ちょっとした目のトラブル時に市販の目薬を使用したことがある人はたくさんいると思います。忙しくて眼科を受診する時間がない人にとっては、手軽に購入できる市販目薬は心強い味方となるでしょう。近年ではコンタクトレンズやインターネットの普及などによりドライアイの人が増えており、ドライアイ用の目薬は市販薬でも多く販売されています。このドライアイ用の目薬を選ぶ時の4つのポイントを、医師・安倍 勇先生による監修記事でご紹介します。

市販目薬の種類

市販の目薬といっても、ドライアイ用の他にもものもらいや結膜炎用、疲れ目用、花粉症などのアレルギー用、コンタクトレンズ用など目薬の種類は実に様々です。目薬だったらどれでもいいというわけではなく、症状に合った適切な目薬を使用する必要があるのです。

たとえば、充血用の目薬などには血管収縮剤が含まれています。使っている時は充血がよくなるのですが、長期間使い続けていると目薬をやめた時に充血がひどくなってしまう場合があるので、長期にわたる使用は避けるようにしましょう。

また、結膜炎や目やにが出るからといって目薬を使用していても、なかなか症状が改善しないことがあります。目やにが出る病気としては感染力のあるなどもありますので、目やに用の目薬をしばらく使っても変化がない・症状がひどくなるという場合は細菌性の結膜炎ではなくウイルス性結膜炎の可能性もあります。眼科を受診するようにしましょう。

ドライアイ用目薬を選ぶポイント

目が乾く・しみる・ショボショボする・ゴロゴロするなどは典型的なドライアイの症状ですが、目が疲れるといった症状もドライアイではよく聞きます。ただの疲れ目だと思っていたら実はドライアイだった、ということも少なくありません。ドライアイの場合、部屋の乾燥やエアコ ンの風向きを改善するなど目が乾く原因への対処を行うと同時に、目薬の使用もとても有効な手段となります。ここからは、ドライアイ用の目薬を選ぶ時のポイントをみていきましょう。

防腐剤が入っていないものを選ぶ

一般的な目薬は、容器内での菌の繁殖を防ぐため、ほとんどのものに防腐剤が入っています。

防腐剤入りの目薬を長期間使い続けると、角膜障害を引き起こす可能性があります。また、コンタクトレンズの上から使用すると、特にソフトレンズの場合は防腐剤成分がレンズ内に浸透してしまうため角膜への影響も懸念されています。ドライアイの場合は頻回に目薬を使用する事になるので、防腐剤入りは避けた方がよいでしょう。

涙により近い目薬を選ぶ

涙は3層構造になっており、このバランスが崩れることによって目の乾きが起こります。また加齢やコンタクトレンズの使用、生活環境習慣などもドライアイの原因となります。

「人工涙液」と呼ばれている涙に近い成分の目薬には、実際の涙液に近い浸透圧に調整する塩化ナトリウムや塩化カリウムが配合されています。人工涙液を選ぶことで自然な涙に近い状態に近づけることが出き、より刺激が少なく角膜への影響も最小限におさえられるとされています。

ヒアルロン酸配合の目薬

水分を補う意味では人工涙液の目薬は効果的なのですが、すぐに蒸発してしまうため頻回点眼が必要になります。ヒアルロン酸は保湿効果が高く持続力が高いので、ヒアルロン酸配合の目薬を選ぶ事で、より角膜に長くとどまり潤いを与えてくれる効果があります。また、角膜修復作用もあるので、目に傷がついた場合などにも有効です。しかし中には防腐剤が入ったものもありますので、コンタクトレンズ上での使用や頻回点眼は避けた方がよいでしょう。

<血管収縮剤の入っていない目薬を選ぶ

ドライアイでも目の充血を引き起こしますが、充血があるからと血管収縮剤の含まれた目薬を選んでもドライアイの根本的な解決には繋がりません。逆に、目薬の反動で充血が余計にひどくなってしまうという悪循環に陥りかねません。

ドライアイを改善することで気になる充血も改善されてきますので、涙を補うような成分の目薬を選び、血管収縮剤が含まれた目薬は使用しないようにしましょう。

ドライアイ用目薬の種類

市販のドライアイ用目薬をいくつかご紹介します。

ソフトサンティア(参天製薬)

防腐剤フリーの目薬で、眼科でも処方されている人工涙液タイプの目薬です。コンタクトレンズ使用者の乾き対策としてもよく処方されています。

新ロートドライエイドEX(ロート製薬)

今までの約60倍という高粘度が特徴で、トロッとした目薬が潤いを閉じ込めます。

アイリスCL-Iネオ(大正製薬)

防腐剤フリーの人工涙液タイプ目薬で、一回ずつの使いきりタイプとなっているため、安全で衛生的な目薬と言えます。疲れに効果のあるタウリンが配合されているので、目の疲れから引き起こされるドライアイにも効果的です。

まとめ

食べ物と一緒で、防腐剤は目にも影響を与えます。ドライアイ用の目薬を選ぶ場合は、長期使用を考えて防腐剤が入っていないものを選ぶ方がよいでしょう。

しかし防腐剤が入っていないということは開封後長持ちしないということです。防腐剤が入っていない目薬を使用しても、正しい使用方法が守られていなければ全く意味がありません。正しい差し方については、「目薬の正しい差し方、知っていますか?」も参考にしてください。
どんな目薬でも使用方法を正しく守り、しばらく使用しても症状が改善しない場合は、角膜に傷が付いているということも考えられます。一度眼科医に診てもらうようにしましょう。