新入社員のリクルートと教育、順調ですか? 「どうもガッツが感じられない……」「もっとギラギラした有能な新人がほしい……」と悩んでいる貴方!
ガッツの足りない新人像
「え、ボクの歓迎会ですか? 用事があるんで休みま〜す」
新入社員のクオリティをどうこう言う前に、そもそも貴方の組織が新人のやる気とポテンシャルを200%引き出せるだけの邪悪なニンジャ組織になっているかどうか、もう一度見直してみてください。ソウカイヤ首領、ラオモト・カンの無慈悲なる組織運営手腕を学ぶ好機かもしれませんね!
彼に対して、上の台詞が言える新入社員はいない筈だ。
今回の登場人物紹介は、第1部「ネオサイタマ炎上編」のボスであり、今なおその存在感を発揮し続けるネオサイタマ暗黒社会の帝王、ラオモト・カンにスポットライトを当てたいと思います。彼はフジキド・ケンジ(ニンジャスレイヤー)の妻子を殺したニンジャ組織、ソウカイ・シンジケートの首領であり、復讐の戦士ニンジャスレイヤーの前に立ちはだかる強大な悪です。
ソウカイヤは第1部でニンジャスレイヤーによって壊滅させられ、ラオモト・カンもまた爆発四散を遂げました。しかし、それから現実世界で5年以上が経つ現在、作中においてもまたニンジャヘッズの間でも、ラオモトの魅力は何一つ陰りを見せません。ラオモト・カンの悪の魅力はどこにあるのでしょう? この記事では様々な側面から彼の魅力を検証します。
◆ラオモト・カン◆
ソウカイ・シンジケートの首領にして、ネコソギ・ファンド社のCEO。七つのニンジャソウルをその身に憑依させた最強のニンジャ存在。平安時代の哲人剣士ミヤモト・マサシを崇拝し、彼が使ったとされる双子の刀「ナンバン」「カロウシ」を持つ。暗黒ヤクザ経済組織ソウカイ・シンジケートと、その威力部門たるソウカイ・シックスゲイツを支配下に置き、ネオサイタマの裏社会を恐怖と暴力によって支配する。
邪悪なソウカイニンジャたちを束ねる無慈悲なる首領
外見的特徴
アルマーニスーツとヤクザシューズに身を包み、黄金メンポで口元を覆っている。さらに重要なビジネス交渉などの際には、不気味な鎖頭巾で目元以外をすっぽりと覆っていることもある。本拠地での戦闘時には全身に鎧をまとって武田信玄じみた鎧武者の姿となり、二本一対のカタナ「ナンバン」と「カロウシ」を装備する。身長は190cm超(詳細を原作者から得られなかった)。髪は白。瞳は黒。
無印のラオモトは金髪オイランを侍らせ、邪悪なオーラを纏っている。
グラマラス・キラーズ版はCEOとしてのカリスマ性に溢れている。
キルズ版ラオモトはスーツに頭巾姿がデフォルトであり異彩と不気味さを放つ。
アニメ版ラオモトは強大なオーラによって山のように巨大に見える。
戦闘スタイル
ジツ:カラテ比率:5:5
ラオモト・カンは、ナンバンとカロウシを使った二刀流のカラテを得意とする。ただでさえ強大なラオモトの真の力は、七つのニンジャソウルの力を解放した時に発揮される。以下の七つが、ラオモトに憑依したニンジャソウルの所属クラン名と、それがラオモトにもたらしている力の一端である(作中で実際に使用されたものに限り記載した)。
- ブケニンジャ・クラン
・核になっていると思われる強力なニンジャソウル。カラテミサイルの力をもたらす。 - タナカニンジャ・クラン
・サイコキネシスの力をもたらす。 - コブラニンジャ・クラン
・フドウカナシバリ・ジツをもたらす。 - モズニンジャ・クラン
・空中殺法を得意とする。 - ビッグニンジャ・クラン
・ビッグカラテをもたらす。長身も一部がソウル由来か? - イタミニンジャ・クラン
・敵から受けた激痛を力に変える。 - サソリニンジャ・クラン
・サソリの構えをもたらす。
ニンジャソウルは本来、一人に一個しか憑依しないものである。ラオモトが七つのニンジャソウルを持つに至った秘密は、彼がリー先生に対して命じた「ヨクバリ計画」にある。禁忌の行いといえるニンジャソウルの人為的憑依や移し替えについての詳細は、リー先生と彼のイモータル・ニンジャ・ワークショップの項で改めて解説されるだろう。なお、これらの七つのソウルとは別に、彼は自らをリアルニンジャであると自負し、デモリション・ニンジャと名乗る時もある。
「ムハハハハハハハ! このワシを……デモリション・ニンジャを……ソウカイ・シンジケートの首領を、殺せると思うたか!」
◆オリジン・エピソード◆
実のところ、ラオモト・カンの生い立ちを語るエピソードはまだ公開されていない。彼が初めて我々の前に姿を現したのは、Twitter連載の2日目に公開されたエピソード「ネオヤクザ・フォー・セール」においてであった。この事からも、彼がいかに重要な存在であるかは一目瞭然だろう。彼の初登場ツイートを振り返ってみよう。
ネオサイタマに聳える悪の根城、トコロザワ・ピラー十三階。ここはラオモト・カンのダミー会社、ネコソギ・ファンドの事務所であり、ダーク・ニンジャ・ソサイエティのトレーニング・グラウンドでもある。窓の外では、空からの攻撃を防ぐため、数十基のサーチライトが慌しく夜空を切り裂いていた。
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2010, 7月 25
ラオモトは長さ十メートルもある高級一枚板のデスクに座り、葉巻をふかす。今日の彼の装束は戦闘服ではない。ヨロシ=サン製薬との商談があるからだ。ビジネス用のアルマーニスーツ上下に、鎖頭巾、黄金メンポという出で立ちである。それでも、全身から殺気がみなぎっていた。
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2010, 7月 25この後、ラオモトはヨロシサン営業を人食いズワイガニのプールに落下させて高笑いし、悪の帝王としての風格を示すのだ。つまり、ラオモトの悪の魅力に浸りたいならば、「ネオサイタマ炎上1」からその軌跡を辿るのが最もおすすめだ。
物理書籍の名鑑には魅力的なデザインスケッチが多数収録されている。
重要エピソード
「ネオサイタマ炎上1〜4」の全てがラオモト・カンの重要エピソードである。中でも、ニンジャスレイヤーとの最終決戦にのぞむ彼が描かれた最終エピソード「ネオサイタマ・イン・フレイム:ダーク・ダスク・ダーカー・ドーン」は、復讐バトルものの最終戦として完成された文句なしの圧倒的クライマックスであり、ラオモトの悪の首領としての魅力が凝縮されているといえよう。
またラオモトの死後、ソウカイ・シンジケートに何が起こったかをソウカイニンジャの視点から知る上で、「ゲイシャ危機一髪」収録の「ライズ・オブ・アマクダリ」は外せない。貴方が熱心なソウカイマニアならば、第2部に突入していの一番に押さえておきたいエピソードといえよう。
ここまでの紹介で、ラオモト・カンの様々な魅力と、それら全てが共通して持つ何らかの要素についておぼろげに掴めてきたはずだ。それこそが、悪の組織のドンに対して我々が普遍的に抱く、何らかの重要なエッセンスなのかもしれない。続くNINJA FACTSでは、ラオモト・カンの悪の魅力についてさらに深く迫ろう!
◆NINJA FACTS◆
カネ! 権力! 女! その飽くなき欲望!
悪の帝王ラオモト・カンが好むのは、カネ、権力、そして女だ。この3つはまさに、裏社会の首領にとっての3種の神器と言っても過言ではないだろう。彼はネコソギ・ファンド社主としてすでに莫大な富を得ていながら、さらなるカネと権力をとことんまで追求し、金髪オイラン美女を何人もはべらせて最高級のスシを食い、また弱者が虫ケラのごとく踏みにじられる姿を見るのを何よりも好むのである。
「見せてみよ、その玩具の働きを。せいぜいワシを楽しませてくれ」ラオモトはモニタを見ずにぞんざいに言った。そして玉座脇のちょうどよい高さに置かれた重箱に満載されたオーガニック・スシをつまんだ。脂したたるようなトロマグロ・スシである。彼は一度に二つ食べた。 37
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2011, 11月 6トロマグロ・スシを一度に二つも! ラオトモの有する富、権力、そしてあくなき欲望と傲慢さがわずかワンツイートに凝縮された、衝撃のシーンだ。
怒る時は突然怒る。
そしてまたラオモトは頻繁に感情を表に出し、世俗的な人間味にも溢れている。下々の者(営業や部下のニンジャ)ともフランクに会話し、自分に媚びへつらう者やアッパレな働きを見せる者に対しては、上機嫌で笑う。彼はカネ儲けが大好きだ。だが少しでも気にくわぬ事があると、彼の表情は一変する。突然、烈火のごとく怒り狂うのだ。
逆に言うならば、ラオモトは桁違いに強大なニンジャであるが、未だこれらの世俗的な要素から人間的な喜びを得られているという驚くべき事実も指摘しておきたい(ニンジャの中には人間性を失い、もはやこれらの世俗的な要素や行為から快楽や喜びを得られなくなった怪物の如き者も多数存在するのだ)。もちろんサンシタニンジャの多くは、こうした短絡的な欲望に魅了されやすい。そして無軌道な破滅へと突っ走る。しかしラオモトは違う。彼は強い。精神も肉体も桁違いに強いがために、サンシタニンジャが陥りがちな破滅を回避し、悪の帝王として君臨できたのである。そしてさらなる富と権力を追求するのだ。部下たちは、彼のように強くありたい、と考えるのだ。
結局のところ「強い」という単純明快な要素が、悪の首領と切っても切れない魅力のひとつなのだろう。ラオモトの存在は、単純明快な暴力というものが持つ抗いがたい魅力を我々に提示していると言える。それは人間性のありかを問う上での、永遠のテーマのひとつなのかもしれない。
ヒサツ・ワザ「カラテミサイル」を射出せんとするラオモト。ナラクの力を解放したニンジャスレイヤーを前にしても、彼は一歩も退かぬ。とにかく強いのだ。
理不尽なトップが部下のやる気を刺激する?
もしあなたがこのようなボスの下で働く部下、あるいはビジネス商談を持ちかける営業だったとしたら、どのように振る舞いたいと思うだろう? 最初は、ラオモトをとにかく怒らせないように振舞おうとするだろう。しかし時折ラオモトが見せる豪快な笑いや、気まぐれのようにすら思えるボーナス支給を受けたりすると、もっとこの男のために尽くしたいと思うようになってくるはずだ。完全にヤクザの方法論である。
このようにラオモトは強大で、ワガママで、横暴で、理不尽だ。しばしば自分の気まぐれや趣味を反映した作戦を部下に実行させ、手痛い失敗さえもする(そしてたいてい部下の無能さを怒る)。だがこのような不完全さと理不尽さが、また彼の人間的な魅力にもなっているのだ。
暗黒街を治める強大な悪のカリスマとは、部下を震え上がらせ萎縮させるだけではいけない。そのような職場では、手下たちは本来の能力を発揮できないだろう。「ラオモト=サンは怖い」「だが自分もラオモト=サンに気に入られて成り上がりたい」「自分もラオモト=サンのようにカネや女や権力を手にしたい」と思わせてこそ本物であり、彼らに120%や200%の能力を発揮させることが可能なのだ。
無慈悲!
ラオモト・カンが残したもの
ラオモト・カンの息子、ラオモト・チバ
ラオモト家には、ラオモト・ヨルジやラオトモ・チバをはじめとして、家督を継ぐ権利を持つ腹違いの兄弟が7人存在する。ソウカイヤ崩壊後、熾烈な跡目争いを経て、ラオモト・チバだけが生き残り、ソウカイヤの正当な後継者としてアマクダリ総帥の座に着いた。ソウカイヤが滅びても、未だラオモト家のカリスマ性を信奉するニンジャは多い。彼らは小さき暴君ラオモト・チバに亡き父の面影を見、ラオモト家そのものへの忠誠心をあらたにし、全身全霊を尽くして邪悪なニンジャ行為をはたらくのである。
ラオモトイズムとでも呼ぶべき悪の親玉のストロングスタイルは、伝説的なソウカイヤ旗や「ムハハハハハハハ!」の豪快な笑い声と共に、彼の息子であるラオモト・チバへと受け継がれた。もちろんチバの置かれた状況やアマクダリ・セクトの組織構造は複雑であり、彼が体現しようとしている悪の帝王としての振る舞いは父親とは異なる部分もあるが、「ライズ・オブ・アマクダリ」のように、今後もチバの目を通してソウカイヤの過去について断片的に語られる可能性があるかもしれない。期待したい。
ニンジャとしてのラオモト・カンに残された謎
ラオモトには以下のような「未だ解明されていない謎」が存在し、古くからのニンジャヘッズやソウカイマニアの間で、しばしば神学的な議論の対象となっている。
- 彼はいつニンジャソウル憑依者となったのか?
- 彼はなぜチャドー呼吸を使えるのか?
- 彼はなぜドラゴン・ドージョーと敵対していたのか?
- 彼は本当にリアルニンジャなのか?
- 彼の野望の終着点はどこにあったのか?
これらの謎は、原作内では明示されることなく「ネオサイタマ炎上」編は終了してしまった。例えば彼は自らリアルニンジャ(デモリション・ニンジャ)を名乗っているが、どのようなプロセスを経てリアルニンジャとなったのか? ブケ・ニンジャのソウル憑依者となってから、さらにリアルニンジャとなったのだろうか? だとすれば、それぞれの出来事はいつ起こったのか? 「ニンジャを超えるニンジャとなる」と語っていた彼は、ネオサイタマ都知事の先にいかなる野望を見ていたのか?
答えはない。もちろん「最後の実子である」チバの年齢など、それらを解くための手がかりはいくつか存在しているのだが、明示されてはいない。これらの謎が解かれる日はこないのだろうか? 原作者二人のラオモト・カンへの思い入れは極めて強く、モーゼズ氏は以下のようなコメントを残している。
A23>モーゼズ「“何故彼はニンジャになったか”を常に念頭に置く。作品内で語られることは無くても、全てのニンジャにソウル憑依前のエピソードがある。生き死にのドラマを描くわけだから、そこはキッチリやりたい。一番好きなキャラ、ラオモト・カンについては、スピンオフを軽く1冊書ける位さ」
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2011, 4月 1もしかすると、第3部が完結して以降のどこかの時点で、ソウカイヤの過去やマルノウチ抗争などを題材としたスピンオフを読める可能性があるかもしれない。あるいは、そのようなスピンオフが公開されたとしても、上記の謎の答えのいくつかについては奥ゆかしく伏されたままなのかもしれない。どちらにせよ、ラオモト・カンという邪悪なニンジャの魅力が減じることは決してないだろう。
◆まとめそして未来へ◆
悪の帝王にして最強のソウカイニンジャ、ラオモト・カンの紹介記事はいかがだったでしょうか。最後に、悪の組織のドンに求められる3つの要素を改めてまとめておきましょう!
- 圧倒的な強さ
- 圧倒的な理不尽さ
- 七つのニンジャソウル
皆さんもぜひ参考にしてみてください! 今回はニンジャとしての側面を強く押し出しましたが、ラオモト・カンの悪の帝王としての魅力はそれだけに留まりません。次回(02)では、ネコソギ・ファンドCEOでもある邪悪なビジネスマンとしてのラオモト・カンの魅力を掘り下げ、サツバツタイム面接方式などを積極導入した彼のイノベーティブなビジネスマインドにスポットライトを当ててみたいと思います。お楽しみに!
(Tantou)