そもそも、なぜ「ムダ毛」は生えているのでしょうか?
幼少期にコンプレックスを感じる要素になったり、思春期にはトラウマの原因になったりすることさえある程に、嫌がられているムダ毛。
特に、美意識の高い女性からは、お洒落の邪魔者や美肌の敵のような扱いをされている場面さえあります。
自分の身体の一部である体毛を「ムダ毛」だと認識し、「ムダ」「嫌」「汚い」と感じるのは、人類が進化して文明が発展したことが一番の原因とされています。
体毛には身体を保護する使命がある
進化した人類が衣服で身体を包むようになったために、剛毛で身体全体をしっかりと覆っていた体毛は、薄く退化してきました。
それまで体毛が果たしていた、攻撃や衝撃から身体を守る役割が必要なくなったからです。
また、体毛による体温維持機能も衣服に代わられるようになりました。
人間の全身の肌の表面には汗腺という小さな穴が無数にあり、その穴から汗を出すことで体温調節をしています。
衣服が肌を包むことによって、紫外線の刺激や雑菌から肌と汗腺を保護するようになったのです。
剛毛として残っており、多くの人が「ムダ毛」だと感じる代表的な体毛がワキ毛とアンダーラインの毛です。
しかし、ワキ毛は、腕を動かすときの皮膚の摩擦を軽減して肌を守る役割と、汗やフェロモンを発散させる役割をもっています。
アンダーラインの毛は、生殖器を守る役割と、脚を動かすときの皮膚の摩擦を軽減する役割をもっているのです。
また、逆に、剛毛で残っている体毛でも、特に「ムダ毛」だと感じない体毛もあります。
そして、それらの体毛も、しっかりと身体を保護してくれています。
例えば、髪の毛は紫外線や衝撃から頭を守る役割をもっていますし、眉毛やまつ毛は汗や埃が目に入り込むのを防ぐ役割をもっています。
鼻毛は、呼吸の際に空気中の塵やゴミを吸い込むのを防ぐ役割をもっているのです。
ストレスが増えると体毛も増える
人間の自己防衛機能は、身体的な危険に対してのみではなく、精神的な危険に対してもはたらくようになっています。
実は、ストレスを受けていると脳が感じ続けると、体毛は濃くなってしまうのです。
ストレスによって女性ホルモンの分泌が弱まり、男性ホルモンの分泌が過剰になると、体毛の発毛促進に影響が出てくるしくみになっているからです。
女性ホルモンは、脳内の視床下部からの指令によって卵巣から分泌されています。
精神や身体にストレスを受け続けると、まず、自律神経のバランスが乱れてしまいます。
その乱れが自律神経をコントロールしている視床下部にまで影響を及ぼすと、卵巣に指令がうまく送れなくなってしまうのです。
男性ホルモンを生成して分泌するのは、女性では主に副腎です。
ストレスを感じた脳は、ストレスからの防衛機能として副腎から副腎皮質ホルモン(ステロイド)が分泌します。
そのため、副腎皮質ホルモンが活発に分泌され続けると、刺激を受けた副腎からテストステロンという男性ホルモンまでもが過剰に分泌されるようになってしまうのです。
人類が進化して文明が発達し、身体の安全や衛生的な環境が整ってきて、薄くなってきた体毛。
その一方で、ストレスにさらされることの多い現代社会では、濃くなってしまうこともあるのです。
興味深いことに、昔と現代とで体毛が生える理由を比べると、時代背景が大きく影響しているのが分かります。
「ムダ毛」は「あなたにとって不必要な体毛」
体毛が生えている理由は理解したものの、やっぱり女性としてはツルツルでスベスベの美肌に憧れるものですよね。
衣服が役割を代わるようになって体毛が薄くなってきたのならば、体毛は、現代社会では機能的にも「ムダ毛」に感じます。
さらに、精神的に健康でストレスがない状態なら体毛も薄いままだということは、やはり体毛は「ムダ毛」だと感じるのが自然です。
ただ、髪の毛、眉毛・まつ毛、鼻毛の話題で触れたように、同じ体毛でも、特に「ムダ毛」と感じられることなく身体に残っている剛毛もあります。
特に髪の毛や眉毛・まつ毛は、ファッション的な要素として、女性においてはむしろ大切な体毛だという扱いをされています。
髪の毛の長さ、色、シルエットをデザインしたヘアースタイルは、その人の魅力を視覚的に表現しているチャームポイントにもなります。
マスカラを塗ったり、付けまつ毛やエクステンションを付ける人がいるほどに、長くて濃いまつ毛は女性らしいと羨望されることが多いです。
そして鼻毛はというと、鼻の穴の中に生えているので、普段は特に気にされていません。
ごく稀に、伸びた鼻毛が鼻から出ていた場合にカットされる程度です。
つまり、結局は、見た目を悪くしてしまう体毛が「ムダ毛」とされているのです。
腕や脚の毛は、せっかくの服のコーディネートを色彩や風合いなどで視覚的に邪魔しかねません。
指の毛も、ネイルアートにとって同様に邪魔になります。
どの部位の毛が自分にとって「ムダ毛」なのか。
その「ムダ毛」はどの程度の脱毛施術を受ければ納得のいく効果を得られるのか。
結局、ムダ毛が「ムダ毛」であることには、感覚の個人差が大きく影響しています。
衛生面を保つ役割や、外からの刺激からの保護という、そもそもの体毛の機能がなくなってしまうことで、本当に支障が出ないのか。
盲目に全身脱毛を完璧に完了させることに囚われずに、これらのことについて一度はゆっくり考えてみてほしいと思います。