ある日いつもより布団に寝汗をかくようになったら、それはアトピー悪化の警告です。
もともとアトピー性皮膚炎で最近は症状が落ち着いていた人も油断禁物です。
無意識のうちにストレスを受け、自律神経がダメージを受け体のバランスが崩れているのです。
原因を解消してアトピーによる寝汗を改善するためには薬膳といった漢方薬を使う方法もありますがお金がかかります。
そこで、今回は日々の生活でカンタンに寝汗を改善できる方法をご紹介します。

アトピーの前兆「寝汗」

小康状態だったアトピー性皮膚炎がなぜか突如大爆発する。悪夢のような状態です。
顔や首、腕やその他の部位など、強い炎症が出る箇所は人それぞれです。また、全身に出る人もいるでしょう。
真っ赤に腫れ上がったり、グジュグジュと滲出液が止まらなかったり、かゆみも半端ないけれど痛くもある。
身体を動かすことすら苦痛なこともあり、本当に辛い状態です。
突然やってきたと思えるアトピーの大爆発も、よくよく思い返してみれば悪化の原因やその予兆について思い当たる節があるのではないでしょうか。
アトピーは突如爆発するのではなく、日々の好ましくない生活習慣が積もり積もって噴出するものなのです。

例えば、アトピー大爆発の予兆として数ヶ月前から大量の寝汗をかいていたということもあります。
敷き布団をめくると、おねしょかと見まがおうぐらいのシミができる程の大量の寝汗です。
ちょっと尋常ではないぐらいの寝汗です。布団をいくら干しても追いつかず、カビが発生してしまう程だったりします。
寝汗をかくこと自体は実に自然なことであり、人はコップ一杯程度の汗を寝ている間にかくと言われています。
しかし、不快なぐらい大量の寝汗は、何らかの問題を抱えている可能性を示していると考えられます。

アトピーの寝汗原因「ストレス」

異常な寝汗の原因はいくつかあるのですが、もっとも多いのはストレスによる自律神経の乱れと言われています。
人によってはストレスを受けていることに対して自覚が無い場合もあるかもしれません。
でも、数ヶ月に及ぶ異常な寝汗として現れていたそれは、相当強いストレスを抱えていたことの表れなのでしょう。
強いストレスは、寝汗だけでなく暴飲暴食などの他の形としもて現れている場合もあります。
ついついつまんでしまう甘いもの。思い返してみてみると、知らず知らずのうちに相当な糖分を摂っていたりします。糖分の摂り過ぎも、アトピー性皮膚炎を悪化させるとよく言われます。
何らかの強いストレスだけでもアトピー性皮膚炎にはマイナス要素であるのに、その上に好ましくない生活習慣で相乗効果を及ぼします。積もり積もってアトピーの大爆発へのつながっていくのです。

やはり、アトピー性皮膚炎にはストレスの溜め込みは禁物です。
寝汗が尋常でなかったり、生活習慣や食生活の乱れに気がついたりしたら、ご自身のストレス状況を見直すべきです。
ストレスを無くすことはとても難しいことですので、無くさないまでも考え方を変えてみたり、誰かに助けを求めたり、スポーツなどの違う形での発散をしたりして、アトピー性皮膚炎の悪化を未然に防ぐように気をつけていきましょう。

アトピーの寝汗改善「質の良い睡眠」

アトピー性皮膚炎を改善するのに十分な質のよい睡眠は欠かせません。
寝ているときに分泌される自前の副腎皮質ホルモンが炎症の治癒に働いてくれるのです。
ところが、日常生活の中で強いストレスにさらされていると、自律神経が乱れて異常なほどの寝汗が出たり神経の高ぶりによって眠りが浅くなったり、十分な睡眠が取れなくなります。
人生の約1/3の時間を占めると言われる睡眠です。アトピー性皮膚炎のみならず、美容と健康にも直結しているものなので、是非睡眠の質を高めていきたいものです。
ここでは、寝汗対策と快適な睡眠の環境づくりに役立つ方法を見ていきましょう。

寝汗対策

1 機能性下着やパジャマ

最近では、汗の吸収性や速乾性のよい、機能性が高い生地も色々と開発されているので、下着やパジャマを選ぶ事で、寝汗の不快感も軽減されます。

2 除湿シート

敷き布団の下に敷く、除湿効果のあるシートがあります。
吸湿センサーがついていて、シートに湿気がたまったら天日干しで乾燥させて、繰り返し使う事ができます。
備長炭や竹炭が使われているものや、消臭・防カビ効果も付与されたものもあるので、必要に応じて選びましょう。
敷き布団のカビ防止としても効果があります。

3 漢方薬

漢方の世界では寝汗の事を「盗汗(とうかん)」と呼びます。
盗汗に効果が期待できる漢方薬はいくつかあります。
そして、漢方薬はその人その人によって合うものを選ぶので、漢方を処方してくれる医師か漢方薬局に相談しましょう。

睡眠環境

1 クラッシック音楽やアロマでリラックス

高ぶった神経を休めて、眠りつきやすいようにリラックスする時間を持ちましょう。寝る前の儀式として習慣化すると効果的です。
クラッシック音楽だとモーツァルトなどがおすすめです。
アロマはラベンダーやカモミールなどの香りが安眠を誘います。

2 スポーツや散歩などで身体を動かす

運動不足の人が多いと思いますが、適度な運動で全身の血行を良くしたり、軽く汗を流したりする事は、ストレスを発散する事ができ、また、適度な疲労感を得られる事などから寝付きをよくし、睡眠の質も高めてくれます。

平日はなかなか運動する時間が取れない人も多いことでしょうが、寝る前にストレッチをする程度でも心身ともにリラックスもできるので寝汗対策におすすめできます。