| 新車からもう6年以上が経過したが、その間、(ヘッドライトを除くいわゆる電球の)バルブが切れたことは一度もなかった。ターンシグナルはしょっちゅう使うし、ブレーキランプもしばしば点灯するはず。使用頻度から言えば、このふたつがもっとも点灯時間が長いはずだ。そこで、今回は、寿命が来て切れてしまう前に、点検と交換をしてみることにした。 <ブレーキ + テールライト> 左は小糸の「27/8W」、右は、Raybrigの高効率バルブ「21/5W」。実は左右違うものを入れていたこと自体を忘れていた。しかし両方とも明るさはほぼ同じである。元の定格は21/5Wだが、LEDを付ける車が周囲に増えたために、相対的に電球タイプは暗く見えてしまう。 写真でわかるとおり、電球内にうっすらと黒ずみが見えており、寿命が近いことを物語っている。→交換 <サイド・ターン> アンバーの電球は黒ずみがわからないので、基本的には交換。最初に用意したのは、Raybrigのステルスタイプ(通常のアンバー電球に銀色薄膜を蒸着させたもので、非点灯時に外から見るとアンバー色に見えないもの)。これを入れて実際に点灯してみたところ、やはり通常の5Wより暗く見えてしまう。やはり、視認性が何より重要なので、これはボツ。次に買ってきたのは、PHILIPSのWY5Wという普通の5Wウェッジ球。これなら視認性が悪くならない。→フィリップスの通常ウェッジ球に交換。 <フロント・ポジション> T10ウェッジ球5Wだが、これも、今まで青着色のRaybrigを使っていたが、寿命の判断はつかないので、交換。 <リア・ターン> これまで、普通の21Wアンバーの電球を使ってきたが、やはり先ほどのLED車が増えたことの影響で、少しだけ明るいものを入れた。小糸の7-25という27Wシングル球だ。ただし、これは元々電球のピンの位置が150度でなければならないので(アンバー電球と無色電球を間違えないため)、27Wの180度2ピンの片側をニッパーで切り落として入れた。 <バックライト> バックする際に片側だけ点灯するライトだが、日本車に比べて1灯で非常に暗いため、定格21Wのところを35Wのシングル球を入れていたが、点検するとまったく黒ずみは出ておらず、まだまだ寿命は先とみて今回はそのままとした。 <リアフォグ、内側テールライト> リアフォグは車間距離の短い日本では迷惑でこそあれ、必要な場面はきわめて少ないため、これまで一度も点灯したことがない。そのためこれもこのまま。内側テール5Wもそのままだ。 159にはバルブ切れ警告があるので、予防的に交換する必要はないといえばないのだが、切れる場所を選んではくれないので、たとえば点灯する必要のある夜間に切れたとすれば、夜に道路脇か駐車場を探して交換しなければならない。そんなことを考えると、6年ぐらいでよく使うものを一通り交換するというのも、理にかなっているようにも思う。 しかし、この「電球の寿命」、我々現代人は「当たり前」のこととして理解しているが、これがとんでもない裏事情によるものだということを、ほとんどの日本人、世界中の人たちは知らない。 現在売られているシリカ電球の標準的な寿命はわずか1,000時間、長寿命タイプのシリカ電球は広告で2,000から2,500時間だ。自動車用電球も基本的には同じだ。 しかし、エジソンが1881年に作った最初の電球の寿命はなんと1,500時間だ。明るさの問題を考慮しても、19世紀の電球と21世紀の電球の寿命がほとんど変わらないのは、世界的カルテルがあったためだと判明している。この事実が検証されたのは21世紀に入ってからだ。ドイツの研究者ヘルムート・ヘーゲが資料と証拠を次々に発見した。この「電球の寿命を制限するカルテル」にはアメリカはもとより、OsramやPHILIPSなどヨーロッパメーカーだけでなく、日本のメーカーも加わっていたことがわかっている。 細かくは別記事にするが、電球の寿命は、本来長かったものが、短くなるように技術開発され、現在のように使用していくとフィラメント内部に混入された物質が高熱で蒸発し、内側につく、同時にフィラメントも切れるようになる、という形になった。つまりは、我々が普通だと思っていた「電球の寿命」は世界中の電球メーカーのカルテルにより決められ、制限された「意図的寿命」だった。もちろん、現在の商取引でカルテルは違法なので、どの国でも表面的にはない。しかし、これは1世紀近くにわたる「電器業界の慣行」として生き残っている。 と、電球の裏事情に詳しいように書いているが、この元ネタは2010年に制作され発表された、フランスとスペインのプロダクションが合作したドキュメンタリー「意図的老朽化」だ。ここでは、多くの証拠が開示され、PHILIPS家の孫まで登場してこの件にコメントしている。 すぐに伝線するストッキング、廃インクパッドがいっぱいだという理由を付けて動かなくなるインクジェットプリンター、いずれも「意図的寿命」というやつだ。そういえば、「ソニータイマー」というのがかつてあった。保証がきかなくなってしばらくすると壊れるというもの。あれ、意外に「ちゃんと設計されたもの」だったんだなぁ、と感心した。ただ、家電がアナログからデジタルになってしまい、そうした微妙な設計ができなくなってしまってから業績は急降下した、という側面もなくはないか、と。 この話またいずれ。 |