ひとこと回答

沐浴前に新生児の全身状態を把握し、沐浴しても大丈夫な状態かどうかを看護師として見極めることが大切です。沐浴は新生児の体力を消耗するため、無理はしないようにしましょう。また沐浴中は、看護師にとって新生児の全身を観察できるチャンスです。皮膚の赤みや湿疹などの皮膚トラブルの有無を早期に発見できるよう注意して観察、また皮膚が密着している部分はトラブルを起こしやすいため、洗い忘れのないように気をつけましょう。


詳しく説明すると

新生児は新陳代謝が盛んで、発汗量は成人に比べて約2倍にもなります。便や尿で皮膚が汚れやすくデリケートでもあるため、身体を清潔に保つことが必要です。また、沐浴することで血行を促進させ全身の新陳代謝を促し、哺乳力を高めることもできます。さらに全身の観察をすることができ、看護師にとっては新生児とのスキンシップを図れる絶好の機会です。

沐浴前に行う新生児の観察について


まず、沐浴を行う前に体温を測り、全身状態を観察し、沐浴ができる状態であるかどうかを判断します。授乳後1時間は、嘔吐の危険性があるため避けましょう。沐浴ができる状態であれば、沐浴の準備を開始します。赤ちゃんの準備、必要物品の用意、沐浴を行う看護師自身の心の準備も整えましょう。

また、新生児は体温調節が未熟なため、部屋の環境を整えることも大切です。沐浴を行う部屋の室温は24~26度が適していると言われています。冬場は裸になる場所と沐浴を行う場所の室温差がないように看護師側は注意が必要です。

新生児の沐浴を実施するための準備(必要物品)について


沐浴の必要物品ですが、ベビーバス・かけ湯用の洗面器・石鹸またはベビーソープ(肌に優しい低刺激な物/泡で出るポンプ式の物がおすすめ)・バスタオル・ガーゼ(体にかける用と、顔や体を洗う用の2枚を用意)・お湯の温度を測るための温度計・オムツ・前開きの服を準備します。

また沐浴が終わった後にすぐに服を着せてあげられるように、バスタオル・オムツ・洋服を事前に広げておきましょう。下から、服・オムツ・バスタオルの順に重ねておくとスムーズに湯上げすることができます。

沐浴を行う看護師は、新生児の肌を傷つけないようにアクセサリーなどは外しておきましょう。沐浴を始める前に、お湯の温度を確認。”人肌より少しぬるめ”を目安に温度を調整します。季節によりますが、38~40度が適温です。そして、洗面器にかけ湯用のお湯も準備しておきます。かけ湯は最後に行うので、冷めても大丈夫なように少し熱めにしておくとよいでしょう。

新生児の沐浴の流れ、観察・看護ポイントについて


準備が整ったら沐浴を始めます。服を脱がせてガーゼを体にかけ、新生児を抱きかかえます。親指と他の指4本で耳の下あたりを支え、もう片方の手で足の付け根あたりを持ちます。足のほうからゆっくりとお湯に入れていき、首の下まで入れます。その後、お湯で濡らしたガーゼを絞り、まずは目頭から目尻にかけて拭きます。沐浴中に、新生児の皮膚にトラブルが起きてないかどうかをチェックするように心がけることも大切です。

その後、泡で優しく顔を洗い、濡らしたガーゼで泡を拭き取ります。次は頭です。顔にお湯がかからないように頭皮を濡らし、泡で優しくシャンプーします。洗い終わったら、濡らしたガーゼで泡を落とします。次は、首・胸・脇の下・手・腕・お腹・足の順に洗っていきます。首や脇などの皮膚が密着している部分は汚れが溜まりやすいので、伸ばして洗うようにしましょう。手足のくびれた部分にも汚れが溜まりますので、指を滑らせるようにして洗ってあげます。

また、新生児はギュッと手を握っていることがほとんどで洗いにくいのですが、小指側から親指を滑らせるように入れて開かせて、手のひらの汚れもしっかりと洗い落とします。お腹を洗う時は、へその緒がありますので、おへそをこすらないように注意しましょう。次は、新生児を反対向きに変えます。脇をしっかりと支え、新生児の顎を腕に乗せてください。その状態で、背中を洗います。首の後ろの皮膚の密着部分も忘れないように洗います。

洗い終わったら、もう一度最初の体制に戻し、お尻・性器を親指の腹で優しく洗います。最後に首から下をお湯につけて、少し温めてあげます。ベビーバスから出る前に、洗面器に溜めておいた綺麗なお湯を、ゆっくりと頭や体にかけて、泡が残らないように洗い流します。

沐浴後の看護ポイントについて


沐浴が終了したら、広げておいたバスタオルの上に新生児を寝かせ、体を包みます。タオルの上からそっとおさえるようにして拭きあげるのがポイントです。拭き終わったらバスタオルを外し、服とオムツを重ねた上に寝かせ、順に着せます。

洋服の前開きを締める前に、おへその処置をしておきましょう。綿棒に消毒用エタノールを含ませて、へその緒の付け根を優しく擦るようにして消毒。その後、衣服を整えます。髪の毛は、毛の柔らかいブラシで軽くとかします。そして最後に、水分補給として母乳・ミルクを与えましょう。

おわりに

新生児にとっても家族にとっても沐浴は大変なことですが、新生児が健康に過ごすためにとても大切です。また、看護師にとっては新生児とのコミュニケーションを図る基調な時間でもあります。看護師側が優しく声をかけながら沐浴を行うと、小さな体で嬉しい気持ちを表現してくれることでしょう。沐浴を行う期間は新生児の時期だけですので、楽しい沐浴時間にしましょう。