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モデルとして、服に対する想い


サフィア・ミニー(以下サフィア):初めまして! 麗子さんには、おしゃれが大好きな女の子たちに向けて、ブログや雑誌でフェアトレード・ファッションを紹介していただいています。いつも本当にありがとうございます。ところで、麗子さんは、モデルとしてお仕事を始められてどれくらいですか?


高垣 麗子(以下高垣):15歳からなので、もう16年になります。


サフィア:すごい! その間、服に対する意識は変わりましたか?


高垣:初めは、かわいくてきれいなものが大好きで、どうすれば服をよりきれいに見せられるか、と見た目を重視して仕事をしていたのですが、いろいろなブランドとコラボレーションをさせていただき生産の現場を知るうちに、服の背景が見えるようになったんです。きれいな色に染めるために、どれだけ環境が汚染されているかを知ったり。きれいなものの裏にある被害を知り、これはみんなにも知ってもらうべきだと思ったんです。だから、まずは自分が正しい知識を得なければと思い、フェアトレードのことも少しずつ勉強して。私は仕事として情報を発信できる立場にいるので、誌面やブログ、イベントなどで自分から声を届けていきたい。難しい言葉ではなく、誰もが分かる形で伝えることが大切だと思っています。


サフィア:服作りに関わることで、生産背景に意識が向いていったのですね。高垣さんの心の動きは、かわいいものが大好きな女の子たちにフェアトレードを知ってもらううえで、とても参考になります。


高垣:知らないことは、とても怖いと思いました。安いものがたくさんあるけれど、なぜ安いのかなど考えませんよね。だから、考えるきっかけ作りをしたいと思ったんです。安いもの全てを否定するわけではないですが、知ったうえで選んでほしいと。



手刺繍ドット・コクーンドレスサフィア:麗子さんは、ご自身でブランドをプロデュースされていますよね。オーガニックコットンも取り入れているとか。


高垣:『oeuf doux(ウフ ドゥー)』というルームウェアのブランドを1年ほど前からプロデュースしています。いまは部屋着のほか、食器やベビー服までいろいろつくっているのですが、イメージしたものを形にするのは想像以上に難しいです。環境を考えて、生地やレースにオーガニックコットンをたくさん使いたいのですが、ロットや価格の問題から全部には使えていないんです。お客様にはオーガニックコットンと環境に関する問題を知って、ぜひ手にとってもらいたいけれど、高すぎては買ってもらえない。葛藤がありますね。


サフィア:私たちも価格の問題にはいつも悩まされます。ファスト・ファッションによって、あらゆる服が昔の1/4とか1/10の値段で買えるようになってしまいましたから。
ところで、麗子さんはフェアトレード自体を知ったのはいつごろですか?


高垣:5~6年前に、自然食品のお店で購入した食品の包装にフェアトレードの説明が書いてあったんです。生産者のことだったのですが、自分が知らなかったことばかりで、すごい衝撃でした。


エコロジーへの意識の源は…


サフィア:自然食品はよく買われるんですか?


高垣:小さなころから母に連れられて自然食品店にはよく通っていたので、私も自然とそういうお店で選ぶようになっていました。無農薬の野菜を選んだり、環境と体に害のない石けんを使ったり。洗剤や石けんは、安いものや香りのいいものもたくさんあるけれど、毎日肌に触れるものなので、特に意識して選んでいます。


サフィア:お母さんの意識が高くて、小さなころから問題を身近に感じられる環境があるのはとても大事ですよね。麗子さんの美しさの基本には、そういう子どものころの育ち方もあるのですね。納得できました! ところで自然食品に意識を向けると、外食が大変ですよね。私はベジタリアンなので、特に感じるのですが。


高垣:ベジタリアンは昔からなんですか?


サフィア:夫がもともとベジタリアンで、当初は私の分だけお肉を用意していたのだけれど面倒くさくなってしまって(笑)。彼は学生のころ、家で飼っていた鴨を絞めるのを手伝ったんですね。そのとき、動物を殺す勇気もないのに肉を食べる矛盾に悩んでベジタリアンになってしまったの。私は、どちらかというと環境問題を考えて。肉食は、環境や食糧問題とも直結していて、牛を一頭育てるのにものすごい量の水や牧草が必要なんです。水や食糧がなくて苦しむ人には届かないのに。


高垣:そういう問題につながっていることは気がつきませんでした。栄養面で言うと、お肉のタンパク質は、大豆からとれば大丈夫なんですよね。


サフィア:そうなんです。私の家族はみんな健康そのものですよ(笑)。イギリスでは、ポール・マッカートニーが「ミート・フリー・マンデー(肉なしの月曜日)」という運動をしているんです。日本でもこれを流行らせたくて。完全なベジタリアンではないけれど、週に1日、環境や動物のことを考えてお肉を食べない日にしましょうと。


高垣:そういうのがいいかもしれない。思考の癖を直すのは、本当に難しい。



 



 



高垣 麗子さんプロフィール

1979年、東京出身。1995年、「プチセブン」(小学館)の専属モデルとしてデビュー。以降「JJ」(光文社)をはじめ、さまざまな人気雑誌で活躍。2009年より「AneCan」(小学館)の専属モデル。ルームウエアブランド「oeuf doux」、ジュエリーブランド「oluolu」をプロデュース。2010年3月元スピードスケート選手の清水宏保さんと結婚。