こんにちは、恋司です。





今日はある読者の方から質問を頂いたので、
自分なりの見解を綴ってみたいと思います。












1.湯もみって?



簡潔に言うと、グラブを湯に浸けて柔らかくし、
その上で型をつける事。

但し、湯に浸ける前の下準備が非常に重要で、
「湯に浸ければ良い!」と言う事では決してない。

また、革質や仕上がりによって湯の温度や浸ける時間などを変えていき、
グラブに適した加工を施す事で初めて「湯もみ」と呼べる。






2.湯もみのメリットは?




通常の型付けでは新品状態の硬く閉じることさえままならないグラブを
力を加えて型付けをしていく。

そうすると、硬い上に手の形に成形された革は「折る」「曲げる」等の力が加わると
力を吸収しきれず、どこかしらへ逃げようとする。
それを強引に続けると、捕球面にいわゆる「へそが出た」状態となり、
捕球に影響を及ぼす事になる。


しかし「革」は温める事で柔軟性を得る事ができる。
更に水分で締まった革が柔らかくなる。
その状態を強制的に作り、型付けを施すことで
へそを出すことなく、また必要以上に革にストレスを与えることなく作業できる。


以上の理由から、ごく一般的な

「ボールを挟んで紐で縛る」、
「手で揉み解し、スナップボールで型を作る」

などより遥かに多様な型付けが可能となるのである。



また手揉みなどの型付けの場合、実戦投入までには
かなりの期間が必要となるが、湯もみの場合は1週間程度で
実戦可能なグラブに仕上げる事ができる。

故にチーム事情や高校野球などのハードスケジュールにも
柔軟に対応でき、急を要するニーズにも対応しやすくなっている。






3.デメリットはないの?




一般的には「革製品に水は厳禁!」が常識である。
しかし例外もあり、革製品を磨く際、ごく少量の水を塗布する事で
艶が増す事は余り知られていない。

が、湯もみはごく少量どころか、湯に浸ける。
当然不安もある。

「買ったばかりで一度も使っていないのにパァ」

誰もが一番不安に思うことだろう。


しかし、正しい知識と確かな技術で施された湯もみであれば
革の劣化を感じる事無く使用できる。

確かに少しのシミやカラーグラブであれば色移りもあるかもしれない。
けれどそれらのデメリットは最小限に留めるのがプロであり、匠の技なのである。


有名選手の記念グラブであれば、綺麗に飾っておくのもいいだろう。
しかし、湯もみに求められているのは「実戦」であり、
更には「実戦でエラーを減らしたい」、「もっと良いプレーがしたい」
が故におこなう加工であることから、
万が一、少しのシミや僅かな色移り、滲みができたとしても
それを補って余りあるパフォーマンスが得られる事と思う。




4.どこで頼めばいいの?



元々、湯もみは久保田スラッガー福岡支店の江頭氏が発案したものとされる。
故に全国で評価を得ているショップ等も江頭氏の弟子の方が多い。

その中で一つを選ぶ事は地理的な理由やそれぞれの独自の型付け、
果ては納期の絡み等から、非常に難しい。

けれど共通して言える事は、可能であればショップに足を運ぶ事。

じかに触れ、匠に話を伺い、その上で納得できたら依頼、
若しくは購入が良いだろう。


それが無理な時はどうすればいいか・・・






※ここからは私個人の見解なので、
 特定のショップの誹謗中傷ではない事を先に断っておく。






先に述べた様に、「湯もみの祖」は間違いなく江頭氏。
そしてそのお弟子さん達が全国で活躍されている事も事実。


しかし、中には「江頭流」、「江頭式」などと偽って商売されている店もある。

この様な店に多く見られる傾向としては、
・「江頭氏」のワードを必要以上に誇大広告する店。
・またそれを謳う割りに「江頭氏」との接点が見て取れない。(ショップブログなど)
・湯もみの工程を詳しく紹介しない、又は他店の画像などの使いまわし。


個人的にはこれらが見受けられるショップは控えた方が無難と思っている。




逆に「江頭氏」を謳わずとも、正直に独自の湯もみである事を公表したり、
「良いと思えれば使ってみてください」と言う必要以上の売込みがない店は
こだわりがある店の場合が多い気がする。




再度書くが、あくまで個人的な意見であり、参考程度で留めてほしい。













私自身も「趣味」の範疇で湯もみはやります。

チームメイト等からは依頼される事もあります。

商売ではないので最低限度の必要経費と手間賃でやります。



ですが、喜んでくれる人は多いです。

もしかすると、「本家湯もみ」を経験すると、

「お前のは湯もみじゃねぇ!」

の声が上がるかもしれません。


けれど大概、私が湯もみしたグラブを触り、はめて確かめた上で
依頼される事が多いので、今の所苦情は頂いておりません。


とすれば、今のところは私も湯もみができていることになり、
あえて言うなら「恋司流」と言ってもいいかも知れません。

しかし、まねごとで、しかも「趣味」の私ですら何件もショップを回り、
匠と仲良くなり、話を聞いたり作業を見せて頂くなどの勉強はしました。

そして理解ある友人やチームメイトの協力で何個も何個も湯もみをさせてもらい、
自分でも何個もグラブを買っては試行錯誤して行っています。



なので、冒頭で述べた様に「湯に浸ければ誰でも出来る」訳ではなく、
やはりしっかりとしたショップ、匠と出会うことこそが、
湯もみで成功する一番の近道かもしれませんね。







紙幅をかなりとりましたが、活字に起こすのは中々に難しく、
伝えきれない事もまだまだあります。

しかし、拙いながらも湯もみで悩むあなたの一助になれれば幸いです。

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