ニキビかな?と思ったら実は全然違う皮膚疾患だったということはたまにあります。
仮に何かしらの皮膚の病気だった場合、ニキビと違って放置して治る(自然治癒)ということが難しいものもあり、スキンケアをしてもほとんど効果があらわれないことが多いです。
皮膚科に行って切開手術や抗生物質をもらうなどして治療しないと治らないということです。
「ちょっと色や形、大きさがおかしいぞ!?」
と思ったら以下に紹介するニキビに似た皮膚疾患(吹き出物)の症状がないか確認するようにしてみてください。
マラセチア毛包炎(もうほうえん)
マラセチアという真菌(カビ)が引き起こす毛穴の炎症です。おそらく一番ニキビと間違えやすい皮膚疾患です。
マラセチア菌とは、アクネ菌と同じく人間の頭、顔、胸、背中などニキビができやすい部位に常在している常在菌の1つです。
皮脂をエサに増殖し、肌表面に発疹がでてくるところもアクネ菌と同じですし、写真をみてもわかるように、素人目にはニキビとマラセチア毛包炎は見分けがつかないことがほとんどで、赤ニキビだと混同してしまうケースが多いです。
※胸や背中などの身体にできるニキビはマラセチア毛包炎であることが多いようです。
皮膚科でも通常のニキビ治療を行ってもなかなか改善しないため抗真菌薬を出したところ発疹が治ったというケースもよくあって、後でマラセチア毛包炎だったと判明することもあるんだとか。
医師でも間違うことがあるんですね。
マラセチア真菌はカビの一種ということで、高温多湿の環境を好むことやエサになる皮脂が大量に分泌されるということで梅雨時~夏場に発生することが多いです。
対策としては洗顔、入浴などによって皮膚の清潔を心がけること、下着をまめに取りかえるなどといったことが効果的です。
自然治癒は難しく、スキンケアでどうにかなる皮膚疾患ではないので必ず医療機関に赴いて治療を受けるようにしてください。
マラセチア毛包炎には、ニゾラールのようなイミダゾール系の抗真菌外用薬での治療が非常に効果があります。1~2ヵ月もすると治るようですが、治りが遅い場合は内服薬が追加で処方されます。
脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)(しろうせいひふえん・しっしん)
おでこや生え際、鼻のまわりなど皮脂の分泌の多いところにできる湿疹です。
こちらも皮膚に常在するマラセチア属真菌が引き起こす炎症の1つであり、皮膚が赤くなって紅斑ができたり、かさぶたやフケのようなカサカサ、そして軽度のかゆみを伴うこともあります。
マラセチア属真菌(カビ)が原因と考えられているのでカビが繁殖しやすい高温多湿の環境、エサになる皮脂と汗の増加するということで夏に脂漏性皮膚炎の肌トラブルが起きやすくなります。
すでに紹介したマラセチア毛包炎と合併して発症する例もあり、遺伝的な要因も関係しているといわれていますが、決定打になるようなことは見つかっていないようです。
脂漏性皮膚炎の対策としては洗顔・洗髪・入浴によって肌を清潔にすることに加えて、肌代謝を促すビタミンB群を消費してしまう糖質や脂質、アルコールの摂り過ぎに注意することが大切です。
※ビタミンB不足だったり、刺激物を好む人は湿疹が悪化しやすいため
生活習慣を整えて、ニキビケア化粧品を使い、皮膚科でもらった外用薬や内服薬でニキビ治療をしているのになかなか治らないという場合は、脂漏性皮膚炎と毛包炎を疑ったほうがいいです。
覚えておきたいのは、ニキビと同じく毛穴に炎症が起きているので治療が遅れるとそれだけ毛穴にダメージが蓄積されてしまうこと。さらに湿疹を潰してしまったり、引っ掻いたりすると、炎症ニキビと同様に色素沈着(シミ)や瘢痕(クレーター状の凸凹)など傷跡が残ります。
ニキビと毛包炎は原因菌がアクネ菌とマラセチア菌と異なるので顕微鏡検査をすればすぐに判別がつきます。視診では医師でもニキビと間違えるので、検査してはっきりさせたほうがいいですね。
キレイに治るか否かは、最初の診断にかかっているといえるかもしれません。
皮膚科での治療は抗真菌外用薬が中心になり、かゆみや炎症が強い場合はステロイド外用薬が使われることもあるということです。薬によって治る皮膚疾患といってもマラセチア菌が増殖しやすい環境が改善されなければ、すぐにまた再発してしまいます。
粉瘤(ふんりゅう)
古い皮脂や垢などの老廃物が皮膚内部に溜まることでできる良性の腫瘍の一種です。
顔、首、背中、耳のうしろなどにできやすい傾向があります。
「アテローム」ともいわれ、数mmから数cmの半球状の「しこり(腫瘍)」や「できもの」ですから、ニキビと混同することはないと思いますが、ごく初期のできはじめのものは大きなニキビと混同する可能性があります。
良性の腫瘍ではありますが、放置しておくと皮脂や角質などの老廃物が蓄積されていくので年々少しずつ肥大化してしまいますし、細菌感染を起こすことで痛み、発赤が生じることもあるので、できるだけ早い段階で切開手術をして取り除くという対処が一般的です。
粉瘤が炎症や化膿してしまっている場合は、まず炎症を鎮め、膿を排出する応急処置を先に行います。炎症が起きた状態で切開手術を行うと、取り残しのリスクがあがり、再発してしまうリスクも上がるからです。
切開手術は皮膚の下にある球状の粉瘤を丸ごと摘出します。
手術自体は簡単なものなので局部麻酔をして30分程度で終わります。手術費用は3割負担の健康保険で概ね2万円程度(大きさや病理検査の有無で変わる)だということです。