今回お話をうかがったのは、多くのセレブを顧客に持ち、 ゴッドハンドの異名を持つカリスマエステティシャン・高橋ミカさん。 27歳にして独立し、若くして揺るがぬ地位を築いた高橋さんの波乱万丈の半生とは? 「あなたの人生ってつまらなそう」って母親があきれるくらい夢のない学生時代でしたね。母親はバリバリのキャリアウーマンで、しかも私の家は母子家庭だったんです。母親としては早く夢を見つけて、それに向かって努力して、一人でも生きていけるような技術と知恵を身につけなさいって気持ちだったんでしょうけど、その頃は煩わしいだけでした。 高校時代はアルバイト中心の生活。学校が終わるとすぐにバイトに行って、夜までウエイトレス。仕事が終わった後はバイト仲間と遊び場に直行。時代はちょうどバブルで、私がバイトしていたレストランは六本木のど真ん中。もう、毎日が楽しくて楽しくて。将来のことなんて考えなかったなぁ。とにかく今が楽しければいいという考え方だったんです。 「働かざるもの食うべからず」ということを親に叩き込まれていたからか、働くってこと自体も楽しかったんですよね。子供の頃はご飯を作るのを手伝ったり、新聞受けから毎朝新聞を持ってきたり、玄関やお風呂を掃除したり。たいしたことではないけど家の中できっちりと仕事を与えられていて、それをサボったら、ものすごく叱られましたよ。お正月におばあちゃんの家に遊びに行っても、お掃除をしなきゃお年玉はもらえませんでした。私にとってお年玉はお小遣いっていうよりはバイト代でしたね(笑)。高校になったら一切お小遣いはもらえません。欲しいものがあったら働いて買いなさい、って。レジ打ちとウエイトレスのバイトをかけもちしてたこともありますもん。だからかな、今でも忙しく働くことは苦痛にならないんです。 高校を卒業した後は専門学校に入ったんですが、やっぱり生活の中心はアルバイト。母親の仕事の影響でなんとなくインテリア系の学校に入学したものの、どうしても興味をもてなかったんです。すぐに学校に行かなくなって、昼と夜でウエイトレスのアルバイトをかけもちして、夜は六本木というパターン。 この頃、唯一の悩みは太っているということ。不規則な生活のせいで高校入学のときに比べると10kg以上太ってたかな。いろいろなダイエットも試したけど、少し痩せてはリバウンドっていうパターンだったんです。そんなとき、偶然に高校時代の友人に再会。私と同じくらい太っていたはずの彼女がすっかり痩せてキレイになっているのを見てビックリしました。話を聞いてみると彼女は高校卒業後にエステの会社に就職していたんです。 今思えば、私がはじめて『美容』の世界に興味を持ったのはこのときでしょうね。それまではほとんどお化粧もしませんでした。ファンデーションすら塗ったことがなかったなぁ。髪をきれいに伸ばして、真っ赤な口紅をつける。化粧といえばそれだけ。それなのに、痩せた友だちに会った後の行動は早かったですよー。すぐに専門学校を辞めてエステ会社に就職。自分が痩せるためにエステティシャンになる人も珍しいですよね(笑)。 エステティシャンって聞くと優雅で華やかな職業だと思うでしょ。でも実際はまったく逆。一言で言うと肉体労働ですよ。当時は景気もよかったので、すぐに正社員のエステティシャンとして就職できたんですけど、もうとにかくハード。朝から晩まで店舗で接客して、その後は研修。さらにその後に練習をして研修で教わった技術を身につけておかないと、次の日には先輩にものすごく怒られちゃう。徹夜なんてしょっちゅうで、1ヶ月のうち家に帰れたのは3日、なんていう生活でした。しかもサウナみたいな施術ルームで働いているもんだから、1日に3~4kgはあっという間に体重が減っちゃう。痩せたいっていう当初の願望はすぐに達成できちゃいました。 でも、エステティシャンっていう仕事には、「これが私の天職だ」ってビビッとは感じなかったな。最初は痩せたら辞めよう、くらいの気持ちでしたね。ただね、やっぱりお客様の喜ぶ顔を見るのはすごく楽しかった。「高橋さんの施術って他の人となんか違う」とか「今日は高橋さんに担当してもらってラッキー」なんて言われたら、やっぱり嬉しいじゃないですか。痩せたいという自分の目標をクリアした後にもエステティシャンを続けられたのは、お客様の笑顔がモチベーションになったから。そしてその後、少しずつ気持ちが変わってきたんです。 (後編に続く) |