5年生編 第2回

 泡冷(その3) 伝説の松葉サイダーを飲む

 近所の自販機の前を通り過ぎようとして足が止まった。品揃えが変わったらしく、以前はなかったドクターペッパーが入っている。最後にこれを飲んだのがいつだったかも、どんな味だったかも忘れてしまっていたが「泡冷」の2文字が脳裏に浮かんで、思わず買ってしまった。

 とすれば、あれが要る。そう甲類焼酎である。コンビニまで歩いて行って小瓶を買った。ノンアルコールの泡冷はとにかく焼酎で割ってみるクセがある私にすれば当然の行為であった。

 焼酎の牛乳割り、野菜ジュース割りと何でも試した結果、とうの昔に「クセがない甲類焼酎は万物と和合する」という真理を発見済みである。無論、ドクターペッペー割りに何の問題もなく、ビールと同じアルコール度数5度程度に調定したそれを、ごくごくと飲んだのである。

 とここまで書いて、自分がなんの目的もなく書き始めたことに気づいた。この先の展開は考えていない。

 デスク、後は頼む。三林京子隊長誕生祝い大阪同人会のリポートを書いてくれ。

 え? いや? 何でよー。昨日もビールおごったじゃん。書いてよー。

デスク しようがないなー。じゃ、ちょっとだけね。

 会場となったのは、豊下製菓の豊下さんセレクトの下町のフランス料理屋「からほり亭」です。参加者は僕と豊下さんご夫妻、ケメコはうすの澤田さん、そして同人の岡崎さんでした。こぢんまりとかつ盛大に隊長、もとい教授の誕生日を祝うことになりました。

 ところが定刻の5時半になっても主役の姿が見えない。何度か豊下さんが携帯電話にかけてみるものの、コールバックがない…。「うむむ、どうしたことか」と僕が電話をかけてみたら、すぐに連絡がありました。

 「6時半じゃなかったの?」

 教授はどうやらメモし間違えたようです。しかも、豊下さんのかけていた電話番号も番号違い…、これじゃ捕まるはずないですよね。まっ、そんなこんなはありつつ、無事に会は始まりました。

 乾杯はアミー隊員からのプレゼント、シャンパンもといスパークリングワインです。教授にしっかりポーズをとってもらいました。

アミー隊員 教授!ポーズありがとうございます!!

 料理はホント美味しかったです。すいかの冷たいスープや鱧のオードブルなど、意外な食材を使いながらも、決して奇をてらうような味ではなく、素直に口に運べる料理ばかりでした。ワインもすすむすすむ。続けて夙川生さんからの白ワインも空けてしまいました。

 甘いものには逃亡癖のある僕ですが、デザートの「バースデーケーキ」がとても美味しかったです。もろにキャラメル味のババロアなんですが、安っぽさなんてみじんもない。キャラメルそのものの味がとても上品なケーキに仕上がっていました。教授なんて2人前を平らげてしまいました。

 その後、千日前にある教授行きつけのバーで2次会。ここでも、お酒がうまいのなんのって。「泡冷」だけに、なにか一般的でない炭酸ものをと頼んだところ出てきたのが、テキーラのソーダ割り。テキーラそのものも上物なんでしょうけど、レモンを搾って炭酸を注いで軽くステアしただけなのに、ものすごくさっぱりとテキーラ特有の個性の強さを抑えた味に仕上がっていました。

 グラスを片手に「B-1グランプリ」への熱い想いを語る教授。杯を重ねるごとに、声のボリュームは増し、目はかっと見開き、何とも熱い2次会になりました。結局店を出たのは午前2時過ぎ。いけずな京女さんとケロロ3世さんからのプレゼントは、教授が大事に持って帰りました。

 でも、いくらさっぱりとはいえ、飲みすぎのテキーラはさすがに翌朝に残りましたね。阿波座のホテルから梅田まで1時間ウォーキングの後、プールで2.5キロ泳いで酒を抜いてから、梅田駅地下の「松葉」で昼点滴し、東京に帰りました。

野瀬  残念ながら私は行けなかったが、行っていたら生きて帰れたかどうか…。

 さて本題。いただいたメールはノンアルコール泡冷が多数派だが、まずはこの方のこのメール。

ご意見 あまりの暑さに久慈良餅を食べたくなって飯田橋の『あおもり北彩観』へ寄り道。と…入り口付近の冷蔵コーナーに清冽な美を感じて近寄れば、弘前の地サイダー『朝日サイダー』でした。
 強烈に惹かれるものがあったので、久慈良餅と共にウチへ連れて帰りました。年季の入ったリターナブル瓶には『三ツ矢サイダー』のレリーフが。昔は今よりずーっとエコでしたよね。瓶返却は当たり前の習慣だったよなぁ。
 試せば甘過ぎずサッパリとキレのある味わい。もしや?と焼酎(甲)と合わせてみれば…これがなかなか! 日米開戦時に文豪・坂口安吾が魚屋さんの店先で飲んだ焼酎のサイダー割りもこんな感じだったのかなぁ…と、思わず遠い目。
 住んでるトコに地サイダーがあるって、何だか好いですね。(中林20系さん)


 甲類焼酎のサイダー割りは、真理に到達する過程で何十回も実験済みである。業務用食品スーパーに必ずある「神戸異人館」ブランドの缶入りサイダーが50円前後の価格で大変よい。「神戸異人館」ブランドの飲み物は缶コーヒーでもそうだが、ナショナルブランドの半額程度である。なぜ普通のスーパーに置かないのか不思議である。

 不思議なことに、このサイダーに関するメールが3通も届いた。偶然の一致?

ご意見 夢の泡冷といえば、レイ・ブラッドベリの『たんぽぽのお酒』ではないでしょうか。毎年夏になると新しいスニーカーが欲しくなるというイントロではじまる名作(なんとSF)です。
 たんぽぽのかすかな苦味と甘味の微発泡酒の中に過ぎ去った夏の思い出が詰まっています。飲みたいなあ、いまだ夢のお酒です。
 後は松葉サイダーかな。戦中派の人はみな手作りしてたようで、昔の家庭雑誌(「家の光」とか)に作り方がよく出ていました(リアルタイムで読んでたわけじゃありませんよ)。時折、懐かし系のお店や旅館で女将特製の松葉サイダー出すところがあったりしますよ。これは時々味わえるよね(てっぺいさん)


ご意見 松葉サイダーをご存知ですか。作り方は簡単。透明のビンに砂糖水(濃度適当)と洗った松葉をいれ日光に当てて作ります。松葉から泡が出てくるのが見えます。
 冷やしてから飲みますが、炭酸が強いわけではなく気の抜けたサイダーの味です(後藤さん)


 松葉サイダーは神戸異人館ブランドのラインナップに入っていない。が、買うことはできる。

ご意見「伝説のサイダー」とも言える松葉サイダー。 酒ビンに松葉と砂糖水を入れ、日光に当てると発酵してガスが発生し、松葉の香りが爽やかな飲み物になります。 昔は日本各地の山村で作られていたそうですが、いま手作りされているところはあるのでしょうか?
 私が知る限り商品化されているのはこれだけです。「日本山麓伝承 里の知恵が育む炭酸飲料水」 なかなか風格あるキャッチフレーズでしょ?  昔、舶来品のサイダーが貴重品だった時代に考案されたといわれていますが、先人の知恵はたいしたものだと思わせる「泡冷」です。ちなみにジンとライム果汁で割るとナイスなカクテルになります(いけずな京女45歳さん)


 松の葉の光合成を利用したものだろうか。とすると普通のサイダーが二酸化炭素で泡立つのとは違って酸素の泡を含むということになりはしないか。「酸素飲料」ならいま流行りのものである。

 松葉サイダーを飲んでみたくなった。我が家の近くに松の木はあったかな。あれば作ってみたい。同人の皆さんも作ってみませんか? 

 う? 頭の中で「あみん」のこんな歌が…。

 わたしまーつーば、いつまでも、まーつーば…はい座布団持ってって。

デスク NHKテレビに「あみん」出てますよ。ファンに怒られますよ。

 サイダー事始。

ご意見 ビール・シャンパン類の話題よりサイダー・ソーダ類の話題の方が盛り上がっております。私同様に酒の苦手な下戸同盟の活躍に違いありません。これはまさに野瀬さんへの「下戸苦情」なのです…ぴゅー~~~夏なのに木枯らしが。
 さて、サイダーといえば有馬温泉が日本での発祥の地です。元々は炭酸温泉を瓶詰めしたのがサイダーの起源。炭酸温泉で粉を解いた炭酸せんべいも生まれています。
 さっそく有馬温泉へ行ってきました。そこで有馬名物「ありまサイダー」をゲット! 在庫も豊富ですので「店頭にありまセンダー」などということはありません…ぴゅー~~~夏なのに木枯らしが。地球温暖化を防げそうです。
 写真に大阪のラムネの写真を泡せておりますが、ハタ鉱泉とあります。ありまソーダは神戸鉱泉所、先日の尾道製品は後藤鉱泉所…鉱泉…やはり炭酸温泉が起源のようです(大阪の原さん)


「下戸苦情」は「下克上」にうまくかかって大変良い。偶然かもしれないが「有馬」と「などということはありません」の「ありま」がかかって少し良い。

 私なら「などということは有馬温泉」と書くが、間違いなくデスクに座布団を持っていかれるであろう。

デスク、あまりの突風に吹き飛ばされる あ~れ~…。

 追いかける謎の隊員梵ちゃん まーつーばワン!

ご意見 なぜビール会社がサイダーなる 日本発の泡冷を製造し始めたかご存知ですか。あのサイダーなるものは、ご存知の方々もおいでと思いますがビール製造のバイプロダクツが出発です。
 ビールの醗酵で発生する炭酸ガス(CO2)を砂糖水にカボネーターという炭酸ガスを混合する装置で入れたものです。ですから以前はビール会社しか販売していなかったのです(沼さん)


 三つ矢サイダーの発売は1904(明治37)年。その前年に横浜の秋元巳之助が手がけた金線サイダーが日本で初めて本格的に販売されたものという。

 資生堂のソーダー水の販売開始は1901年で、明治屋の「衛生飲料布引鉱泉水」は1903年に出ている。

 明治期の日本人は欧米からの冷蔵技術の導入で冷たい飲み物に初めて目覚め、懸命に国産化の努力を続けていた。その象徴がサイダーであった。

 いただきものをした。皆さんにもおすそ分け。ただし見るだけね。

ご意見 愛知県豊田市の保見団地は、日系ブラジル人の集住地として有名です。現在、入居者中に日系人が占める割合は65%とも70%とも言われます。
 団地の中には、ブラジル商品の小さいスーパー(Amigos)があるほか、以前は電鉄系スーパーがあったのですが、後者が撤退してしまい、そのあとに日系人が日本で興し、日系人向けに大規模に展開しているスーパー(Fox Mart)が入って1年ほどになります。
 このスーパーの店内は、日本のお店とブラジルのお店が混じり合ったような様相を呈していて面白いです。ここにガラナの飲み物があります。ブラジルではとても一般的なものだそうですね。
 缶飲料の売り場には、輸入品・国産品合わせて4種類のブランドが。よくわかりませんが、ぜんぶ買ってみました。ついでにインカコーラというまっ黄色のコーラ(アメリカ製)、それにブラジルのビールも。これら計6缶は写真をお送りする代わりに現物を送りました(日野みどりさん)


 ということで日野さんから贈っていただいた物件が、このように無事到着したのである。

 うらやましい?

 黄色いインカコーラはかつて当サイトで三林隊長が紹介されていたと記憶している。これで甲類焼酎を割ってみることにしよう。

 日野さん、ありがとうごぜえやすだ。

 アメリカだぜ。

ご意見 ノンアルコールの泡冷もあまり飲まないのですが、これだけは書かなければ! と思いました。「メントス」と「ダイエット・コーク」の競演でございます。
 炭酸水にメントスのタブレットを入れるだけで噴水が!
 ある科学番組によるとダイエットの方に入っている原料がより普通のコーラよりもメントスとの反応を過激にするそうです。またダイエットだとお砂糖が入っていないので、コーラの噴水を浴びてもベトベトしにくいそうです。
 最近の米国泡冷市場は自然派とカフェイン過激派に分かれているようです。自然派はジュースに炭酸を含ませたものでお洒落またはレトロなパッケージが多いでしょうか。
 反対の過激派はカフェインを多量に入れてダイエット効果や目覚まし効果を謳っています。若者層が狙いのようですが、コーラよりカフェインが多いマウンテン・デューはオタクの定番飲料としても知られています。中には緑茶の炭酸飲料にカフェインを普通のコカ・コーラの3倍ほど入れ、緑茶の自然なイメージとカフェインのメタボ効果両方をマーケティングするものもあります(足の遅いジョンソンさん)


さくらもちフレーバー(電脳文化桃さん提供)

 デスクを若い女性の前に出すと、すごく反応する。汗の噴水現象も見られる。昨夜も大々的に観察できた。女性がメントスでデスクがコーラである。

デスク大量発汗 (ぶっしゅぅー!)

アミー隊員 冷やせば「泡冷デスク」。どんな味?

 あの歴史的失恋から幾星霜。頑張れよー。

デスクはてな 歴史的失恋って、どれ? あれ? それ?

ご意見 春に旅先の札幌の100円ショップで、さくらもちフレーバーなるサイダーを見つけましたので、画像をおくります。ムラサキイモ色素で桃色です(電脳文化桃さん)


 甲類焼酎との混和に躊躇する私である。早くも真理の一角が揺らぎ始めた。

 ビール。

ご意見 以前、東京・八重洲方面でビール注ぎの名人から20年ミッチリ鍛えられた。その頭の薄いおじいさんはグラス(ジョッキはない)に注いだビールを「おビールー」と呼んでいた。
 ちなみに銀座の老舗ビアホールでは生大、生中だそうです(てかさん)


 コヒー・コラー問題に続いて、おビールー問題が浮上した。私はビールの前に「お」がついただけで、カウンターの向こうの着物の女性と高い勘定書きが浮かんで体に悪いような気がする。

 ただ「おビールー」の店は恐らく、あのビール注ぎの泰斗健在のころのNコロンビア。一度だけ行ったことがある。名店であった。

 私は調子がいいときには飲み屋で「お酒ください。洗面器で」と言って従業員の心胆を寒からしめているが、これにはかなわない。

ご意見 私はビール大好きで、居酒屋ではまず2杯注文し1杯目を一気に飲み干してしまってから、2杯目におもむろに口をつけるという楽しみ方をしています。
 ビールのジョッキが小さくなったというご意見には大賛成で、本当の大ジョッキを探す旅を続けております。さて、大ジョッキ探索の旅を続けておられるご同輩の皆様に、朗報を発見しました。それはピッチャー飲みです。
(ハンカチ王子とか、トルネードとか、大輔君とかボケがたくさん入った後)
 そう、多人数でシェアするためのピッチャーです。先日会社の飲み会で、勢いで頼んでしまったピッチャー。店の人にグラスの数を聞かれて「いりません」と答えて怪訝な顔をされたピッチャー。遠くの席では「ノリ」が分からないので不思議そうに見られたピッチャー。ピッチャー、ピッチャー、ピッチャー…。
 でもこれが結構いいのです。飲んでも飲んでもなくならない幸福感。両手で持つずしっとした重量感。冷めるかと思っていたら、2重構造になっていて意外と冷たいままなのもグッド。難点は周囲の人の冷たい視線のみ。
 思わず2時間ほどの宴会の間にお代りしてしまいました(大阪の素(おっさん)さん)


 ピッヤー飲み。走塁ことも球にはいいか。いややっぱりあまり三振できない。肝臓がアウト!

デスク深いため息 はぁーーーー。

 そういうことなので今週は終わり。次回はVOTEに入る。生大か大生か。引き続き、世間の役に立たない問題に取り組んでいきたい。

(特別編集委員 野瀬泰申)