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| タイトル: | 公開特許公報(A)_色素沈着予防又は改善剤 |
| 出願番号: | 2012163901 |
| 年次: | 2014 |
| IPC分類: | A61K 8/49,A61Q 19/02 |
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斉藤 優子玉井 将志 JP 2014024761 公開特許公報(A) 20140206 2012163901 20120724 色素沈着予防又は改善剤 ポーラ化成工業株式会社 000113470 斉藤 優子 玉井 将志 A61K 8/49 20060101AFI20140110BHJP A61Q 19/02 20060101ALI20140110BHJP JPA61K8/49A61Q19/02 7 OL 13 4C083 4C083AB032 4C083AB242 4C083AB442 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC112 4C083AC122 4C083AC242 4C083AC422 4C083AC432 4C083AC442 4C083AC482 4C083AC851 4C083AC852 4C083AD042 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD222 4C083AD352 4C083AD512 4C083CC02 4C083CC04 4C083CC05 4C083EE16 本発明は、化粧料等に好適な、新規な色素沈着予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する皮膚外用剤に関し、詳しくは、下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する皮膚外用剤に関する。尚、本発明の説明において、化粧料との用語は、医薬部外品を含むものとして定義する。 (1)[式中、R1は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、水素原子を表す。] 通常の日焼けに加え、しみ(肝斑)、くすみ、雀卵斑(ソバカス)等の色素沈着異常に起因する皮膚症状は、色素細胞(メラノサイト)のメラニン産生が亢進された後、産生されたメラニン色素が皮膚に沈着することにより生じることが知られている。また、この様な色素沈着症状が関連する皮膚症状の悪化は、他人による認識が容易であるため、見た目の印象にも大きな影響を与える。このため、肌の美観を美しく維持することに関心を寄せる人々には、前述の色素沈着症状が関与する皮膚症状の悪化は、大きな悩み事となり得る。 この様な色素沈着症状の予防又は改善を目的とし、様々な美白剤(色素沈着予防又は改善剤)が開発されている。かかる美白剤としては、アスコルビン酸、過酸化水素、コロイド硫黄、グルタチオン、ハイドロキノン、カテコ−ル類等が古くから知られ、前記の美白剤を配合した皮膚外用剤が、色素沈着による皮膚症状の悪化に対する予防又は改善用に広く使用されてきた。さらに近年、色素沈着が生じる作用機序の解明により、メラニン産生抑制剤(例えば、特許文献1を参照)、チロシナ−ゼ酵素阻害剤(例えば、特許文献2を参照)、チロシナ−ゼ酵素遺伝子発現抑制剤、α−MSH阻害剤(例えば、特許文献3を参照)、抗酸化剤(例えば、特許文献4を参照)、メラノサイトのデンドライド伸長抑制剤(例えば、特許文献5を参照)、メラノサイトのケラチノサイトへのメラノソ−ム受け渡し阻害剤等の従来の美白剤とは異なる作用機序を有する美白剤(色素沈着予防又は改善剤)の開発も盛んに行われている。しかしながら、前述の美白剤(色素沈着予防又は改善剤)には一定の効果が認められるものの、使用者が望むような高い美白効果又は持続性が十分に得られているとは言い難い。さらに、前記の美白剤には、安全性、安定性に課題を有するものも存在する。このため、優れた美白効果、高い安定性を有する新たな色素沈着予防又は改善剤が切望され、今尚、研究開発が盛んに行われている。 フリ−ラジカル等の活性酸素、更には、活性酸素と生体成分により生成する脂質過酸化物は、くも膜下出血後の脳血管攣縮、浮腫の発生や神経細胞死などの様々な疾患の発症・進行に深く関係することが知られている。このため、活性酸素の産生抑制又は消去作用を有する成分には、症状の発生・進行に活性酸素が関与する様々な疾患に対し予防又は治療効果が期待される。1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(一般名:ニカラベン、商品名:アンテバス)は、脳循環改善薬として開発が進められた化合物であり、活性酸素の中でも特に細胞毒性の強いヒドロキシラジカルを捕捉する作用(例えば、非特許文献1を参照)、脳血管保護、神経細胞保護等の脳保護作用(例えば、特許文献6を参照)に優れることが報告されている。さらに、ニカラベンが有するその他の薬理作用としては、臓器保存作用(例えば、特許文献7を参照)、放射線障害防御作用(例えば、特許文献8を参照)等が知られている。ニカラベンにより治療効果が期待される疾患は、何れも速やかな薬効発現が求められる疾患であるため、血中濃度が速やかに上昇し標的部位の有効な薬物濃度が確保される経口投与、静脈注射などが投与経路として選択されている。これに対し、経皮投与は、生体内への薬物の吸収、薬効発現までに長時間を要し緩和な薬理作用の発現が特徴とされるため、ニカラベンなどの速やかな薬効発現が求められる薬剤においては、ほとんど選択されることはない投与経路であった。 本発明者は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が色素沈着予防又は改善作用を有し、皮膚外用剤に含有させた場合、優れた美白効果を発揮することを見出した。一方、これまでの研究により、本発明の前記一般式(1)に表される化合物は、血管攣縮抑制作用を有する(例えば、特許文献6を参照)ことが明らかにされており、皮膚外用剤として塗布する場合には、血管の拡張による皮膚に赤み等の皮膚症状の発生が懸念される。この様な皮膚症状は、化粧料等による皮膚への適応を想定した場合、好ましくない皮膚症状であると認識され、かかる皮膚症状の発生が懸念される成分は、色素沈着予防又は改善作用を有する成分をスクリ−ニングする際には積極的に除外されてきた成分であると言える。再表2006−132033号公報特開2007−091635号公報特開2001−163728号公報特開2003−206483号公報特開2004−250354号公報特公昭61−055911号公報特願平07−017801号公報特願平06−145057号公報森泰胤ほか、日本放医会誌、53(6)、704−712(1993) 本発明は、この様な状況下に為されたものであり、色素沈着の予防又は改善用に好適な、新規な色素沈着予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する皮膚外用剤を提供することを課題とする。 この様な状況に鑑みて、本発明者は、優れた色素沈着予防又は改善剤を求め鋭意努力を重ねた結果、下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、優れた色素沈着予防又は改善作用を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は、以下に示す通りである。<1> 下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤。 (1)[式中、R1は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、水素原子を表す。] <2> 前記一般式(1)に表される化合物が、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩である、<1>に記載の色素沈着予防又は改善剤。 1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(2)<3> <1>又は<2>に記載の色素沈着予防又は改善剤を含有する、皮膚外用剤。<4> <1>又は<2>に記載の色素沈着予防又は改善剤を皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有する、<3>に記載の皮膚外用剤。<5> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)である、<3>又は<4>に記載の皮膚外用剤。<6> 色素沈着予防又は改善用である、<3>〜<5>の何れかに記載の皮膚外用剤。<7> 前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有する皮膚外用剤。 本発明によれば、新規な色素沈着予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する皮膚外用剤を提供することが出来る。 本発明の色素沈着予防又は改善剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤である。また、本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。本発明の色素沈着予防又は改善剤としては、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であり、色素沈着予防又は改善作用を有する成分であれば特段の限定なく適用することが出来る。また、本発明の色素沈着予防又は改善剤が有する色素沈着予防又は改善効果は、通常の日焼けに加え、しみ、くすみ等の色素細胞におけるメラニン産生亢進、過剰蓄積、沈着異常等により生じる色素沈着症状に対する予防又は改善効果を意味し、既に形成された色素沈着を薄くする又は元の状態に戻す効果に加え、今後形成される又は形成過程にある色素沈着を予防する効果も包含される。本発明の色素沈着予防又は改善剤が有する色素沈着予防又は改善作用は、前記の色素沈着予防又は改善作用であれば特段の限定なく適用することが出来、かかる作用の内、好ましいものとしては、後述する実施例1に記載の「有色モルモットを用いた紫外線照射による色素沈着抑制作用評価」、又は、実施例2に記載の「ヒトにおける色素沈着抑制作用評価」における色素沈着抑制作用(色素沈着予防又は改善作用)が好適に例示出来る。本発明の実施例1に記載の「有色モルモットを用いた紫外線照射による色素沈着抑制作用評価」において色素沈着抑制作用を有する成分としては、コントロ−ル群(溶媒対照群)と比較して、評価物質投与群に色素沈着抑制作用が認められる成分(コントロ−ル群に比較し、評価物質投与群の△L*値が小さい成分)が、より好ましくは、統計的な有意差を持って前記の色素沈着抑制作用が認められる成分が、好適に例示出来る。また、本発明の実施例2に記載の「ヒトにおける色素沈着抑制作用評価」において色素沈着抑制作用を有する成分としては、コントロ−ル群(評価物質非配合製剤群)と比較して、評価物質配合製剤群に色素沈着抑制作用が認められる成分(コントロ−ル群に比較し、評価物質配合製剤群の△L*値が小さい成分)が、より好ましくは、統計的な有意差を持って前記の色素沈着抑制作用が認められる成分が、好適に例示出来る。<本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩> 本発明の色素沈着予防又は改善剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤であることを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記の色素沈着予防又は改善作用を有し、皮膚外用剤に含有させた場合には、優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮し、美白用、更には、しみ、くすみなどのメラニン産生亢進、過剰蓄積、沈着異常等により生じる色素沈着症状に対する予防又は改善用に好適である。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記の色素沈着予防又は改善作用に加え、優れた安全性を有し、特に皮膚に投与した場合には、感作性、刺激性が低く、血管拡張作用による赤みなどの副作用が認められない。さらに、皮膚外用剤の製造に使用される極性又は非極性の溶媒に対する溶解性に優れ、製剤化が容易であり、製剤形態の多様性に優れるほか、製剤化された皮膚外用剤は、感触等の使用感に優れる。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、かかる化合物より1種又は2種以上を選択し、本発明の皮膚外用剤に含有させることが出来る。また、前記一般式(1)に表される化合物は、その化学構造中に不斉炭素を有するため光学活性体が存在する。このため、本発明の前記一般式(1)に表される化合物は、(S)体、(R)体、ラセミ体の形態のほか、(S)体及び(R)体が任意の比率で混合した混合物等の形態で存在する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物は、その何れの存在形態であっても色素沈着予防又は改善効果が期待出来るが、薬効、安全性、安定性に加え、化合物合成のし易さ、製剤化における取り扱いの簡便性、経済的な側面等よりラセミ体を選択することが特に好ましい。 本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤は、色素沈着予防又は改善作用を有し、皮膚外用剤に含有させた場合、優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮する。本発明の皮膚外用剤は、美白用のほか、しみ、くすみなどのメラニン産生亢進、過剰蓄積、沈着異常等により生じる色素沈着症状の予防又は改善に有用である。本発明の色素沈着予防又は改善剤の作用機序については、詳細は不明であるが、チロシナ−ゼ酵素阻害作用、チロシナ−ゼ遺伝子発現抑制作用、チロシナ−ゼ蛋白発現抑制作用、チロシナ−ゼ関連蛋白分解作用などのチロシナ−ゼ活性阻害作用、プロトンポンプ阻害作用、メラノサイトのケラチノサイトへのメラノソ−ム受け渡し阻害作用、若しくは、新たな作用機序によりメラニン産生を抑制することが推定される。 ここで前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩に付いて述べれば、式中、R1は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、水素原子を表す。前記R1に関し具体例をあげれは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、水素原子が好適に例示出来、メチル基が特に好ましい。さらに、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、1,2−ビス(ニコチンアミド)エタン、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン、1,2−ビス(ニコチンアミド)ブタン、1,2−ビス(ニコチンアミド)ペンタン、1,2−ビス(ニコチンアミド)ヘキサン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、特に、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(CAS No79455−30−4)は、公知化合物である。前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパンは、後述する合成方法に従い合成することも出来るし、例えば、特公昭61−055911号公報に記載された合成方法に従い合成することも出来る。さらに、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン以外の前記一般式(1)に表される化合物は、前記の合成方法に従い相当する原料を用いることにより合成するこが出来る。また、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパンをはじめとする前記一般式(1)に表される化合物には、その分子構造中に不斉炭素を有する光学活性化合物が存在する。かかる化合物の光学活性体は、例えば、再表02−028392号公報に記載の方法により光学分割し得ることが出来る。 本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、かかる化合物の内、1種又は2種以上を選択し、そのまま皮膚外用剤に含有させることも出来るし、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩形成させた後、塩の形態で含有させることも出来る。かかる塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩などが好適に例示出来る。 本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、皮膚外用剤に含有することにより優れた色素沈着予防又は改善効果を発揮する。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、前記効果を奏するためには、皮膚外用剤全量に対し総量で0.0001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.001質量%〜7質量%、さらに好ましくは、0.01質量%〜5質量%含有することが好ましい。これは、皮膚外用剤全量に対する前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の含有量が0.0001質量%より少ないと色素沈着予防又は改善作用が低下する傾向にあり、また10質量%を超える量を配合しても、効果が頭打ちになり、かつ皮膚の赤みを生じる可能性があるため、皮膚外用剤全量に対する前記の含有量が好ましい。また、本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩には、皮膚の赤みを生じる等の皮膚への塗布により好ましくない皮膚症状が生じる可能性が存するが、かかる含有量においては、赤みなどの皮膚症状は確認されない。 1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(2)<製造例1: 1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(化合物1)の製造方法> 本発明の前記一般式(1)に表される化合物の内、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパンは、以下の方法に従い合成することが出来る。1,2−ジアミノプロパン(0.40g、5.40mmol、東京化成工業株式会社)を水(9mL)に溶解し、炭酸カリウム(3.37g、24.4mmol、和光純薬工業株式会社)及びテトラヒドロフラン(9mL、和光純薬工業株式会社)を加えた。ついで、氷冷下、撹拌しながら、ニコチノイルクロリド塩酸塩(1.40g、7.89mmol、メルク社)を少量ごとに添加し、1時間撹拌した。更にニコチノイルクロリド塩酸塩(0.80g、4.49mmol、メルク社)を少量ごとに添加した。氷浴をはずし、室温まで反応温度を上げ、15時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(45mL、和光純薬工業株式会社)を加え、振とう後、有機層を分離した。更に水層より、酢酸エチル(45mL×3)にて抽出した。合わせた有機層を飽和塩化アンモニウム水(2mL)にて洗浄した。有機層を減圧下にて濃縮した。濃縮残渣に少量のアセトン(和光純薬工業株式会社)/n−ヘプタン(和光純薬工業株式会社)(=1/1)混合溶液を添加し、しばらく放置した後に、減圧下にて有機溶媒を留去した。固体として、目的化合物(0.86g)を得た。<1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(化合物1)の物理恒数>1H−NMR(CDCl3)δ:1.36(3H、d、J=6.6Hz)、3.50−3.57(1H、m)、3.71−3.81(1H、m)、4.38−4.47(1H、m)、7.31−7.39(3H、m)、7.61(1H、br-t)、8.09−8.14(2H、m)、8.71(2H、dd、J=1.8Hz、J=4.8Hz)、9.03(2H、d、J=2.1Hz)m.p. 150−152℃<本発明の皮膚外用剤> 本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤には、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、1種又は2種以上を選択し含有させることが出来る。また、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、色素沈着予防又は改善作用を有し、皮膚外用剤に含有させることにより優れた色素沈着予防又は改善効果(美白効果)を発揮する。また、本発明の皮膚外用剤は、感作性、皮膚刺激性、皮膚の赤みの発生などの皮膚における好ましくない症状の発生が極めて低く、安全性が高い皮膚外用剤である。さらに、本発明の皮膚外用剤は、製剤化形態の多様性に富み、汎用性の高い皮膚外用剤である。本発明の皮膚外用剤は、必須成分である前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩以外に、通常の皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス、オレイン酸オクチルドデシルなどのエステル類、オリ−ブ油、牛脂、椰子油などのトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、レチノイン酸などの脂肪酸、オレイルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル等の高級アルコ−ル、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面活性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコ−ル、グリセリン、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコ−ル類、エタノール、増粘・ゲル化剤、pH調整剤、キレート剤、酸化防止剤、ビタミン類、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、色素、防腐剤、皮膚透過性促進剤、シクロデキストリン等の包接剤、各種植物抽出エキス、粉体、有機変性粘度鉱物、香料等を含有することができる。製造は常法に従いこれらの成分を処理することにより、困難なく、為しうる。 本発明の皮膚外用剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤及び任意成分を常法に従って処理し、ロ−ション、乳液、エッセンス、クリ−ム、パック化粧料、洗浄料などを調製することが出来る。本発明の皮膚外用剤は、皮膚に適応させることの出来る剤型であればいずれの剤型でも可能であるが、有効成分が皮膚に浸透して効果を発揮することから、皮膚への馴染みの良い、ロ−ション、乳液、クリ−ム、エッセンスなどの剤型が好ましい。 以下に、本発明について、実施例を挙げて更に詳しく説明を加えるが、本発明がかかる実施例のみに限定されないことは言うまでもない。<試験例1: 有色モルモットを用いた紫外線照射による色素沈着抑制作用評価> 有色モルモット8匹の背部皮膚を電気バリカンとシェ−バ−で除毛及び剃毛し、この部位を2×2cmの照射窓を計2個有する黒布で覆った後に、FL20S・E30ランプを光源として300mJ/cm2の紫外線を照射した。この操作を試験1日目、3日目、5日目、8日目に繰り返し行い、2ヶ所の試験部位に色素沈着を誘導した。1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(化合物1)を3%(w/v)となるように70%(v/v)エタノ−ル溶液(エタノ−ル:水=7:3(体積比))に溶解し、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン溶液(検体1)を調製した。また、コントロ−ルとして70%(v/v)エタノ−ル溶液(コントロ−ル)を準備した。試験8日目の紫外線照射終了時より、各溶液の塗布を開始した。所定の試験部位に1日2回、30μLずつ各溶液を塗布し、塗布は4週間(試験35日目まで)毎日継続して実施した。試験初日の紫外線照射前、試験開始3週間後(試験22日目)及び試験開始5週間後(試験36日目)に、色彩色差計(CR-200、コニカミノルタ株式会社)を用いて各試験部位の皮膚明度(L*値)及びa*値を測定し、試験初日のL*値から試験22日目もしくは試験36日目のL*値を差し引いたΔL*値、及び試験初日のa*値から試験22日目もしくは試験36日目のa*値を差し引いたΔa*値を求めた。ΔL*値の結果を表1に、Δa*値の結果を表2に示す。L*値は大きいほど皮膚明度が高いことを示す。そのため、ΔL*値が小さいほど、試験初日のL*値と各試験日のL*値との差が小さく、色素沈着が抑制されたと判断することができる。またa*値は大きいほど皮膚色の赤みが強いことを示す。そのため、Δa*値がゼロに近い値になるほど、試験初日のa*値と各試験日のa*値との差が小さく、皮膚色の赤みの増強が生じていないと判断することができる。 表1の結果より、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン溶液を含有する検体1は、コントロ−ルの70%エタノ−ル溶液と比較し、ΔL*値が小さく、優れた色素沈着抑制作用を有することが確認された。また表2の結果より、検体1とコントロ−ルとの間には、Δa*値に差は認められず、検体1を連続塗布することによる皮膚色の赤みの増強は認められなかった。<製造例2: 本発明の皮膚外用剤の製造方法1> 以下の表3に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤(ロ−ション剤型、化粧料1)を作製した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させ、攪拌冷却し、化粧料1を作製した。同様の操作により、表3の処方成分中、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(化合物1)を「水」に置換した比較例2、及び、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(化合物1)をアルブチンに置換した比較例3を作製した。<試験例2: 本発明の皮膚外用剤のヒトにおける色素沈着抑制作用評価1> 実施例2に記載の方法に従い製造した皮膚外用剤(ロ−ション剤型、化粧料1)、比較例2及び比較例3の皮膚外用剤(ロ−ション剤型)を用い、色素沈着抑制効果を調べた。自由意思で参加したパネラ−の上腕内側に、試験初日(試験1日目)に1.5cm×1.5cmの試験部位を3箇所設け、試験部位の皮膚明度(L*値)を色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて測定した。試験初日に皮膚明度を測定した後、試験部位に最少紅斑量の2倍量(2MED)の紫外線を1回照射した。紫外線照射終了直後より1日3回、14日連続して、各試験部位に各検体(化粧料1又は比較例2〜3の化粧料)を50μL塗布した。塗布終了24時間後(試験15日目)に色彩色差計(CR-300、コニカミノルタ株式会社)にて各試験部位の皮膚明度(L*値)及びa*値を測定し、試験初日のL*値から試験15日目のL*値を引いたΔL*値、及び、試験初日のa*値から試験15日目のa*値を引いたΔa*値を算出した。ΔL*値の結果を表4に、及びΔa*値の結果を表5に示す。L*値は大きいほど皮膚明度が高いことを示す。そのため、ΔL*値が小さいほど、試験初日のL*値と試験15日目のL*値との差が小さく、色素沈着が抑制されたと判断することができる。またa*値は大きいほど皮膚の赤みが強いことを示す。そのため、Δa*値がゼロに近い値になるほど、試験初日のa*値と各試験日のa*値との差が小さく、試料塗布により皮膚の赤みが生じていないと判断することができる。 表4の結果より、本発明の皮膚外用剤である化粧料1は、比較例2と比較しΔL*値が小さく、優れた色素沈着抑制作用を有することがわかる。比較例3は、比較例2に比較しΔL*値が小さく、色素沈着抑制作用が認められたが、その効果は化粧料1に比較し弱かった。これにより、本発明の皮膚外用剤である化粧料1は、優れた色素沈着に対する予防又は改善効果を示すことが分かる。また表5の結果より、本発明の皮膚外用剤である化粧料1は、比較例2と比べてΔa*値に差は認められず、連続塗布することによる皮膚色の赤みの増強は認められなかった。また化粧料1を塗布した試験部位については、全試験期間を通して、皮膚の赤み以外の症状(白斑、りんせつ等)も認められず、本発明の皮膚外用剤である化粧料1はヒトに安全に塗布できることが確認された。<製造例3: 本発明の皮膚外用剤の製造方法2> 実施例2の表3中に記載された処方成分中、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(化合物1)の濃度を、0.1重量%に変更した化粧料2、並びに、5.0重量%に変更した化粧料3を作製した。得られた化粧料2及び化粧料3は均一な組成物であり、非常に安定した製剤であった。尚、化粧料2及び化粧料3の製造において、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(化合物1)の重量%変更により生じた皮膚外用剤全体の重量%増減分は、水の重量%を増減させることにより調製した。<製造例4: 本発明の皮膚外用剤の製造方法3> 以下の表6に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤(クリ−ム剤型、化粧料4)を作製した。即ち、イ、ロの成分をそれぞれ80℃に加熱し、イにロを徐々に加え、乳化し、ホモジナイザ−で粒子を均一化した後、撹拌冷却して化粧料4を得た。得られた化粧料4は分離が生じることなく、非常に安定した製剤であった。<製造例5: 本発明の皮膚外用剤の製造方法4> 以下の表7に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤(乳液剤型、化粧料5)を作製した。即ち、イ、ロ及びハの成分を80℃に加熱し、ロにハを攪拌しながら徐々に加え中和した後、イを徐々に攪拌しながら加え、ホモミキサ−により乳化粒子を均一化し化粧料5を得た。得られた化粧料5は分離が生じることなく、非常に安定した製剤であった。 本発明は、美白用の化粧料(但し、医薬部外品を含む)等の皮膚外用剤に応用出来る。下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤。 (1)[式中、R1は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、水素原子を表す。] 前記一般式(1)に表される化合物が、1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩である、請求項1に記載の色素沈着予防又は改善剤。 1,2−ビス(ニコチンアミド)プロパン(2)請求項1又は2に記載の色素沈着予防又は改善剤を含有する、皮膚外用剤。請求項1又は2に記載の色素沈着予防又は改善剤を皮膚外用剤全量に対し0.0001質量%〜10質量%含有する、請求項3に記載の皮膚外用剤。化粧料(但し、医薬部外品を含む)である、請求項3又は4に記載の皮膚外用剤。色素沈着予防又は改善用である、請求項3〜5の何れか一項に記載の皮膚外用剤。前記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を含有する皮膚外用剤。 【課題】 本発明は、新規な色素沈着予防又は改善剤、並びに、当該成分を含有する皮膚外用剤を提供することを課題とする。【課題を解決するための手段】 本発明は、下記一般式(1)に表される化合物、その光学異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩よりなる色素沈着予防又は改善剤、該成分を含有する皮膚外用剤を提供することにより、前記課題を解決する。本発明の皮膚外用剤は、優れた色素沈着予防又は改善効果を有する。【化1】 (1)[式中、R1は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基、水素原子を表す。]【選択図】なし