前回までに基礎代謝、活動代謝、摂取カロリー、GI値の説明をしましたが、まだまだ効果的にダイエットを成功させるために、知っておかなければならないことは山ほどあります。
その中の一つが脂肪細胞と呼ばれるもので、これがどんなに頑張っても痩せない人などを生む要因となっています。
脂肪細胞とは?
脂肪細胞とは、脂肪を入れておく風船のようなもの、だと考えてください。
前回で、体脂肪が増えるメカニズムについて説明しましたが、人間は食事から得たエネルギーの余剰分を脂肪に変えて、非常時のために脂肪細胞の中に蓄えておく性質があります。
そうすると脂肪細胞は肥大するわけですが、当たり前の話、脂肪細胞が風船だとすると、当然、そこには膨らみえる限界値があることになります。
そのため、どんなに食べても、蓄えておける脂肪(エネルギー)の量は、決して限界以上にはなりません。
人一倍、脂肪細胞の数が少ない人は、この限界値が小さく、あまり脂肪が蓄積されない、つまり太りにくい、と言えるわけですが、逆に人よりも脂肪細胞の数が多い人は、限界値が多いため、食べ過ぎれば、確実に肥満体型になってしまいます。
そして重要なのは、この脂肪細胞の数ですが、成長期のある一定期間にしか変動しません。
脂肪細胞が増えるのは、胎児期、乳児期、思春期、ということが明らかになっています。
つまり、この時期に太りやすい食事や運動不足などで、脂肪細胞が平均的な人よりも増えてしまった人は、一生太りやすい体質を抱えながら生きていくしかない、ということ。
こういうタイプは「脂肪細胞増殖型肥満」になりやすく、ダイエットが非常に困難だと言われています。
簡単に言うと、太るとは
- 脂肪細胞が増えること
- 脂肪細胞が膨らむこと
ということで、脂肪細胞の膨らみは、ダイエットで萎ませることができますが、脂肪細胞の数は、特別な医療行為(脂肪吸引など)でないと、減らすことはできません。
ちなみに、脂肪細胞が膨らむことによる肥満は「脂肪細胞肥大型肥満」と呼ばれ、妊娠中や出産後の肥満や中年太りはほとんどがこれで、繰り返しますがこのタイプの肥満は、適切なダイエット方法で、痩せることは難しくありません。
脂肪細胞と遺伝
一度増やしてしまうと、もう二度と減らすことのできない脂肪細胞。
思春期に増えてしまったものは、ある意味自己責任と言えますが、胎児期や乳児期ははっきり言って親の責任とも言え、本人に責任はあるとは思えません。
が、もっと理不尽なことを付け加えると、脂肪細胞の働きは、遺伝によるところが大きいということです。
脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類があり、前者は下腹部、お尻、太ももなど、脂肪がつきやすい部分に多く存在します(このことからもわかる通り、白色脂肪細胞は、体内の余分なエネルギーを脂肪として蓄えやすい性質があります)。
後者の褐色脂肪細胞は、首や脇、心臓や肝臓などの周囲といった、あまり脂肪がつきにくいところに多く存在します(このことからもわかる通り、褐色脂肪細胞は、脂肪を熱に変えて、放出させるという、痩せたい人にはありがたい性質をもった細胞と言えます)。
白色脂肪細胞の働きが強く、褐色脂肪細胞の働きが弱い人は、つまり太りやすい体質で、逆は太りにくい体質である、ということができ、テレビなどでよく見る「決して太らない大食いタレント」というのは、遺伝的に、褐色脂肪細胞の働きが人並み外れて強力である、と言われています。
常人の何倍ものカロリーを摂取しても太らない人。
太っている人からすれば、非常にうらやましく「なんてこの世は不公平なんだ!」と叫びたくなるような存在ですが、嘆いたところで一度増えた脂肪細胞が減ることはなければ、また、褐色脂肪細胞の働きを強めることもできません。
また、今更親を責めたところで何の解決にもなりません(笑)。
太りやすい体質だからと言って、正しいダイエット方法を選べば、決して痩せることが不可能、というわけでもありませんので、ぜひ、頑張ってダイエットに励みましょう。
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