特発性間質性肺炎の治療法

更新日:2017/04/26 公開日:2017/04/26

間質性肺炎

間質性肺炎のなかのひとつ「特発性間質性肺炎」は、原因が明らかになっていないといわれています。ドクター監修の記事のもと、特発性間質性肺炎を発症後の治療法や症状を悪化させないために注意したい点について解説します。

特発性間質性肺炎にはいくつかの病型がありますが、原因が定かではなく、治療を施しても効果が期待できないケースもあり難病のひとつとされています。特発性間質性肺炎の治療法と合わせて、症状を悪化させない予防のポイントを見てみましょう。

特発性間質性肺炎とは

肺は、肺胞という小さな袋が集合し、ブドウの房のような形をしています。間質性肺炎は、肺胞の壁が炎症を起こし、硬く厚くなって酸素が十分に取り込めなくなる病気といわれ、原因が不明なものを総称したものが「特発性間質性肺炎」です。

特発性間質性肺炎は、さまざまな病型があります。もっとも多いとされているのが特発性肺線維症です。基本的には原因がわからないとされていますが、特発性肺線維症については喫煙という共通点が多く見られるため、喫煙が危険因子のひとつと考えられています。また、さまざまな原因遺伝子と環境因子の影響や、肺胞壁の細胞の損傷と修復のくり返しの過程で起こる遺伝子異常も原因の可能性があるとして注目されています。

特発性間質性肺炎の検査

特発性間質性肺炎は、喫煙歴・既往歴・職業歴などを含む問診と身体診察に加え、検査を行って次のような情報をもとに診断されます。

臨床情報

肺機能検査や血液検査などです。運動や動作後の血液中の酸素量の低下具合などから病状や病型を推測されます。

画像情報

胸部のX線画像や高分解能コンピューター断層画像も病状や病型を見るのに有用といわれています。

その他の情報

もっとも正確に行えるといわれているのが肺の組織検査です。ただ、全身麻酔を必要とする手術をともなうことから、リスクの高い検査とされています。そのため、この検査を行うかどうかは病状によって判断されます。

特発性間質性肺炎の治療

特発性間質性肺炎の基本的な治療法は間質性肺炎とほぼ同じで、「薬物療法」「対症療法」「酸素療法」の3つを用いられるのが一般的です。

薬物療法

特発性間質性肺炎は、病型が複数あるとされており、種類によって用いられる薬が異なるといわれています。ただ、薬物療法による効果は個人差があるとされており、薬剤を使用せずに経過を見る場合もあります。

  • 特発性肺線維症

特発性間質性肺炎のなかでも、もっとも多いとされるのが特発性肺線維症で、病状がある程度進行している場合には、それを緩める働きが期待できる抗線維化薬や抗酸化作用のある薬剤を用いるケースが多いようです。ただ、病状を完全に改善する効果がなく、食欲不振や光線過敏症などの副作用のリスクもあるといわれています。

  • その他の特発性間質性肺炎

確定診断されると副腎皮質ホルモン剤といったステロイド剤や免疫抑制剤を用いた治療を開始するケースが多く、呼吸関連の症状が改善するなどの効果が得られやすいとされています。

対症療法

病状によっては、薬物療法を行わず経過を見るケースがあります。ただ、咳がひどい場合や痰が出る場合は、それらの症状に応じた薬剤を用いた対処療法が行われることが多いとされています。これは、あくまでも日常生活を改善することが目的とされています。特発性間質性肺炎の根本的な治療にはならないということだけ理解しておきましょう。

酸素療法

病状が進行すると、呼吸で十分に酸素を取り込めない呼吸不全が起こるといわれています。このようなケースでは、自宅でも酸素の吸入ができる在宅酸素療法が行われるといわれています。また、心臓の負担が大きくなり肺高血圧が疑われる場合は、その治療や呼吸のリハビリテーションを合わせて行う場合もあります。

これらの治療を施しても呼吸機能の改善が見込めない場合、肺移植が検討されることがあります。ただ、移植には厳しい一定の基準があり、それを満たさなければ受けられないとされています。

悪化予防のための注意点

特発性間質性肺炎は、風邪(かぜ)やインフルエンザなどの上気道感染をきっかけに、病状が一気に悪化する急性増悪をまねく可能性があるといわれています。急性増悪は致死率を高めてしまうといわれているため、症状の悪化を予防することがきわめて重要と考えられています。注意したいポイントを押さえておきましょう。

感染症にかからない

一般的な予防法として知られる手洗いやうがいは有効とされています。また、外出時にマスクを着用するのもおすすめです。感染症が流行しやすい時期は特に、外出後の手洗いとうがいを徹底しましょう。また、インフルエンザや肺炎は、感染予防のために予防接種を受けて、きっかけを作らないようにすることも大切です。

健康を害することを控える

特発性間質性肺炎のひとつである特発性肺線維症は、発症者のほとんどが喫煙者だったということもあり、タバコが影響している可能性から禁煙するのが望ましいとされています。また、食べ過ぎやそれによる体重の増加は、呼吸困難の症状を強めてしまう可能性があり、逆に症状が進行して体重が減少してしまうケースでは経過不良をまねく可能性があることから、適当とされる体重をキープすることも大切です。バランスのよい食事をしっかりととり、過労や睡眠不足にも気をつけて規則正しい生活を心がけるようにしましょう。

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