなりますので、若い時よりも痛風に罹る可能性は高くなります。また、最近では食生活の欧米化により、20代、30代の女性にも痛風患者が増えていますので、女性だからと油断はできません。
Q6) 尿をアルカリに保つにはどうすればいいの?
酸性尿改善薬(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物)を処方してもらう方法もありますし、野菜や海草、梅干しなどのアルカリ性食品を積極的に食べることでもアルカリに傾いていきます。
また、お水やお茶など糖分やカフェインを含まない水分の補給を増やすことで、尿の量も増え尿酸が排泄されやすいようにしてあげることも大切です。