美容外科最新情報.14 腋臭症(ワキガ) 超音波などの利用で、日帰りで治る Q.気にするから「腋臭症」になるって聞いたことがあるけれど? A.そう。欧米人の八・九割、黒人の百パーセントは、日本で言う腋臭のニオイを出している。欧米では「腋臭症」は病気ではない。日本人は十パーセントから十五パーセントぐらいの人にだけ腋臭があって、腋臭のある人が少数なので「腋臭症」になる。 Q.「みんなが出せば臭くない」ってわけだ。 A.日本の患者の八割くらいが外国であれば正常か、少し強い程度。人間も動物なのだから臭って当たり前。家族や友人が「あなた臭うんじゃない」と何気なく言った言葉に傷ついて「腋臭症」になる。 Q.においの強さってどうやって測るの? A.実際にニオイがどれぐらいあるかは、患者に、ガーゼをワキの下にしばらく挟んでから、こすってもらって、それを医者と看護師でニオイを嗅いで五段階評価する。 0―全く臭わない、 1―ガーゼを鼻につけて、かろうじてわかる程度。 2―よく嗅(か)げばわかる、 3―鼻先でわかる、 4―ガーゼを手で持っただけでにおう、 このテストである程度ニオイが強く、本人の希望があれば手術。「腋臭症」ではないかと医院に行く人のほとんどグレード2くらいで、手術をしてもしなくても良いという境界の人が多い。グレード3、グレード4でほんとうに臭う人はあまり病院に行かないと言う統計が出ている。 Q.じゃあ、行かないで我慢したほうがいいの? A.まあそうだけれど、「周りの人が臭いと思って自分を避けているのではないだろうか」と気になって、人前に出るのが怖くなって仕事などがうまく出来ない人などは、治療して気分をすっきりさせた方が良い。 Q.「腋臭」のニオイってどこから出るの? A.汗の腺には大きくわけて二種類。一つは「エクリン汗腺」。体中にあって、汗を出して、体温調節や、皮膚に適当な湿度を与える。このエクリン汗腺からの分泌量が多い場合には「多汗症」。腋の臭いとは直接関係なし。 もう一つの汗の腺は。ワキの下・耳の中・肛門・陰部・乳房などに分布。ここから出る汗は、人間以外の動物では性的興奮を起こすようなフェロンモン作用や縄張りの標識の役割をする。この汗の成分が質や分泌量によっては、臭いが強くなり、特にワキの下からの臭いは鼻に近く、本人や他人が気にして、「腋臭症」と言う症状が出る。 Q.じゃあ、その「アポクリン汗腺」ってのを何とかすればいいんだ。 A.そう、手術でアクロポリンセン汗腺を取り除くことが根本的な治療。 Q.汗のでるところなんて簡単にとれるの? A. いろいろな方法が工夫されてきたけれど、最近は、まず「反転剪除法」をしてさらに「超音波メス法」を使う方法がもっとも効果的。 Q.反転剪除法って? A.「剪除」というのは、「切って取り除く」と言う意味。局部麻酔をして、ワキの下の、毛の生えている部分を、2cmから5cmくらい、一か所あるいは二か所切って、皮膚を反転する。黄色い、多汗症の原因になるエクリン汗腺と、赤紫色の、臭いの原因になるアポクリン汗腺がはっきり見える。アポクリン腺を目で見ながらハサミで切り除いていく。 Q.2センチから5センチくらいの小さい切り口で、アポクリン腺というのがみんな取れちゃうの? A.いや、それは無理。反転しても見えないところにまだアポクリン腺が残っている。そこで次に、超音波メスを使うんだ。 Q.なるほど。 A.「超音波メス」というのは、長さ十二センチ、2ミリ径くらいの、先端から超音波の出る細い器具。それを皮膚に挿入して、超音波を発生させると、アポクリン汗腺は非常に柔らかい組織なので超音波の振動で壊されて乳化する、この乳化した汗腺を吸い出して汗腺を取ってしまう。神経や血管は破壊されずに残されて出血がない。 Q.超音波って凄いんだ。 A.肝臓のように、非常に血管の多い組織の腫瘍を取るのに、出血させないで腫瘍だけを破壊するために超音波を使っていたが、その方法を汗腺を取るのに応用したわけ。 Q. 反転剪除法とか言うのと、超音波でどれくらい効果があるの? A.五段階の二以上の人を手術して、九割の患者が五段階評価の〇か一になる。 Q.すごい効果があるのね。安全性は? A.熟練した医師がやればほとんど失敗はない。超音波の振動の出力を上手に調節し、さらに冷たい生理的食塩水を使って、皮膚が超音波の熱でやけどすることを防ぐことが出来るようにしている。 Q.手術時間やあとのケアは? A.女性で片方十分ぐらい、男性は十五分ぐらい。二日間ぐらいはガーゼを当ててテープで圧迫。二日経ってガーゼをはずしてみて、血腫など何もなければガーゼを取る。術後一か月ではまだ少し赤み、半年ぐらいでだんだん赤みが取れてきて、ワキの下にはシワがあるので、メスの跡もほとんどわからなくなる。 Q.費用は? A.両脇で、検査・麻酔・手術代、さらに3か月間のアフターケアまで全部入って30万円前後。反転剪除法を基本とした超音波メス法では、保険が適用される。 Q. 多汗症も治るの? A. 多汗症の原因のエクリン腺は、アクポリン汗腺よりも浅いところの真皮の中に埋まっているので全部取るには、皮膚を削ってかなり薄くしなければならないので、治った跡が植皮のような状態になる。完全に取るのは不可能。一、二か月はほとんど汗が出なくなり、ゼロに近くなるが、二、三か月するとまた少しは出てくるようになる。しかも腋の下の汗の出方は普通の人と同じぐらい少なくはなっても、エクリン腺は体中の皮ふにあるから、腋の下の汗が少なくなっても、全体としては効果が少ない。あまりおすすめとはいえない。 |