メトグルコ

どんな薬か?

 血糖値を下げる薬です。エネルギーとして消費される血糖の量を増やして血糖値を下げ、腸から吸収される糖質の量を減らして血糖値を上げないようにはたらくと考えられています。

 食事療法・運動療法に加えて、スルホニル尿素系血糖降下剤の効果がなかったり、副作用が出てスルホニル尿素系血糖降下剤が使えない2型糖尿病の人に用いられるのがふつうです。

副作用

①もっとも注意しなければならないのは低血糖です。これは、血糖値が下がりすぎるために脳がエネルギー不足におちいり、体に力が入らなくなったり、けいれんがおこったり、意識が薄れたりする副作用です。

 低血糖をおこさないために、食事は、1日3食、規則正しくとってください。1食抜いたり、食事の時間を遅らせたりすると、薬のために血糖値が下がりすぎ、低血糖をおこしがちです。

 また、体調が悪いと、薬が効きすぎて低血糖がおこることがあります。とくに下痢・嘔吐(おうと)・高熱の際におこりがちです。このような症状があるときは、必ず医師の診察を受けてください。

 体がふらついたり、手が震えたりするのが、低血糖の前兆のことが多いのです。前兆らしい症状に気づいたら、砂糖を10g程度、あるいは糖分を含む缶ジュースや缶コーヒーなどをとってください。低血糖を予防することができます。

 いったん低血糖がおこると、治まったあと数日は、また再発する危険があります。いつもペットシュガーやブドウ糖ゼリーなどを持ち歩くようにしましょう。

②薬によるアレルギー症状(過敏症状)が出たら服用を止め、すぐ医師に報告してください。また、日光過敏症がおこることがあります。薬を使用中は、皮膚を直接、日光にさらさないように気をつけてください。

③ときに、吐き気・嘔吐(おうと)、下痢、便秘、食欲不振、腹部不快感、肝機能障害、黄疸、だるさ、頭痛、頭重、ねむけがおこることがあります。また、まれに乳酸アシドーシス(酸欠症)・ケトーシスがおこることがあります。メトグルコでは放屁増加、貧血、白血球・好酸球増加、白血球・血小板減少、黄疸、発疹、かゆみ、BUN上昇・クレアチニン上昇、味覚異常、めまいなどがおこることがあります。吐き気・嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状、倦怠感(けんたいかん)、筋肉痛、過呼吸などが現れたら服用を止め、すぐ医師に連絡してください。

④副作用出現の有無をチェックするためにも、検査を指示されたら必ず受けてください。

使用上の注意

①錠剤です。1日の服用回数、1回の服用量、服用期間については医師の指示を守り、医師の許可が出るまで服用し続け、かってに中止、増量・減量しないでください。

②食事療法・運動療法を正しく行ったうえで服用しないと、血糖降下剤の効果が上がりません。血糖降下剤は、薬の効果が出始めるまでの時間が人によって異なり、効果の持続時間も違います。肥満の人は、とくに食事療法と運動療法で肥満を解消しましょう。

③服用中は体重、血糖値などを調べる検査を指示されるはずです。必ず受けてください。

④あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。

 とくに重症ケトーシス・糖尿病性昏睡(こんすい)・1型糖尿病・腎不全(じんふぜん)・肝不全・重症の感染症といった病気の人、手術の直前・直後の人、重いけがをしている人、下痢・嘔吐などのある人、過去に乳酸アシドーシスになったことのある人、ショック・心不全・心筋梗塞(しんきんこうそく)・肺塞栓(はいそくせん)・脱水症・脳下垂体機能不全症(のうかすいたいきのうふぜんしょう)・副腎機能不全症などの病気のある人、栄養不良や飢餓(きが)状態にある人、体が衰弱している人、大量飲酒者、過去に血糖降下剤・チアジド系降圧利尿剤を使用して過敏症状をおこしたことのある人は、この薬を使用できません。

 また肝臓病・腎臓病の人、不規則な食事をする人、食事摂取量が不足している人、激しい筋肉運動をする人、感染症にかかっている人、ほかの糖尿病治療剤を使用中の人は、あらかじめ医師に伝えてください。使用量を減量するなどの対策を講じてもらう必要があります。

⑤妊婦あるいは現在妊娠する可能性のある人は、あらかじめその旨を医師に伝えてください。妊娠中に血糖降下剤を服用すると、形態異常の赤ちゃんが生まれる危険があります。

⑥禁酒を指示されたときは必ず守ってください。禁酒を守らないと低血糖がおこります。

⑦自動車の運転や高所での作業にたずさわる人は、医師に伝えてください。運転中や作業中に低血糖がおこるとたいへん危険です。

⑧高齢者は、血糖降下剤が効きすぎて低血糖をおこしがちです。指示された1日の服用量・服用回数をきちんと守り、家族もこの薬の副作用をよく知って、高齢者に正しく服用させるように協力することが大切です。

⑨この薬を服用中に次の薬を使用する必要が生じた場合は必ず医師に相談してください。

 服用する薬によってちがいはありますが、サリチル酸系解熱鎮痛剤β(ベータ)ブロッカー製剤蛋白(たんぱく)同化ステロイド剤スルホニル尿素系血糖降下剤、インスリン製剤、MAO阻害剤などと併用すると、血糖降下剤の効果が過剰になって、低血糖がおこりやすくなることがあります。

 また、気管支喘息(ぜんそく)の治療などに使うエピネフリン、副腎皮質ホルモン剤甲状腺ホルモン剤卵胞ホルモン剤利尿剤、抗結核剤のイソニアジド系製剤フェノチアジン系の抗精神病剤、ニコチン酸系の薬などと併用すると、血糖降下剤の作用が弱まることがあります。また、ヨード造影剤と併用すると乳酸アシドーシスの副作用をおこすことがあります。