肌を美しく保つのが最早グローバル・スタンダード!

組織を代表する男は、肌の美しさを出す時代

生まれ持った顔立ちは変えようがない。引き締まった肉体を手に入れるには時間と努力が必要だ。でもツヤのある健康的な肌は、意外と簡単な手入れで実現する。男の肌を正しく理解し美しい肌を作ろう。

川島 眞
東京女子医科大学 皮膚科学教室 教授

1952年生まれ。'78年東京大学医学部医学科卒業。アトピー性皮膚炎、皮膚ウィルス感染症などを研究。現在、日本皮膚科学会理事、日本皮膚アレルギー学会理事、日本香粧品学会理事長などを務める。著書も多数。

「今やエグゼクティブの世界では、男性も美しくあるべきというのが常識です。欧米の元首はつややかでシミのない肌をしていますが、あれはきちんと手入れをしているから。組織を代表して表舞台に立つ人ならば、肌を美しく保つのが最早グローバル・スタンダード。モテる、モテないという話ではなく、美しい肌は組織を引っ張るリーダーの条件なのです」

そう語るのは、美容皮膚科学の第一人者で、東京女子医科大学皮膚科学教室の川島眞教授。今年62歳を迎えるが、その肌はハリがあってつややか。とても若々しい印象を受ける。どうすれば教授のような肌を手に入れられるのか? その秘訣を聞いてみたところ......。

「皮膚は、"目に見える臓器"。心身の健康状態のバロメーターであり、その人の生活習慣がすべて表れます。一番よくないのが、酒、タバコ、睡眠不足といった不摂生。当然、食生活からも大きな影響を受けます。肌を美しく保つには、自らの生活をきちんと律していかなければならないし、手入れも必要です。

日本の男性は『男が肌の手入れなんて』と思っている人が多いですが、肌には男女差がほとんどありません。『男の皮膚は厚くて丈夫』というのは、迷信のようなもの。きちんと手入れをしなければ、シミ、シワ、くすみなどの老化が進んでいきます」
この肌の老化を招く最大の原因が乾燥だ。皮膚が乾燥すると、小ジワが増え、顔色もくすむようになる。逆に言えば、肌を健康的に保つためには保湿は必須と言える。

「皮膚の乾燥をもたらすのは、低湿度環境と紫外線などの光による肌の老化です。ゴルフをやる方なら、両方の手の甲を見てみると、この"光老化"を実感できると思います。両方の手をよく見比べると、グローブをつけていないほうの手は、日焼けしているだけでなく、肌がくすみ、小ジワが多いはずです。

日光の強い照射は、肌の大敵。少なくともゴルフやマリンスポーツ、スキーをする時は、日焼け止めを必ず塗ることです。健康的に日焼けした肌が好きな人も、日焼け止めを塗ったほうがムラになりにくい。日焼け止めは、肌を白くするためのものではなく、健康的に保つもの。女性の間では、すでに常識ですが、男性もサンスクリーンの大切さを理解すべきでしょう」

日焼け止めを使って、陽射しによる乾燥を防いだら、次に意識したいのが、毎日の洗顔。どんなに物ぐさな男性でも、顔を洗わないという人は、ほとんどいないだろうが、川島教授はその洗い方が重要だと語る。

「男性の洗顔は、汚れが落ちればいいと思って、ゴシゴシと力をこめて肌に強い刺激を与えがち。でも皮膚の表面の角質層は、ラップ1枚分くらいの薄さで、ゴシゴシ刺激を与えたらむしろ逆効果です。皮膚には、外からの刺激に対するバリアと内側の水分をせき止めるダムのふたつの役割があります。洗顔で意識したいのは、この皮膚を優しくケアすることです。

普通の生活を送っているぶんには、そんなに顔は汚れません。洗顔は、なでるようにできるだけ優しく。汚れ、ホコリと過剰な脂を落とす意識で行ってください。映画などで、パンパンッと顔に水を叩きつけるようなシーンがありますが、あんなことをしたら肌を無駄に刺激して傷つけるだけです。刺激がないと洗った気がしない人は、スクラブ入りの洗顔料を使えばいいと思います。スクラブはこすりつけるのではなく、肌の上で転がすように。顔中まんべんなく、額や顎下、耳の裏からうなじまで、きちんと洗ってください」

洗顔が終わったら、化粧水で水分を補うのが第2段階。

「洗顔して脂分が抜けた肌は、水分が逃げやすい状態にあります。そこで化粧水で水分を補給するわけです。そうして潤った肌にクリームや乳液でフタをする。ここまでやれば、肌の老化を防ぐことができるでしょう。化粧水やクリームは、いろいろ試してみて、自分に合うものを探してみるといいでしょう。こういった手入れは、30代、40代からでも遅くはありません。50代、60代でも次のシミやシワを防ぐための手入れを怠らないでほしいですね」

ちなみに、最近話題の「ミドル脂臭」は、主に後頭部の汗や脂が原因と言われている。

「"オヤジ臭い"と言われないためには、丁寧な洗髪も忘れないようにしたいですね。男性の多くは、前頭部だけチャチャッと洗っているだけなのではないでしょうか。歯を磨く時と同じように、前、横、上、後ろと順番に3分は時間をかけて後頭部まできちんと洗い、コンディショナーで地肌を保湿する。頭皮も皮膚ですから、きちんとケアすれば老化を防ぐことができます」

肌をキレイに保つのに、手間や時間はそれほどかからない。"美しい男"になる第一歩として、肌の手入れから始めてみてはどうだろうか。

  • 『化粧品を正しく使えばあなたはもっとキレイになる。』
    美しくなるために男も勉強しよう
    肌の手入れは女性だけのものではない。興味を持ったら、ぜひ読みたいのが教授の近著『化粧品を正しく使えばあなたはもっとキレイになる。』¥1,000(幻冬舎刊)。シミ、シワの原因や手入れ方法を理論的に解説した基本の書。肌トラブルへの対処法も紹介。