ニキビの有効成分、アラントインについて
ニキビ用化粧品のほか様々な医薬品にも幅広く用いられる成分に「アラントイン」があります。一般の方にとっては聞きなれないこの成分は、どのようなもので、どんな効果があるのでしょうか?
アラントインの副作用の有無、使用する際の注意点についても確認しておきましょう。
ニキビの有効成分、アラントインとは
様々なものに含まれるアラントイン
1912年の英国で、牛の羊膜(胎子と羊水を包む胚膜)の分泌液からアラントインが発見されました。英語で羊膜を表す「アラントイス」から命名されたと言われています。
穀物の胚芽やタバコの種子、コンフリーという薬草の根、カタツムリの粘液などにもアラントインが含まれることが分かっています。近年カタツムリの美容効果が注目されたのは、このアラントインによるものです。
日本では、コンフリーはヒレハリソウと呼ばれ、明治時代には畜産の飼料として育てられていました。健康食品としても人気が高かったものの、大量摂取による肝障害のリスクが指摘され、現在では食品としての販売は禁止されています。とはいえ、抽出されるアラントインには何ら毒性はありません。
アラントインは天然のものだけでなく、尿素から合成して作ることも可能で、多くの医薬品、化粧品にはこの人工的に生成されたアラントインが使用されています。
アラントインを使用した製品
アラントインには優れた効果が認められ、医薬部外品や第2類医薬品などの幅広い商品に配合されています。
ニキビ肌、敏感肌、乾燥肌用の化粧品、アンチエイジング化粧品、乾燥を原因とする大人ニキビの治療薬、目の充血や疲れ、痒みを抑える目薬、歯茎の修復・消炎効果や血行を促進する歯磨き粉、マウスウォッシュ、ハンドクリームなどが挙げられます。
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アラントインの効果は?
傷の回復を早める
アラントインに認められる効果で特徴的なのが、「傷の回復の促進」です。アラントインが繊維芽細胞の増殖を促すことでコラーゲンやエラスチンの生成が進みます。また、傷を負った際、かさぶたなどの壊死した組織を毛細血管中に吸収する肉芽の生成を促します。
この2つの作用により、傷口の速やかな回復に役立つのです。この点から治りにくいひび割れの治療薬などにも、アラントインが配合されています。
刺激を抑え炎症を鎮める
化粧品として重用されるのはアラントインの「抗刺激性」です。化粧品や薬品では、効果が高いものの刺激が強いという成分がありますが、アラントインをプラスすることで刺激を抑えることができるのです。
さらにアラントインには、患部の炎症を鎮める作用があります。炎症を起こした皮膚では短期間で角質が作られるために、細胞同士のつながりが弱く肌荒れを起こしやすいのですが、アラントインは細胞分裂を正常化し、より健康な皮膚を作るのに役立ちます。この働きから、肌荒れの予防・改善を期待できます。
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ニキビにも効果的
ニキビによる炎症に対して、傷ついた皮下組織の回復を促し、炎症を緩和します。この働きは特に、赤ニキビや黄ニキビなど炎症が進んでいる状態でこそ効果的です。
ニキビ治療には刺激は禁物ですから、アラントインの抗刺激性が助かります。患部の回復を促すこと、角質が剥がれ落ちた後にはより健康的な肌の再生に役立ち、ニキビの治療~回復まで、アラントインが力を発揮します。またニキビだけでなく、凸凹になってしまったニキビ跡の回復も期待できます。
アラントインの副作用や注意点は?
安全性が高い成分
長年様々な用途で使用されてきたアラントインには副作用も毒性も確認されておらず、安全性、信頼性の高い成分と言えます。アレルギー反応も確認されていないので、敏感肌、アトピー肌など肌質が弱い方も安心して利用できます。
ただし、アラントインにはアレルギー性がなくても、同時配合されるその他の成分にアレルギーを起こす可能性はあります。アラントイン入りの製品だから大丈夫と思わず、使い始めには慎重に様子をみるようにします。
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アラントイン利用時の注意点
安全性が高いうえに安価で手に入りやすいため、アラントインは化粧品やハンドクリームなどのコスメを手作りする方に人気の成分です。そんな製造時の注意点を確認しておきましょう。
アラントインは水溶性に分類されるものの、沈殿しやすい成分で、配合の際には水の温度を30~40度に温めると溶かしやすくなります。完成品を使用するときは、良く振ってから使います。
安全性が高いとはいえ、医薬品にも使用される体に影響のある成分です。また、アラントインをたくさん入れれば効果もアップするというものではありません。配合量には十分に注意してください。
いくら手軽に作れるものであっても、許可なく化粧品を販売することは薬事法で禁じられています。手作りしたコスメはあくまで個人的に利用するようにし、例え友人であっても販売しないよう気をつけましょう。
- 植物や動物の組織など様々なものに含まれ、人工生成も可能
- 医薬品、化粧品や歯磨き粉などに幅広く使用される
- 刺激を抑えながら傷の回復を促し、炎症を鎮める効果
- ニキビ治療から肌の回復、ニキビ跡の改善までサポート
- 毒性、副作用、アレルギーの心配がない安心な成分
- 手作りコスメで使う際は沈殿と配合量に注意する