円形脱毛症の患者さんが皮膚科や専門のクリニックにかかると、「リンデロン」という薬品を処方されることがあります。
何やら不思議な響きの名前ですが、リンデロンとはいったどんな薬で、どんな効果があるのでしょう?
ハゲラボ編集部で徹底調査してみました。
いま現在、円形脱毛症治療のためリンデロンを処方されている方や、治療方法としてリンデロンを検討されている方は、ぜひご参考になさってください。
リンデロンは日本では1970年から販売されている薬。
製造・販売を行っているのは、東証一部上場企業の塩野義製薬株式会社(シオノギ製薬)です。
自己免疫を抑えることができるいわゆるステロイド剤で、さまざまな治療効果があり、円形脱毛症の治療にも使用されています。
皮膚の炎症を抑え、かゆみを和らげる効果もあるため、アトピー性皮膚炎の患者さんに対してよく用いられる薬でもあることは、よく知られていますね。
そんなリンデロンは、円形脱毛症に実際にどのような効果があるのでしょうか。
続けて記しますので、よく読んでみてくださいね。
リンデロンの効果を知る前に、まずは円形脱毛症の原因から。
実は円形脱毛症の原因は長い間、強い精神的なストレスにあると言われてきました。
ですが、円形脱毛症はあまりストレスと縁がなさそうな人や幼児でも発症することがあります。
また、患者に訊ねてみても、必ずしも強いストレスを感じているわけではないこともしばしば。
このように、ストレスだけに原因を求めることには無理があります。
そこで、近年は「自己免疫疾患」が原因であるとする説が定説になっています。
本来であれば人間の肉体を守ってくれている免疫が暴走し、もともと外部からやって来た異物のみを攻撃するはずのリンパ球が自分の体の組織を攻撃してしまうのです。
円形脱毛症の場合はこの「体の組織」とは毛包組織を指します。
この毛包組織が攻撃を受けてしまうことで、毛髪が抜け落ちてしまうというわけです。
これが、現在、考えられている円形脱毛症のメカニズム。
これに対して、リンデロンはどのように作用するのでしょうか?
以下、円形脱毛症におけるリンデロンの役割を見てみましょう。
(1)自己免疫疾患を抑制する効果
円形脱毛症の主な原因は自己免疫反応であるとお伝えしました。
実はリンデロンにはその自己免疫を抑制する効果があるのです。
その作用のおかげでリンパ球による毛母細胞への誤った攻撃がやみ、正常な発毛サイクルが回復するというわけですね。
(2)頭皮の炎症を抑える効果
リンデロンに含まれるステロイドには、もうひとつ、抗炎症剤としての側面があります。
円形脱毛症においては、頭皮に炎症が起こり、頭皮環境が悪化しています。
そこでリンデロンに含まれているステロイドによって炎症を抑え、悪くなっていた血流を正常に戻すことで頭皮環境の改善が見込まれるのです。
円形脱毛症に対する効果としては間接的なものではありますが、しばしば効果を生むと言われています。
そういうわけで円形脱毛症治療に強力な効果をもつリンデロンですが、副腎皮質ホルモンというステロイドを含んでいるため、当然ながら副作用がともないます。
リンデロンの副作用は多岐にわたり、代表的なものは消化不良、口の渇き、体重増加など。
また、ムーン・フェイス、あるいは満月様顔貌(まんげつようがんぼう)と呼ばれる症状も出たりもするよう。
これはまさに顔が満月のように円くなる副作用だと考えてください。
処方の頻度や方法については専門医に必ず確認を行い、 くれぐれもリンデロンを自分で乱用することのないよいうにしましょう。
このように、リンデロンは副作用の危険性はあるものの、円形脱毛症に対しては有効な薬です。
しかし、それはあくまで円形脱毛症に対してだけ効果があるということであって、すべての脱毛症に対し一様に効果があるというわけではありません。
たとえば、一般に薄毛とかはげの原因となっているAGA(男性型脱毛症)に対しては効果がないとされています。
AGAのために薄毛の人は誤ってリンデロンを使用したりしないよう注意しましょうね。
また、薄毛で悩んでおられる方は、自分が円形脱毛症なのか、AGAなのか、それとも他の疾患なのか、しっかり確認することが大切です。
最後に、リンデロンについていままで書いてきたことをまとめると、以下のようになります。
- リンデロンは自己免疫疾患を抑えるステロイド剤。
- 自己免疫疾患によって引き起こるとされる円形脱毛症に対して、リンデロンの効果は強い。
- ただし、リンデロンには副作用がある。
- リンデロンは一般的なAGAや薄毛には効果がない。
- リンデロンの使用には医師の処方が必要。
ちなみに、リンデロンは市販薬ではなく、医師による処方箋なしでは入手できません。
それくらい効果もあれば、また副作用のリスクもともなう薬だということです。
円形脱毛症を早く治したい気持ちは良くわかりますが、リンデロンを使用するかどうかは医師とよく相談の上、そのリスクなども正確に把握した上で決定するべきでしょう。
あくまで慎重な注意の上、ご使用ください。