伊豆長岡温泉 弘法の湯長岡店

2008.2

伊豆長岡温泉

東京起点で気楽にリラックス・リフレッシュできる温泉宿を探している。東京からの温泉といえば、まずは「伊豆・箱根」だろう。箱根にはすでに準定宿があるので、次は伊豆だ。
伊豆は子どもの頃、家族旅行でさんざん行ったが、湯治場というより東京の奥座敷的な温泉観光地だけに、一人旅向きの宿は多くない。
その中で、自分向きの温泉宿探しで一番参考にしている『温泉療養の手帖』で目にとまったのが、伊豆長岡温泉の「弘法の湯」。
ここは一人客も随時OKで、食事付もあるが、素泊りだと5000円ですむ。この宿の設備や料金設定、食事内容をみると、”連泊する湯治客”を対象にしていることがよくわかる。まさに私にピッタリ。
弘法の湯は本店と長岡店の2つがあり、料金や設備はほとんど同じなのだが、やや新しそうな長岡店にしてみた(楽天で空きを確認してネット予約)。
泉質は長岡温泉自体”アルカリ単純泉”だが、ここは浴室にラジウムを放出する北投石などを使って放射能泉にグレードアップしている。北投石の岩盤浴も用意して、秋田の玉川温泉までは行けない人向けにアピールしているところも、湯治向き。
伊豆長岡温泉は、三島から伊豆箱根鉄道で「伊豆長岡駅」へ、そこからは15分ごとのバスで10分ほど。あるいは沼津から30分ごとにバスがある。行きは沼津経由をとってみた。外見は日帰り温泉風の派手さでちょっと心配したが(写真)、中はちゃんとした温泉ホテルとなっており、従業員の応対もよくできている。

チェックインが12時からなので早めに行くといい。なぜなら、岩盤浴などの療養設備をたっぷりと利用するため。すなわち、岩盤浴→ミストサウナ→温泉→マッサージ機→ストーンセラピーと巡るのが標準コース。これだけで2時間は要する。

岩盤浴

岩盤浴は”玉川温泉”で本物を経験したが、ここの岩盤浴は北投石を通した温泉水を散布している。
専用の浴衣を来たまま一人サイズにバードガスタイン鉱石で仕切られた岩盤に寝ころぶ。
岩盤の温度が高く、浴衣から出た下腿部が熱くて降ろせない。タオルを下に敷くといい。20分ほど寝ころぶ。
本物と較べて、噴気の硫黄臭がないが、気温40度の半ミストサウナ状態なのでちょっと息苦しい。あと岩が熱いのと石の枕のせいで、うつ伏せはになりにくい。
普通気温40度で高湿度の超熱帯夜だったら、眠れないはずだが、ここでは息苦しいながらも眠くなってくる。
もちろん汗びっしょりになる。この汗とともに体内の毒物が排出されるという。汗まみれの浴衣のまま浴室に向う。

風呂

まずはここも北投石を通した温泉水を散布するミストサウナに入る。岩盤浴より散布量が多い。岩盤浴と違うのは、発汗が目的ではなく、肌や鼻・口への浸透。だから口を開けて横たわる。
次は洗い場で汗を流して、湯舟に浸かる。熱目とぬるめの2槽あり、ほてった体にはぬるめがいい。

ストーンセラピーなど

入浴が終わったら、2階に行って、マッサージ機の部屋へ。無料で使えるマッサージ機が5台ある。
奥まった室内にあるせいか、無料のくせにすいているのがうれしい。ふくらはぎももんでくれ、背中のランダムなたたき方なんて人がたたいるよう。ただ気持ちよすぎて、長時間やりすぎ、却って筋肉痛になった。
それがおわると隣室の 「ストーンセラピー」。灯りを落とした広い室内にリラックスソファが並ぶ。
部屋の中央にはオーストリアの「バードガスタイン鉱石」がでんと置かれている。この石は血行を促進し、善玉細胞(?)を増殖させる効果があるという。重さは数百キロもあるだろう。船便で運んだのだろうか。
革張りのリラックスソファに身を沈め、騒音もなく照明も落とされたこの部屋で、持参したiPodで音楽を聴きながら目を閉じる。
ただ横になって寝るだけで気持ちいい。そもそも人は病になるとなんで寝るのだろう。起きていられないということもあるだろうが、寝ている事が最も自然治癒効果が高いからではないか。だから、湯治に来たらただ寝ていればいい。そんなことを思いながら、眠りにはいり夢の世界に遊ぶ。 この部屋が一番気に入った。
これで1クルー。これをやると一泊でも少なくとも「気分転換効果」はかなりある。岩盤浴用の浴衣を2着支給されるので、1泊で2クルーできる。私は午後と翌朝にこなした。

部屋

部屋は8畳和室だがベッドが1台あり、一人客にはありがたい。トイレは洗浄器つきで低く設置されている。テレビは液晶。冷蔵庫は空。近くにセブン・イレブンがあるので、酒やつまみはそこで調達(館内はドライのみ)。座椅子のほかに藤の椅子もある。

食事

食堂は朝から晩まで空いていて、素泊りであってもいつでも利用できる。食事付にすると簡素な膳料理がつく。ネットの評価欄にはこの食事に不満があがっていたが、それは湯治連泊用の食事を理解していない反応(一泊宴会向けの豪華会席料理なんて、連日食べたら不健康)。素泊りであっても15時までに予約すればそれらを注文できる。それ以外なら、そばやカレーなど単品料理が主。私は野菜カレーにした。夜食をとるからこれで充分。利用者はコーヒーも飲める。

自販機のビールはドライのみだが、通常の旅館より、安めに設定されている。でもすぐ近くにセブンイレブンがあるので、つまみっともどもそこで買い足すといい。

評価

この宿は、設備・料金が湯治にピッタリ。設備を使いこなせば1泊で充分リフレッシュできる。楽天で空きをチェックして予約できるのもいい。ロケーションは温泉街の中だが、そのかわりバス停・コンビニも近く、交通・買物の便はよい。真向かいは郵便局だし。泊っている最中にまた来ようと思った。次は本店に泊ってみる。