▽▲▽▲意味がなくなった名義借クリニック▲▽▲▽
【虚偽行為そのものにメス入る】
愛知県警は6月23日に中京病院の形成外科部長浅井医師、仲介を
行ったとされる医療ブローカーの張間を医師法違反の疑いで逮捕。
医師法違反で逮捕済みの同マリークリニック岡崎院鈴木オーナーも
拘留明けの再逮捕となりました
容疑は偽装クリニックの共同正犯。12年4月19日から13年6月30日
の約1年2ヵ月間、岡崎市に届け出ていたマリークリニックの開設管理
医師は他病院の勤務医であり管理実態が無く、マリークリニックを
実質支配する鈴木オーナーが医療法で義務付けられた岡崎市長の
許可なく医業を営んだとされたのです
医療法では診療所を開設する際、医師の資格がある人による首長
への届出が必要。県警の調べでは、浅井医師は鈴木オーナーから
「名義上の開設者・管理者医師を紹介してほしい」と頼まれた。同医師
はコンサルタントを名乗って診療所などに医師や看護師をあっせんす
ることを生業にしている張間ブローカーを通じて名義意思を用意した
とみられ、鈴木オーナーから浅井医師は毎月約25万円、張間ブロー
カーは毎月約7.500円の報酬を受取っていたようです
浅井医師は名古屋大医学部を卒業し04年から現職。熱湯専門の
名医としてTVで取り上げられたこともあり、逮捕は驚きを呼んだよう
です。県警は浅井医師が医療ブローカー等と組み、マリークリニック
以外にも複数の名義貸し医を紹介していた可能性があるとみており
それらに対しても医療法違反容疑での立件を検討するようです
【医師法違反対策から始まった名義借】
10年ほど前からエステでは不定期に美容外科や形成外科の医師
が往診の上で軽微な手術を行うプチ整形メニューが登場し話題に
なったものですが、こうしたきっかけでエステ経営者がクリニック経営
に進出することも増えたのです。当初は浅井医師が同院に往診した
ところから関係ができたといい、まさにこのパターンです。
エステがクリニック経営をする最も重要なポイントは違法とされか
ねない光脱毛対策と言う点にありました。光脱毛は顧客の健康被害
等が起きた場合には医師法違反を免れることが難しいことから、
医師に謝礼を払い名義を借りてでもクリニックを開業する意義が大き
かったのです
12年に光脱毛で医師法違反逮捕された山形のエステ会社の荒井
社長の場合も併設したブロッサム美容皮膚クリニックを名義を借りて
開業。しかし医師法違反容疑での取締時に実態が発覚。名義を
貸した千葉市内の総合病院で総合診療科部長を務めていた篠崎
医師も医療法違反で逮捕されたことは本誌既報のとおりです
【医師特恵には手をつけなかった行政】
実は行政から名義貸し防止について本腰を入れて動くことは
なかったので医師の名義貸し事案は大昔から横行してきました。
93年に厚生省が診療所の開設許可権をもつ都道府県知事に
通知し「許可時において十分な審査と適切な指導を行うこと」で
未然に防止する旨を伝えましたが、むろん努力義務だけでは
徹底されるはずもなくザル通知となったのです
マリークリニック岡崎院の場合05年6月以降、廃止~開設を5度も
繰り返す振り返れば明確な確信犯。しかし所管する岡崎市保健所は
開設届けが出るたび検査に入るも偽造は見抜けず。愛知県医務国保
課は「見破るには違反の現場を押さえる必要があるが限られた人員
では不可能」とサジを投げる体たらく。
医療界に詳しい見解としては「そもそも医師であることの特恵は、
正規の診療報酬が約束される他、診療に伴う謝礼・紹介口利き代・
講演代・原稿料・相談料・顧問料・監修料・推薦料など、正規以外の
様々な名目の報酬機会に恵まれることにある。彼らにはこれこそが
医師ならでは享受できる事実上の利権と考えられていて名義貸しも
その特恵の1つに過ぎないと認識されている。行政も防止策を講じない
し、いくらマスコミが医師のモラルだゆゆしき問題だと批判、糾弾した
ところでこれら医師の既得権益を奪うのは簡単ではない」との意見が
あります
【医師の指示監督はない医業は違法】
名義貸しが果たして医師特恵なのかどうかはさておき、先月既報の
同じ愛知県警によるTクリニック逮捕事件を思い出して下さい。
同取締ポイントは「医業の中で看護師などに委ねる補助医行為には
医師の指示監督が必要」という最先端の行政による法運用の基準が
明確になった要件でした。つまりは名義用クリニックなど、はなから
医師の指示監督が得られないのですから最新の法運用からすれば
完全にアウトです
医療をめぐる法規制は年々厳しさを増すばかりです。エステの光
脱毛対策としては力を発揮できた名義借クリニック経営も、今やその
努力は地に落ちたとしかいいようがありません。医師法・薬機法・
景表法・医療法に補助三法。エステを取り巻く法律に対する理論武装
は最重要懸案となっています。エステ業界はこれまでの対処法で
右往左往しても意味がなくなってきました。必要なのはこれらの法律を
甘く見ず徹底的に研究すること。その上で全く新たな、できれば正面
突破の方法を見つけること。これこそが今、喫緊の課題として業界に
問われています
(BELLEZZa抜粋)