医薬品情報


添付文書情報


禁忌

次の患者には投与しないこと

昏睡状態の患者〔昏睡状態を悪化させるおそれがある。〕

バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者〔中枢神経抑制作用が増強される(「相互作用」の項参照)。〕

重症の心不全の患者〔心筋に対する障害作用や血圧降下のおそれがある。〕

パーキンソン病の患者〔錐体外路症状を悪化させるおそれがある。〕

本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の患者

アドレナリンを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能効果

統合失調症

用法用量

ブロムペリドールとして、通常成人1日3〜18mgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日36mgまで増量することができる。

使用上の注意

慎重投与

肝障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある。〕

心・血管疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者〔一過性の血圧降下があらわれることがある。〕

QT延長を起こしやすい患者〔QT延長が発現するおそれがある。〕

QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者

低カリウム血症のある患者 等

てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣閾値を低下させることがある。〕

甲状腺機能亢進状態にある患者〔錐体外路症状が起こりやすい。〕

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

小児(「小児等への投与」の項参照)

薬物過敏症の患者

脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者〔Syndrome malin(悪性症候群)が起こりやすい。〕

高温環境下にある患者〔体温調節中枢を抑制するため、高熱反応が起こるおそれがある。〕

重要な基本的注意

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。

相互作用序文

本剤は主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用禁忌

アドレナリン
(ボスミン)
アドレナリンの作用を逆転させ重篤な血圧降下を起こすことがある。アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用により、β受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

併用注意

中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体等
中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。本剤及びこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による。
アルコール
(飲酒)
相互に作用を増強することがある。アルコールは中枢神経抑制作用を有する。
リチウム類似化合物(ハロペリドール)でリチウムとの併用により心電図変化、重症の錐体外路症状、持続性のジスキネジア、突発性のSyndrome malin(悪性症候群)、非可逆性の脳障害を起こすとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。機序は不明であるが、併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている。
抗コリン作用を有する薬剤
抗コリン作動性抗パーキンソン剤
フェノチアジン系化合物
三環系抗うつ剤
腸管麻痺等の抗コリン系の副作用が強くあらわれることがある。また、精神症状が悪化したとの報告がある。併用により抗コリン作用が強くあらわれる。
メトクロプラミド
ドンペリドン
内分泌機能異常、錐体外路症状が発現することがある。これらの薬剤は抗ドパミン作用を有するため、併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる。
タンドスピロンクエン酸塩錐体外路症状を増強するおそれがある。タンドスピロンクエン酸塩は弱い抗ドパミン(D2)作用を有する。
ドパミン作動薬
レボドパ製剤
ブロモクリプチンメシル酸塩
これらの薬剤のドパミン作動薬としての作用が減弱することがある。ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。
薬物代謝酵素誘導作用を有する薬剤
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
本剤の作用が減弱することがある。これらの薬剤の薬物代謝酵素誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する。
イトラコナゾール本剤の血中濃度が上昇することがある。イトラコナゾールのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

Syndrome malin(悪性症候群)

無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎不全へと移行し、死亡した例が報告されている。

遅発性ジスキネジア

長期投与により、遅発性ジスキネジア(口周部の不随意運動、四肢の不随意運動等)があらわれ、投与中止後も持続することがある。抗パーキンソン剤を投与しても症状が軽減しない場合があるので、このような症状があらわれた場合には、本剤の投与継続の必要性を、他の抗精神病薬への変更も考慮して慎重に判断すること。

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)

低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

麻痺性イレウス

腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。

横紋筋融解症

横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。

無顆粒球症、白血球減少

無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

肺塞栓症、深部静脈血栓症

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用 (類薬)

心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)

類似化合物(ハロペリドール)で心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明
循環器血圧降下、頻脈、動悸、胸内苦悶感、心電図変化(QT間隔の延長、T波の変化等)注1)
肝臓注1)肝障害
錐体外路症状注3)パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎、寡動、歩行障害、仮面様顔貌、嚥下障害、構音障害等)、アカシジア(静坐不能)、ジスキネジア(口周部、四肢等の不随意運動、舌のもつれ等)、ジストニア(痙攣性斜頸、顔面・喉頭・頸部の攣縮、後弓反張、眼球上転発作等)、アキネジア
霧視、眼の調節障害、角膜・水晶体の混濁注2)、角膜等の色素沈着注2)
過敏症注1)発疹
血液貧血、白血球減少
消化器食欲不振、悪心・嘔吐、胸やけ、便秘、腹部膨満感、下痢、胃不快感
内分泌月経異常、体重増加、体重減少、女性化乳房、乳汁分泌、高プロラクチン血症
精神神経系睡眠障害、焦躁感、眠気、めまい・ふらつき、抑うつ、頭痛・頭重、知覚異常、性欲異常、痙攣発作、意識障害、もの忘れ、傾眠
その他口渇、脱力・倦怠感、鼻閉、発汗、排尿障害、立ちくらみ、尿閉、しびれ感、潮紅、浮腫、運動失調、発熱、無力症、疲労
注1)異常が認められた場合には、投与を中止すること。注2)類似化合物(ハロペリドール)で長期又は大量投与により、角膜・水晶体の混濁、角膜等の色素沈着があらわれることがある。注3)異常が認められた場合には、必要に応じて抗パーキンソン剤投与など適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者では、錐体外路症状等の副作用があらわれやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔動物実験で胎児吸収の増加等の胎児毒性が報告されており、類似化合物(ハロペリドール)で催奇形性を疑う症例及び動物実験で口蓋裂(マウス)、脳奇形(ハムスター)等の催奇形性及び着床数の減少、胎児吸収の増加(マウス)、流産率の上昇(ラット)等の胎児毒性が報告されている。また、妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。〕

授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること。〔動物実験で乳汁中への移行がみられており、また類似化合物(ハロペリドール)でヒト母乳中への移行が報告されている。〕

小児等への投与

小児には慎重に投与すること。〔小児に抗精神病薬を投与した場合、錐体外路症状、特にジスキネジアが起こりやすいとの報告がある。〕

過量投与

症状

主な症状は、低血圧、過度の鎮静、重症の錐体外路症状(筋強剛、振戦、ジストニア症状)等である。また、呼吸抑制及び低血圧を伴う昏睡状態や心電図異常(Torsades de Pointesを含む)があらわれることがある。

処置

特異的な解毒剤はないので、維持療法を行う。呼吸抑制があらわれた場合には、気道の確保、人工呼吸等の適切な処置を行う。低血圧や循環虚脱があらわれた場合には、輸液、血漿、アルブミン製剤、ノルアドレナリン等の昇圧剤(アドレナリンは禁忌)等の投与により血圧の確保等の処置を行う。また、QT延長、不整脈等の心電図異常に注意すること。重症の錐体外路症状に対しては、抗パーキンソン剤を投与する。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意

本剤による治療中、原因不明の突然死が報告されている。

外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。

マウスに臨床最大常用量の15倍(5mg/kg/日)以上を18ヵ月間経口投与した試験で、乳腺、下垂体等の腫瘍の発生頻度が対照群に比し高いとの報告がある。

薬物動態

生物学的同等性試験

ブロムペリドール錠1mg「サワイ」

ブロムペリドール錠1mg「サワイ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日付 薬食審査発第1124004号)」に基づき、ブロムペリドール錠6mg「サワイ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。[1]

ブロムペリドール錠3mg「サワイ」

ブロムペリドール錠3mg「サワイ」と標準製剤を健康成人男子にそれぞれ2錠(ブロムペリドールとして6mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ブロムペリドール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。[2]

各製剤2錠投与時の薬物動態パラメータ

 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-96hr
(ng・hr/mL)
ブロムペリドール錠3mg「サワイ」2.38±0.765.3±0.838.7±21.554.69±19.58
標準製剤
(錠剤、3mg)
2.45±0.765.0±0.730.6±11.855.38±22.07
(Mean±S.D.)

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

ブロムペリドール錠6mg「サワイ」

ブロムペリドール錠6mg「サワイ」と標準製剤を健康成人男子にそれぞれ1錠(ブロムペリドールとして6mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ブロムペリドール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。[3]

各製剤1錠投与時の薬物動態パラメータ

 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-96hr
(ng・hr/mL)
ブロムペリドール錠6mg「サワイ」2.42±0.714.7±0.530.5±16.458.47±17.59
標準製剤
(錠剤、6mg)
2.45±0.504.8±0.630.3±10.960.33±13.76
(Mean±S.D.)

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

ブロムペリドール細粒1%「サワイ」

ブロムペリドール細粒1%「サワイ」と標準製剤を健康成人男子にそれぞれ0.6g(ブロムペリドールとして6mg)空腹時単回経口投与(クロスオーバー法)し、血漿中ブロムペリドール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。[4]

各製剤0.6g投与時の薬物動態パラメータ

 Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0-96hr
(ng・hr/mL)
ブロムペリドール細粒1%「サワイ」1.71±0.674.4±1.040.6±11.949.39±18.81
標準製剤
(細粒、1%)
1.60±0.704.6±1.145.8±17.353.63±20.60
(Mean±S.D.)

血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

溶出挙動

本製剤は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められた規格に適合していることが確認されている。

薬効薬理

ブロムペリドールはブチロフェノン系の抗精神病薬で、ドパミンD2受容体遮断作用を有する。

有効成分に関する理化学的知見

一般名ブロムペリドール
一般名(欧名)Bromperidol
化学名4-[4-(p-Bromophenyl)-4-hydroxypiperidino]-4'-fluorobutyrophenone
分子式C21H23BrFNO2
分子量420.32
融点157〜160℃
性状ブロムペリドールは白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。酢酸(100)に溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、クロロホルムにやや溶けにくく、メタノール、エタノール(99.5)、2-プロパノール又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG

取扱い上の注意

安定性試験

錠1mg

PTP包装したものを用いた加速試験(40℃75%RH、6ヶ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。[5]

錠3mg/錠6mg

PTP包装及びバラ包装したものを用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。[6][7]

細粒1%

バラ包装したものを用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。[8]

包装

ブロムペリドール錠1mg「サワイ」

PTP

100錠(10錠×10)

ブロムペリドール錠3mg「サワイ」

PTP

100錠(10錠×10)

バラ

1,000錠

ブロムペリドール錠6mg「サワイ」

PTP

100錠(10錠×10)

バラ

1,000錠

ブロムペリドール細粒1%「サワイ」

100g(バラ)


沢井製薬(株)社内資料[生物学的同等性試験]
沢井製薬(株)社内資料[生物学的同等性試験]
沢井製薬(株)社内資料[生物学的同等性試験]
沢井製薬(株)社内資料[生物学的同等性試験]
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]

作業情報


改訂履歴

2013年6月 改訂
2015年11月 第16版 改訂

文献請求先

〔主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい〕
沢井製薬株式会社
532-0003
大阪市淀川区宮原5丁目2-30
0120-381-999

業態及び業者名等

製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30