特集/清潔・衛生と繊維製品/繊維薬剤メーカー/多様なニーズに対応する
2014年11月20日(木曜日) 午後12時0分
消臭や抗菌防臭など、繊維の清潔や衛生といった機能加工を支えるのが繊維加工薬剤メーカーだ。消費者のニーズが多様化するなか、薬剤メーカーの商品開発も活発である。消臭機能では汗臭はもとより、タバコ臭、加齢臭、部屋干し臭など、あらゆる消臭に対応した商品を展開している。さらにはいずれもにおいの成分が違うため、それぞれのにおい成分に対応した薬剤が必要で、各社とも熱心な研究でこれに取り組んでいる。また、最近では抗ウイルス加工も注目される。ここでは有力繊維薬剤メーカーの柱の一つとなっている消臭薬剤を紹介する。
三木理研工業/加齢臭対応の「EB-3」ロングラン
三木理研工業が展開する消臭加工薬剤のなかで、ロングランで売れているのが「リケンレヂンEB―3」だ。イオン性は弱カチオン。元々生活環境から出てくる不快臭を取り除く目的で開発されたもので、とりわけタバコ臭に効果を発揮する加工剤としてカーテンなどの用途で市場を広げてきた。しかし、同商品は加齢臭のにおい成分であるノネナールに対して、極めて高い消臭効果を発揮することから、現在はインナーなど衣料分野での採用が中心となっている。その効力の高さと長年、販売し、市場を獲得してきた実績への信頼を背景に、根強い人気を誇っている。
他方、汎用タイプとして展開しているのが「リケンレヂンEB―8N」。イオン性がアニオンで、様々なバインダーに対応している。アンモニアガス、硫化水素ガスに対し、顕著な消臭効果を持っている。ほかの消臭剤との併用も可能で、多様で使いやすい消臭剤として人気が高い。
一方、抗菌・防臭用の加工剤として展開するのが「リケンレヂンDPC―27」と「リケンレヂンDPC―11」だ。「リケンレヂンDPC―27」は制菌機能も併せ持つ多機能薬剤。綿をはじめ、レーヨン等のセルロース繊維、さらにはポリエステル、アクリル、ナイロン、それらの混紡品など、幅広い素材に対応し、仕上がりの風合いも柔らかく、吸水性を阻害することもない。また、高い洗濯耐久性もメリットの一つだ。黄色ブドウ球菌や肺炎桿菌などに効力を発揮する。「リケンレヂンDPC―11」は加工時の変色リスクが少ないのが特徴で、白度重視の加工には欠かせないものとなっている。
大原パラヂウム化学/多彩なラインアップ展開
大原パラヂウム化学は機能性薬剤が着実な伸びを見せており、このなかで衛生、美容・健康などの分野でも、多彩なラインアップで展開している。
抗菌・防臭、消臭加工剤では「パラファインNS―100」「パラファインNS―300」「パラファインNS―380」などのパラファインシリーズを打ち出している。このなかで汗臭、生ゴミ臭に対応したのが「NS―100」。抗菌機能も併せ持っており、薬剤そのものにバインダー成分が入っているのも特徴だ。同社の中国工場(青島)でも生産していることから、中国に拠点を置く日系企業での採用も少なくない。
「NS―300」は汗臭、生ゴミ臭、ノネナール(加齢臭)に対応。抗菌効果もあるオールマイティーの薬剤だ。さらに汗臭、ノネナールの消臭に特化しているのが「NS―380」。特化しているだけに強い効果を発揮する。
一方、注目されているのが抗菌・抗ウイルス加工剤の「パラファインANV―150」。同薬剤は今年、新たに開発したもの。既存の「パラファインANV―100」と違うのは繊維評価技術協議会が新設を検討しているSEKマークの「抗ウイルスマーク」への対応を意識して開発されたことだ。
他方、同社は機能加工を付加しても風合いを低下させないことを重視する。風合いに優れた加工剤として好評なのが椿油や、バラオイル、シルクアミノ酸などを使用した加工剤の「うるわし繊維」。その「うるわし繊維」と各種機能薬剤を組み合わせたハイブリッド提案も好評だ。
風合いの良さを保ちつつ、消臭や抗菌防臭、保湿、スキンケア、保温、清涼など多彩な機能付加が可能である。
大和化学工業/ナノ消臭で安定加工実現
あらゆる繊維向け加工薬剤を開発、販売する大和化学工業。そのなかで消臭関連の薬剤も多彩なラインアップを用意する。柱となっているのが「ザオバタックNANO―20」だ。アンモニアや酢酸などの汗の悪臭成分に効果を発揮する。加工時にナノサイズの消臭成分が繊維内部に入り込むため、洗濯耐久性に優れているのが特徴である。また、処理浴槽内での成分の沈降が少ないため、安定的な加工を可能とするところも強みである。素材は綿、合繊、混紡と幅広く対応しており、主には肌に触れることの多いインナーや、スポーツ向けでの採用が多い。また、同機能を有しながらも、カチオン系成分との併用を可能にした「ザオバタックNANO―63S」も用意するなど、多様なニーズに対応する。
さらに銀錯体の抗菌剤「AA―125Ag」も人気商品の一つとなっている。
一方、消臭剤のラインアップでは体臭系のものを充実させている。加齢臭の消臭に対応した「ザオバタックNSU―35」をはじめ、高校生や大学生など若い男性の体臭の成分であるアンドロステノンに対応した「ザオバタックAND」などがそれだ。さらに同社は最近、30~40代に多いと言われるミドル脂臭に対応した消臭剤を開発した。ミドル脂臭は一般的に加齢臭と言われるものとはにおいの成分が違い、加齢臭の年齢よりやや低い年代層に多いもの。その成分であるジアセチルの消臭に対応した消臭剤であり、他社に先駆けて開発した形だ。今のところ特定のルートでの販売に絞っているが今後、一般販売する予定だ。