映画『呪怨 -終わりの始まり-』のネタバレ感想です。

呪怨シリーズのリブートである今作。ビデオ版から続いてきた設定に変更を加えており、次作『呪怨 -ザ・ファイナル-』で呪怨シリーズは完結します。(一応)



次作『呪怨 -ザ・ファイナル-』のネタバレ感想はこちら


冒頭、とある暑い日。児童相談センターの女性職員(ヨシザキ)、男性警察官、区の福祉部児童保育課の男性職員(ヤマモト)の3人が、虐待があると通報のあった家を訪ねる。ヤマモトがビデオカメラを回している。

家の中から応答はなく、止むを得ず踏み込む。荒れた室内を回った結果、二階の和室で男の子の死体を発見するのだった。


結衣

小学校。生野結衣(しょうのゆい)は、教頭から三年生の学級担任になるよう告げられていた。
自分には臨時教員の資格しかなく、また新学期も既に始まっていることを心配する結衣だったが、学校側はいずれも承知の上だという。

校舎を出ると、さっそく恋人の直人(なおと)に採用が決まったことを報告する結衣。そのとき、ふとグラウンドに目を向けると地面に大きなうずまきが描かれていた。


担任初日、出席をとろうとした結衣は、教室の一番後ろの席が空いていることに気づく。その席の生徒の名前は、佐伯俊雄(さえきとしお)。既に7日連続で欠席していた。

俊雄の机には、先日グラウンドで見たのと同じようなうずまきが彫り込まれていた。


七海

女子高生4人組が道を歩いている。
気の弱そうな茶髪のトリンドル七海(ななみ)。その隣で彼女を元気付ける、前髪を上げた少女が弥生(やよい)。彼女たちの前を歩く2人のうち、ポニーテールにしているのが莉奈(りな)、ウェーブかがった髪型が葵(あおい)
葵の姉夫婦は不動産屋で、その中のとある幽霊物件の話を聞いた葵が友人達を肝試しに誘ったのだった。

貸家に入る4人。
昔凄惨な事件があったということだったが、当然ながら現在は家の中は綺麗になっていた。期待外れだったことにガッカリする莉奈、葵、弥生だったが、そこで3枚の絵を見つける。絵は画用紙に子供がクレヨンで描いたようなもので、

①ベッドから上半身だけ出ている人の絵

②顔が赤色でぐしゃぐしゃに塗りつぶされた人の絵

③口が大きく開いている人の絵

の3枚。子供らしい稚拙な絵に「下手くそ~」「これやだー」などと笑う3人。

一方、七海は1人で二階に上がっていた。家に入ってから誰かの鼻歌が聞こえていた。
部屋に入ると、足元に黒いシミが広がっていく。さらに戸がひとりでに閉まり、部屋全体が振動を始める。振り向くとそこには半裸で白い肌の少年が立っていた。

戸が開き、悲鳴を上げながら廊下に倒れこむ七海。様子を見に来た友人達だったが、単なる彼女の怖がりだと思いみんなで笑いながら家を後にするのだった。


伽倻子

小学校担任・結衣は佐伯家を訪ねていた。外からふと二階を見上げると、窓から子供のものらしい腕がでている。「俊雄くん?」と声をかけるも、腕は引っ込んでしまう。

呼び鈴を鳴らすが応答がない。恐る恐る中に入ると、目の前に佐伯伽倻子(さえきかやこ)が立っていた。慌てて名乗り俊雄の安否を尋ねると「俊雄は主人が連れて行きました」「じきに戻ります」の一点張り。促されるまま家の中に入る。

そこで彼女は、二階から子供の声が聞こえることに気づく。伽倻子は先にリビングへ行ってしまったが、結衣は声に誘われるように二階へ向かう。するとそこにはガムテープで入り口のふすまを目張りされた部屋があった。声はその中から聞こえる。ガムテープを剥がし中へ入る。
室内に入ると、押入れがさらにガムテープで目張りされている。その押入れに近づく結衣だったが、不意に背後に伽倻子が現れる。お茶が入ったと促され、リビングへ降りる結衣。

テーブルの上を見ると、テーブルの上には湯のみがあったが、中身は空…というより、一度入れたものが飲み干されたような状態だった。その時伽倻子は、隣室で座卓に向かい、鼻歌を歌いながら何かをしていた。結衣の問いかけにも応えない伽倻子。

結衣が恐る恐る回り込んで覗き込むと、伽倻子は結衣の方をものすごい形相で見ながら一心不乱にノートにうずまきを書き込んでいた。

結衣は耐えきれなくなり佐伯家から逃げ出すのだった。


弥生

体育館でバスケットボールをする弥生(前髪を上げている子)だったが、調子が悪い。さらにステージ裏で奇妙な体験をする(誰もいないのにピアノが鳴ったり、脚を掴まれたり)。

震えながら保健室へ駆け込むと、部屋には誰もいなかったが、飛び込むようにベッドに入る。
そこで、ベッドの中から一枚の紙が出てくる。それはあの家に入った時に見た絵の1枚、ベッドから上半身だけ出ている人の絵だった。「なんなのよこれ!(棒)」と絵を投げ捨てる弥生。そのベッドの中に白い肌の少年が現れ、彼女はベッドに吸い込まれるようにきえてしまうのだった。


場面は変わり、小学校。結衣は教頭に、俊雄の欠席が10日目になっていること、俊雄の母親は何か様子がおかしいこと、前任の小西に連絡を取りたいということを訴えていた。しかし教頭から、小西が亡くなったと今朝家族から連絡があった、と伝えられる。

途方に暮れ、小西の日誌をめくる結衣。日誌は、「今日の放課後再び佐伯家を訪ねてみる」というところで終わっていた。しかし、ページをめくっていくと、数ページの空白の後に紙いっぱいにうずまきが描かれているページが現れる。それは紙が破れるほどの筆圧で描かれており、また何ページにもわたって続いていた。


翌朝、学校で結衣が一番後ろの席を見ると、俊雄が出席していた。安堵し笑みを浮かべる結衣。

授業になり、教科書を読み上げながら机の間を歩いていく結衣。生徒は皆静かだったが、俊雄は爪でガリガリと机に彫り物をしていた。
やめなさい、と注意するが応じない俊雄。少し声を荒げてやめなさい!と俊雄の手を掴み上げる結衣だったが、その瞬間俊雄は消えている。結衣の手は空を掴んでいた。そんな先生を生徒たちは不思議そうな目で見ているのだった。


莉奈

葵(不動産屋の妹)と七海(トリンドル)は、莉奈(ポニーテール)の家に来ていた。彼女の見舞いのためだった。

玄関先に出た莉奈の母親は疲れた様子で「今会える状態ではない」と断ろうとするが、葵が半ば強引に面会を求める。弥生が居なくなり、莉奈のことを非常に心配しているのだった。

莉奈の部屋は、ドアノブが内側からセロテープでガチガチに固定されており、窓には紙が貼り付けられ、引き出しなどもすべてテープで目張り・固定されていた。
莉奈は、机の下にうずくまり「白い子が来る…」と震えていた。突然部屋全体が異様な気配に包まれ、あちこちに貼られたテープがひとりでに剥がれ始める。耐えられなくなり帰ろうとせがむ七海。葵は半狂乱になる莉奈にお守りとして首飾りを渡すと、部屋を後にする。


夜。部屋から出てきた莉奈は、やかんで湯を沸かしていた。冷蔵庫から牛乳を取り出し注ぐが、出てきたのはどす黒い液体。思わず取り落とし、床に黒い液体が広がる。するとその液体に映る自分の背後に誰かがいるのが見える。驚き振り向いた直後、やかんから蒸気が吹き出し彼女の顔を焼いた。顔の半分が例の絵のように真っ赤になった莉奈は、冷蔵庫から伸びた手に掴まれ、そのまま引き摺り込まれてしまうのだった。


場所は一転、小学校。残ってテストの採点をしていた結衣はいつの間にか1人になっていた。
少しうとうとしていると、唐突に後ろから声をかけられる。振り向くと、伽倻子が部屋の外にいた。

伽倻子の後を追いかけてとある教室にたどり着く。伽倻子の姿は消えており、かわりに机の上に伽倻子のノートが置かれていた。
席につき、ノートを読み始める結衣。その後ろの席にはいつの間にか伽倻子が座っていた。


直人が家に帰ると、結衣が窓際に立っている。声をかけても反応がなく、唐突に指で窓にうずまきを描き始める。直人が肩を掴み制止すると、そのまま気を失ってしまう。

結衣をベッドへ運んだ直人は、彼女の鞄から伽倻子のノートを見つける。ノートの内容は伽倻子の日記で、子供を熱望するもののなかなか授からない苦悩が書かれていた。

やがて、俊雄を授かった経緯のページが現れる。それによると、剛雄(伽倻子の夫)の不在時に二階で寝ていたところ、夢に白い男の子が現れ「お母さん」と呼ばれたらしい。




家で姉の洗い物を手伝う葵。それとなく例の家のことを尋ねる葵だったが、不審に思った姉から「まさか行ってないでしょうね!?」と問い詰められる。
誤魔化しながら風呂へ向かう葵。姉は「キョウスケ(夫)が家であんな話をするから」と夫に愚痴を言う。

葵が脱衣所で鏡を見ていると、鏡の中の自分に向かって白い手が伸びるのが見える。手は葵の下顎を掴む。

脱衣所から聞こえた悲鳴に驚き、駆けつける姉。しかしそこには葵の姿はなく、ただ風呂場に引きちぎられた下顎が落ちているだけだった。


電車に乗っている七海。乗客の中に莉奈と葵の姿を見つけ、声をかける。だが、振り向いた葵は下顎がなく、莉奈は、顔の半分が火傷で真っ赤だった。
さらに上を見ると、天井から巨大な弥生が見下ろしていた。床に倒れこむ七海。

転倒した七海が起き上がると、そこは例の家の階段だった。
慌てて逃げ出そうとするが、見えない力によりリビングに引き摺り込まれてしまう。そのまま床を引き回され、やがて消えてしまう。

その直後、葵の姉が佐伯夫婦を連れて家に入ってくる。この家で以前あった事件については事前に伝えてあったが、意に介さず「ここにしましょう!」とはしゃぐ伽倻子。
階段には、七海の鞄が残されていた。


直人

直人は、佐伯夫婦に家を案内した不動産屋の元を訪ねていた。学校の関係者であると名乗り、佐伯家の住民がどんな人たちなのかを聞きに来たのだった。

最初は「普通のご家族です」と答えていた不動産屋も、直人の説得に重い口を開く。

「おかしいのは家族じゃない、家だ」

不動産屋の話す19年前の置き去り事件を、噂話の類として流そうとする直人。不動産屋は語気を荒げ、「10年前、私の妻とその妹も家の中にただ入っただけで死んだ」と語る。不動産屋は葵の姉の夫・キョウスケだった。


過去の新聞を調べる直人。
19年前の夏、手足を縛られた「山賀俊雄」が例の家に7日間置き去りにされ死亡したことがわかる。
さらに、家に戻って記事に載っていた「山賀俊雄」と、結衣の受け持つクラスの「佐伯俊雄」の写真を見比べると瓜二つだった。

その時、背後から手が伸びてきて、彼の口に指をかける。横にはいつの間にか白い男の子が立っている。
手は彼の首をへし折ってしまう。

目を覚ました結衣がリビングへ行くと、首の折れた直人の死体が椅子に座っていた。


俊雄

結衣は再び佐伯家を訪れていた。誰もいない様子の家に入ると、真っ直ぐ二階へ向かう。例の部屋の押入れを開き、中から段ボール箱を取り出す。中にはアルバムとビデオテープが入っていた。
アルバムをめくると、写真の子供が写っている部分だけ刃物でズタズタにされている。

ビデオをリビングで再生するる。中身は佐伯家のホームビデオだった。テープの中の俊雄は父・剛雄(たけお)に懐こうとせず、剛雄が徐々にそのことに不満を募らせる様子が映されていた。
箱の底の、ラベルのないテープを再生する結衣。それは二階の部屋で眠る伽倻子を定点で撮影したものだった。やがて、押入れから白い男の子が現れると、伽倻子の体の中へと消えていった。これが、伽倻子がノートに書き残していた俊雄を授かった日のことだった。

結衣が振り向くと、そこには剛雄と伽倻子が立っていた。伽倻子を問い詰める剛雄。どうやら、この家で過去に起こったことが見えているらしい。

俊雄が誰の子なのか聞く剛雄を笑い、「俊雄は私だけの子、あなたの子供なんていない」と答える伽倻子。剛雄は伽倻子の首に手を回すと、折る。
そこに猫を抱えた俊雄がやってくるが、猫を取り上げると電子レンジに放り込んで殺してしまう。そして包丁を構えると、俊雄に近づきーーーというところで幻影は消える。

結衣は再び二階へ上がり、押入れの中から天井裏を覗き込む。するとそこには、伽倻子の死体が。
と、伽倻子の死体が動き出し、慌てて逃げ出す結衣。しかし回り込まれ、追い詰められてしまう。
白い男の子が後ろから結衣に抱きつき、一言「おかあさん」。


家で目覚める結衣。直人の呼ぶ声が聞こえ、全て夢だったと安堵する。
しかし、リビングにいたのは首が折れた状態でこちらに歩いてくる直人だった。

結衣の目から一筋の涙が流れるのだった。




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旧シリーズからいくつか設定の変更が見られる今作。

特に大きな点としては、呪いの大元が伽倻子から俊雄に変わったところでしょうか。(この辺りでは既に別記事でも触れましたが。)

旧シリーズでは剛雄が伽倻子・俊雄を殺害したことが最初の事件であるのに対し、今作ではさらにその前に『山賀俊雄』が殺害され、そこから呪いが始まっています。
なお、不動産屋は「家が呪われている」と言っていますが、『山賀俊雄』こそが呪いそのもの。これは次作でも分かります。

呪怨=白い男の子というイメージが世間に浸透してしまった今、こういった変更はイメージに沿わせるものとして仕方がないのかもしれません。そのため、伽倻子の影がより薄いものになってしまいました。

前の伽倻子は学生時代からストーキングしまくりの暴走乙女だったのになぁ…今作ではひたすら子供を欲しがるだけの乙女です。あれ、どっちにしろ乙女。
とはいえ、今作の伽倻子が素でアレな人なのか、この家に来たことで暴走してしまったのかは微妙なところがあります。元々子供を欲しがる気持ちは人一倍強そうではありましたが、旧シリーズ・暴走後の様子というフィルターをはずしてみれば、まあ普通の奥様に見えます。

あと、伽倻子が完全に「子供LOVE」な人になってしまった結果、出番がごっそりなくなってしまった旧・「小林先生」。今作では名前が小西に変わり、一度も登場しないまま死亡が伝えられました。元々は俊雄の名前の由来になるくらい重要人物だったのに!

そうした変更点はあるものの、随所に旧シリーズへのリスペクト(そもそもリメイクなのでリスペクトという言葉が適当なのかはわかりませんが)が見られます。

特に、ビデオ版でトラウマメーカーとなった『アゴなし女子高生』を持ってきたあたり、思わずニヤリとしてしまいました。

あとは、「引きずり込まれる」のも呪怨伝統ですね。旧シリーズでは仏壇に引きずり込まれたりしていました。

そして安々と布団バリアを突破してくる点も相変わらず。「シャワー中に頭ガシー」とならんで、一般認知度の高いホラーシーンではないでしょうか。

個人的には、大好きな「青山フライパン」(勝手に命名)も入れて欲しかったです。ただ、あれ入れちゃうと完全にギャグだからなあ。

時系列をシャッフルさせる手法も、旧シリーズからのものですね。これが「呪怨はよくわからない」と言われる所以だったりするのですが。
時系列順にいうと、19年前山賀俊雄が死亡、10年前に女子高生四人と不動産屋の妻が死に、その直後に佐伯夫妻が入居。そして現在、佐伯剛雄が伽倻子を殺し、家に入った前担任小西も死亡。直人が死に、結衣も…?というところまでが、今作です。

次作で呪怨シリーズは一応の完結という形になります。
『山賀俊雄』の事件そのものもなんらかの呪いの一部、という風にすれば「まだどこかに第二・第三の呪いの家が…」という風に展開も出きる気がしますが、次作を見る限りやはり山賀俊雄の事件が呪いの始まりのようです。

『貞子vs伽倻子』が2016年6月と発表されていますが、これはもうノーカンで…。


次作『呪怨 -ザ・ファイナル-』のネタバレ感想はこちら

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