ニキビ跡が目立つのは”炎症性色素沈着”が原因?

傷やニキビが出来ると気になるのが、治った後もシミが残ってしまうのではないかということではないでしょうか。傷やニキビができてしまったこともショックなのに、治った後も黒くシミができてしまって悲しい思いをした人もたくさんいるかもしれません。そもそも、どうしてニキビや傷が出来ると肌は黒くなるのでしょうか。

傷やニキビの跡が黒くなる理由

傷やニキビの跡を黒くしているのは、メラニンという色素です。メラニンと聞くと日焼けで黒くなる時にできる物質のように思えますが、紫外線だけに生成される物質ではなく、炎症ができた場合にも生成されます。

メラニンは、メラノサイトという細胞で作られています。メラノサイトは、様々な種類の刺激によってメラニンを作ります。炎症が起こった場合、炎症のダメージを回復するために身体は新しい細胞を作ろうとします。肌の細胞は、肌の表皮の一番下、基底層で作られますが、メラノサイトという細胞もその基底層に存在します。細胞を作ろうとする働きが活発になると、メラノサイトもあわせて刺激を受け活性化し、メラニンを過剰に生成します。過剰に生成されたメラニンは肌に沈着してしまい、その部分だけ黒く残ってしまうのです。

炎症性色素沈着とは

傷やニキビ、肌荒れなど皮膚が炎症を起こし、その後発生する色素沈着を「炎症性色素沈着」と呼んでいます。褐色から黒褐色のもので、シミというよりも傷に近い状態であったり、外傷の度合いによって沈着具合は異なります。

基本的には、軽いものは数ヶ月で消えてしまいます。重度のものでは数年かかることもありますが、基本的には自然に消えることが多いのも「炎症性色素沈着」の特徴です。

ただし、慢性的に同じ場所に傷やニキビができてしまうと、沈着したものがうまく排出できず徐々に蓄積し、消えにくくなってしまうこともあります。

何よりもターンオーバーが大切

肌の色素沈着が時とともに消えるというのは、肌のターンオーバーが大きく関係しています。ターンオーバーとは、肌が生まれ変わる一連のサイクルを指します。

身体の表面は、約0.2mm程度の膜で覆われています。これが表皮で、その下にコラーゲンなどの繊維状のタンパク質を含む真皮、その下に皮下脂肪があります。表皮は主に4層に分かれており、一番したの基底層で細胞が作られ、有棘層、顆粒層と形を変えながら肌表面へ押し上げられ、角質層まで行くと細胞は死んで、最後は垢としてはがれ落ちます。このサイクルがターンオーバーです。

周期は、だいたい28~56日程度と言われています。ターンオーバーが正常であれば、炎症によって作られたメラニンも1ヶ月〜2ヶ月程度で不要な角質と一緒にはがれ落ちることになります。

つまり、ターンオーバーが正常に行われていれば、炎症で沈着してしまった肌も元の色に戻るということです。

ターンオーバーを正常化するためには

ターンオーバーを正常にするためには、生活習慣を整えることがとても大切です。睡眠不足やストレスは、ターンオーバーのリズムを崩すだけでなく、活性酸素を発生させメラニンを余計に生成させてしまうことにもなります。

血行不良や栄養不足にも注意が必要です。スムーズに新しい細胞を作るためには酸素や栄養素が必要です。血行が悪くなってしまうとスムーズに酸素や栄養素が運ばれなくなり、細胞が作られるのが遅くなってしまいます。また運ばれる栄養素が不足していても細胞はスムーズに作られなくなります。細胞がスムーズに作られないということは、ターンオーバーのリズムも乱れてしまうということです。

また、夜寝る前に化粧をきちんと落とすことも重要です。汚れが残っている状態はターンオーバーの邪魔になります。注意したいのは、汚れを落としたいからといって、肌をごしごしこするということです。肌は敏感で、ちょっとした刺激でも炎症と判断することがあります。汚れを落としターンオーバーを整えようとしたことが、かえって炎症と判断されメラニンを余分に生成することもあります。肌へのアプローチは優しくすることが大切です。

頑固な「炎症性色素沈着」には

基本的にはターンオーバーで消えてしまう「炎症性色素沈着」ですが、慢性的に同じ場所にできてしまったりして、なかなか消えなくなってしまったものもあるかもしれません。そういった場合は、美白化粧品を利用したり、ケミカルピーリングを行うのも効果的です。

美白化粧品では、ビタミンC誘導体やハイドロキノンなどの美白成分が含まれるものを使用し、あわせてビタミンCやトラネキサム酸などを服用すると効果的です。

ケミカルピーリングとは、フルーツ酸(AHA)やグリコール酸を使って古い角質を取り除く方法です。ターンオーバーでうまく排出できず溜まってしまった角質があるようであればケミカルピーリングも効果的です、ただし、肌への刺激となり状況によっては色素沈着が悪化することもあるので注意が必要です。基本的には専門家に診断してもらい施術してもらうのがいいでしょう。

どうしても消えないシミとなってしまった場合であれば、レーザー治療が効果的な場合もあります。ただし、炎症後すぐにレーザー治療をすると悪化することもあります。基本的には通常のシミよりも消えやすいのが「炎症性色素沈着」なので、すぐにレーザー治療を受けるのではなく、肌のサイクルを考えながら美白化粧品などの使用で様子をみる方がいいかもしれません。