医薬品情報
添付文書情報
| 販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
|---|
禁忌
次の患者には投与しないこと
次に掲げる骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者[「10.その他の注意」の項参照]
骨ページェット病
原因不明のアルカリフォスファターゼ高値を示す患者
小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者[「7.小児等への投与」の項参照]
過去に骨への影響が考えられる放射線治療を受けた患者
高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症を悪化させるおそれがある。「2.重要な基本的注意」の項参照]
原発性の悪性骨腫瘍もしくは転移性骨腫瘍のある患者[症状を悪化させるおそれがある]
骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患の患者(副甲状腺機能亢進症等)[症状を悪化させるおそれがある]
本剤の成分又は他のテリパラチド製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能・効果及び用法・用量
効能効果
骨折の危険性の高い骨粗鬆症
効能効果に関連する使用上の注意
本剤の適用にあたっては、低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨頸部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する患者を対象とすること。
用法用量
通常、成人には、テリパラチドとして56.5μgを1週間に1回皮下注射する。
なお、本剤の投与は24ヵ月間までとすること。
用法用量に関連する使用上の注意
本剤を投与期間の上限を超えて投与したときの安全性及び有効性は確立していないので、本剤の適用にあたっては、投与期間の上限を守ること。[「10.その他の注意」及び「臨床成績」の項参照]
本剤の投与をやむを得ず一時中断したのちに再投与する場合であっても、投与週数の合計が24ヵ月(104週)を超えないこと。また、24ヵ月(104週)の投与終了後、再度24ヵ月(104週)の投与を繰り返さないこと。
他のテリパラチド製剤から本剤に切り替えた経験はなく、その安全性は確立していない。なお、他のテリパラチド製剤から本剤に切り替えたときにおける本剤の投与期間の上限は検討されていない。[「10.その他の注意」の項参照]
使用上の注意
慎重投与
低血圧の患者[一過性の血圧低下があらわれることがある。]
腎障害のある患者[臨床薬理試験において、重度の腎障害患者では血中からのテリパラチドの消失に遅延が認められている。「薬物動態」の項参照]
重篤な心疾患のある患者[使用経験がない。]
重篤な肝機能障害を有する患者[使用経験がない。]
尿路結石のある患者及びその既往歴のある患者[本剤の投与により、症状を悪化させるおそれがある。]
重要な基本的注意
一過性の急激な血圧低下、意識消失、転倒(投与直後から数時間後にかけて)があらわれることがあるので、以下の点に留意すること。
投与後30分程度はできる限り患者の状態を観察すること。特に、外来患者に投与した場合には、安全を確認して帰宅させることが望ましい。
投与後に血圧低下、めまい、立ちくらみ、動悸、気分不良、顔面蒼白、冷汗等が生じた場合には、症状がおさまるまで座るか横になるように患者に指導すること。
一過性の血圧低下に基づくめまいや立ちくらみ、意識消失等があらわれることがあるので、高所での作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
本剤の薬理作用により、投与約4から6時間後を最大として一過性の血清カルシウム値上昇がみられる。本剤投与中に血清カルシウム値上昇が疑われる症状(便秘、悪心、嘔吐、腹痛、食欲減退等)が本剤投与翌日以降も継続して認められた場合には、血清カルシウム値の測定を行い、持続性高カルシウム血症と判断された場合には、本剤の投与を中止すること。なお、血清カルシウム値上昇によりジギタリス剤の作用が増強することがあるため、ジギタリス製剤と併用する時は注意をすること。[「3.相互作用」の項参照]
副甲状腺ホルモンは血管平滑筋の弛緩作用や心筋への陽性変時・陽性変力作用を示すことが報告されている。
心疾患のある患者には、患者の状態を観察し、病態の悪化がないか注意しながら本剤を投与すること。
腎障害のある患者においては、定期的に腎機能検査を行うこと。
閉経前の骨粗鬆症患者での安全性及び有効性は確立していない。
併用注意
| ジギタリス製剤 ジゴキシン等 | 高カルシウム血症に伴う不整脈があらわれることがある。 | 血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリス剤の作用が増強される。 |
| 活性型ビタミンD製剤 アルファカルシドール カルシトリオール エルデカルシトール マキサカルシトール ファレカルシトリオール等 | 血清カルシウム値が上昇するおそれがあるため、併用は避けることが望ましい。 | 相加作用 |
副作用
副作用発現状況の概要
骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象とした第III相試験における安全性評価対象479例中237例(49.5%)に副作用が認められた。その主なものは、悪心117例(24.4%)、嘔吐64例(13.4%)、頭痛53例(11.1%)、倦怠感49例(10.2%)、腹部不快感31例(6.5%)、めまい30例(6.3%)等であった。(用法・用量の一部変更承認時)
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(0.4%)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
| 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 頻度不明注1) | |
| 消化器注2) | 悪心、嘔吐、腹部不快感 | 食欲減退、胃炎、消化不良、腹痛、下痢、逆流性食道炎、口渇、便秘、胃潰瘍、腹部膨満、流涎過多、裂孔ヘルニア、おくび、味覚異常、口内乾燥、心窩部不快感 | 口腔内不快感 |
| 精神神経系 | 頭痛、めまい | 不眠症、意識消失、傾眠、感覚鈍麻(四肢、顔、口のしびれ感等)、振戦、頭部不快感、鎮静、感情不安定、注意力低下 | 記憶障害、耳鳴、灼熱感 |
| 腎臓 | BUN上昇、腎機能障害、尿中血陽性、尿中蛋白陽性、血中クレアチニン増加、頻尿 | 慢性腎炎 | |
| 循環器 | 血圧上昇、動悸、血圧低下、上室性頻脈、心室性期外収縮、潮紅、起立性低血圧 | 狭心痛、徐脈、心電図異常、蒼白 | |
| 過敏症注3) | 発疹、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎 | そう痒症 | |
| 肝臓 | ALP上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇 | 肝機能障害 | |
| 代謝異常 | CK(CPK)上昇、血中リン減少、ALP低下 | アルブミン・グロブリン比減少、血中カリウム減少、血中カリウム増加、血中カルシウム増加、血中クロール減少、血中クロール増加、血中コレステロール増加、血中ナトリウム減少、血中ブドウ糖増加、高尿酸血症 | |
| 血液 | 好酸球増加、好中球減少、貧血、リンパ球増加 | 血小板減少、好塩基球増加、好酸球減少、好中球増加、赤血球減少、単球減少、白血球減少、白血球増加、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、リンパ球減少 | |
| 呼吸器 | 息詰まり感、咳嗽、喘息、鼻漏、副鼻腔炎、咽頭不快感 | ||
| 筋骨格 | 筋骨格硬直、肩の石灰化腱炎、背部痛、四肢痛、四肢不快感 | 関節痛、筋緊張、筋力低下、頚部痛、筋肉痛、骨痛 | |
| 投与部位 | 注射部位出血、注射部位紅斑、注射部位腫脹 | 注射部位疼痛 | |
| その他 | 倦怠感 | 異常感(全身違和感、気分不良等)、発熱、胸部不快感、悪寒、胸痛、多汗症、浮腫、熱感、甲状腺腫、自己免疫性甲状腺炎、脱力感、リンパ節炎、あくび、末梢冷感、眼瞼下垂、視力障害、インフルエンザ様疾患 | 結膜充血、胆石症、皮下結節、皮下出血、尿中ウロビリン陽性、尿中ビリルビン増加、脱毛、疼痛 |
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いため、患者の状態を観察し、十分に注意しながら本剤を投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。妊娠する可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与期間中は有効な避妊を行うように指導すること。妊娠が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。[ウサギを用いた静脈内投与による器官形成期投与試験において、胎児毒性(胎児死亡)が認められている。]
小児等への投与
小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者には投与しないこと。[使用経験がない。これらの患者では、一般に骨肉腫発現のリスクが高いと考えられている。]
過量投与
徴候・症状
血圧低下、脈拍数増加、血清カルシウム値上昇が発現する可能性がある。
処置
本剤の投与を中止し、血圧、脈拍、血清カルシウム値の測定を行い、適切な措置を行うこと。
適用上の注意
溶解後は速やかに使用すること。
その他の注意
雌雄ラットに本薬を皮下投与したがん原性試験において、投与量及び投与期間に依存して骨肉腫を含む骨腫瘍性病変の発生頻度が増加した。なお、ラットに無発がん量(4.5μg/kg/日)を投与した際の1週間当たりの曝露量(AUC)は、ヒトに臨床推奨用量(56.5μg/週)を投与した際の曝露量(AUC)の3.9〜11.6倍に相当する[1]。
男性患者に対する使用経験は少ない[「臨床成績」の項参照]。
薬物動態
血漿中濃度
単回投与
健康成人男性[2]、健康高齢女性[3]あるいは骨粗鬆症患者[4]に本剤56.5μgを単回皮下投与したとき、血漿中テリパラチド酢酸塩濃度は速やかにピークに達し、また消失も速やかであった(表参照)。
表 本剤を皮下投与したときの薬物動態パラメータ
| Cmax(pg/mL) | Tmax(min) | T1/2(min) | AUCinf(ng・min/mL) | |
| 健康成人男性(n=9) | 405.4±124.5 | 40±13 | 66.9±18.4 | 50.8±10.3 |
| 健康高齢女性(n=16) | 339.56±68.44 | 51.6±7.7 | 88.85±72.91 | 43.50±5.97 |
| 骨粗鬆症患者(n=28) | 495.92±143.22 | 36.4±12.5 | 60.66±23.29 | 57.49±15.11 |
反復投与
骨粗鬆症患者に本剤56.5μgを1週間に1回、24週間反復皮下投与したとき、反復投与によってCmax及びAUCinfは僅かに増加したものの、本剤の薬物動態は単回投与後と比較して大きな変化は認められなかった(図参照)[4]。
図 骨粗鬆症患者の反復投与時の血漿中テリパラチド酢酸塩濃度の推移
生物学的利用率
30代健康成人男性5例に本剤14.1μg注)を静脈内投与したときのAUCinf[5]及び20代健康成人男性9例に本剤14.1μg注)を皮下投与したときのAUCinf[2]の比から求めた絶対的生物学的利用率はほぼ100%であった。
分布
分布容積
30代健康成人男性5例に本剤14.1μgを静脈内投与注)したときの分布容積は307±78mL/kg、60代健康成人男性5例に本剤14.1μgを静脈内投与注)したときの分布容積は426±190mL/kgであった[5]。
<参考>
ラットでの検討より、皮下投与されたテリパラチド酢酸塩(125I標識体)は肝臓及び腎臓に分布することが示唆された[6]。
血球移行性(in vitro)
健康成人5例の血液サンプルを用いて、テリパラチド酢酸塩の血球への移行性を評価した結果、血球移行性は37.0%であった[7]。
代謝・排泄
健康高齢女性16例に本剤56.5μgを単回皮下投与したとき、24時間までに排泄された尿中にテリパラチド酢酸塩は検出されなかった[3]。
<参考>
ラット組織を用いた検討より、肝臓あるいは腎臓に分布したテリパラチド酢酸塩(125I標識体)は速やかに低分子の分解物へと代謝されることが示唆された[6]。
特殊な集団における薬物動態
腎機能障害者
腎機能障害者に本剤56.5μgを単回皮下投与したときCmax及びAUCinfは腎機能の影響を大きく受けず、T1/2は高度腎障害者で延長したが(表参照)、1週間に1回の投与間隔を考慮すれば血漿からの消失は十分に速やかであると考えられた(図参照)[8]。したがって、腎機能の程度によって用法・用量を変更する必要はないと考えられた。なお、腎透析患者を対象とした試験は実施されていない。
表 本剤を腎機能障害者に皮下投与したときの薬物動態パラメータ
| Cmax(pg/mL) | Tmax(min) | T1/2(min) | AUCinf(ng・min/mL) | |
| 正常〜軽度(n=8) (eGFR:62.3-88.5) | 361.73±103.44 | 50.6±26.5 | 90.64±29.54 | 56.54±9.59 |
| 中等度(n=5) (eGFR:35.0-58.5) | 499.14±259.48 | 48.0±19.6 | 71.76±10.58 | 56.36±13.31 |
| 高度(n=5) (eGFR:16.7-28.5) | 424.68±268.40 | 54.0±25.1 | 297.99±240.38 | 63.36±22.99 |
図 腎機能障害者の血漿中テリパラチド酢酸塩濃度の経時推移
肝機能障害者
薬物相互作用(in vitro)
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人には、テリパラチドとして56.5μgを1週間に1回皮下注射する。なお、本剤の投与は24ヵ月間までとすること。」である。
臨床成績
骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症を対象に本剤又はプラセボを週1回72週間投与した第III相試験(二重盲検試験)のKaplan-Meier推定法に基づく新規椎体骨折発生率は下表のとおりであり(本剤群261例うち男性13例、プラセボ群281例うち男性10例)、本剤は新規椎体骨折の発生を有意に抑制した[11]。72週後の相対リスク減少率は78.6%であり、新規椎体骨折発生率の群間差は11.4%であった。また、Cox回帰モデルに基づく相対リスク減少率は80%であった[12]。
表 Kaplan-Meier推定法に基づく新規椎体骨折発生率
| 観察週\ | 本剤(n=261) | プラセボ(n=281) | logrank検定 |
| 24週後 | 2.6% | 5.3% | p<0.0001 |
| 48週後 | 3.1% | 10.4% | |
| 72週後 | 3.1% | 14.5% |
また、72週後の腰椎(L2-L4)骨密度の平均変化率は、本剤群(107例うち男性6例)6.7%、プラセボ群(130例うち男性4例)0.3%であり、本剤群はプラセボ群に対して有意な骨密度増加効果を示した(t検定、p<0.0001)[11]。
さらに、骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症患者を対象に本剤を週1回24ヵ月間投与した第III相試験(非盲検・非対照試験)において、腰椎(L2-L4)骨密度の平均変化率は72週後では8.4%(136例うち男性3例)、104週後(24ヵ月後)では9.9%(130例うち男性3例)であった[13]。
薬効薬理
作用機序
薬理作用
有効成分に関する理化学的知見
| 一般名 | テリパラチド酢酸塩 |
| 一般名(欧名) | Teriparatide Acetate |
| 分子式 | C181H291N55O51S2・5CH3COOH |
| 分子量 | 4417.97 |
| 融点 | 210℃(分解) |
| 性状 | 白色の粉末で、においはないか又は、わずかに酢酸臭があり、味はない。 水又は酢酸(100)に極めて溶けやすい。 水溶液(1→1000)のpHは4.0〜6.0である。 吸湿性である。 |
包装
テリボン皮下注用56.5μg
1バイアル
| Watanabe A.et al., J Toxicol.Sci., 37 (3), 617, (2012) |
| 社内資料:健康成人男性での単回投与試験 |
| 社内資料:健康高齢女性での臨床薬理試験(QT/QTc間隔に及ぼす影響の検討) |
| 社内資料:骨粗鬆症患者での臨床薬理試験(24週間反復投与時の薬物動態の検討) |
| 社内資料:健康成人男性での単回静脈内投与試験 |
| Serada M.et al., Xenobiotica, 42 (4), 398, (2012) |
| 社内資料:薬物動態試験<血球移行性(in vitro)> |
| 社内資料:腎機能障害者での臨床薬理試験 |
| 社内資料:薬物動態試験<酵素阻害(in vitro)> |
| 社内資料:薬物動態試験<酵素誘導(in vitro)> |
| 社内資料:骨折リスクの高い原発性骨粗鬆症に対するMN-10-Tの第III相骨折試験 |
| Nakamura T.et al., J Clin Endocrinol Metab., 97 (9), 3097, (2012) |
| 社内資料:骨折の危険性の高い原発性骨粗鬆症に対するMN-10-Tの第III相骨量試験 |
| Isogai Y.et al., J Bone Miner Res., 11 (10), 1384, (1996) |
| 社内資料:卵巣摘除ラットにおける骨形成促進作用 |
| 社内資料:卵巣摘除カニクイザルを用いた18ヵ月間反復投与試験 |
| Takao-Kawabata R.et al., Calcif Tissue Int., 97 (2), 156, (2015) |
| Sugie-Oya A.et al., J Bone Miner Metab., 34 (3), 303, (2016) |
作業情報
| 改訂履歴 | 2015年11月 改訂 |
| 文献請求先 | 「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。 |
| 業態及び業者名等 | 製造販売元 |