【Q&A】痒みと脱保湿について(2)

今日は、昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

昨日は「乾燥による肌の機能的な要因」とは、なんぞや、ということについて書いたのじゃが、今日は「質問です」さんの状態で、どうすれば良いのかについて考えてみたい。
質問にあった、

 
以下個人的な状況についてですが、現在受験を前に 1ヶ月半前から額、頬にアトピーが出てき、薄く赤くなったり褐色になったりするところがあり、ザラザラが治まりません。(数年前 大学受験を機に1年間アトピーが出たことがありましたが その時とは少し状態が違うようです。
脂がでやすくニキビケアのためここ2年以上ガッツリ手厚い保湿をしてきたからなのも一因なのかなと思っています。今は保湿しなければ余分に脂がでるどころかカサカサします。
このような状況でも 痒みが全くなければ 脱保湿も有用なのでしょうか?
ここ数日は 脱保湿・とくにガサガサアトピーがでているとこは保湿を1日ごとにしています。

 
という部分を見ると、今の状況は、もしかするとアトピー性皮膚炎ではない可能性もあるのではないかの。
詳しくは、皮膚を所見しないと分からんが、アトピー性皮膚炎の特徴は、炎症部位(症状が出ている部位)は、断続的にでも痒みが生じることになる。

今、症状が出ている顔の部位についてじゃが、

・変色(赤い、褐色など)して表面がザラザラした限局した部位がある
・極度の痒みが生じているわけではない

という二つで良いかの?

この場合には、アトピー性皮膚炎以外でも、「乾癬」の可能性も考えた方が良いかもしれんの。
このような状態でアトピー性皮膚炎の場合には、繰り返し掻くことになるため、表面がザラザラした状態を維持するのではなく、掻いて傷を作ってジュクジュクした炎症を伴ったり、その後、皮膚が乾いて乾燥状態になったり、というのを交互に繰り返すことの方が多いものじゃ。

そのザラザラした状態が蝋片現象(発疹の表面が、ロウが剥がれるように剥げる現象)ならば、尋常性乾癬などの可能性も検討した方が良いかもしれん。
いずれにしろ、今の状況が、どのような原因から生み出されているのか(アトピー性皮膚炎なのか、それ以外の疾患が原因なのか、あるいは病気ではなく単なる皮膚の器質的な要因なのか、など)については、一度、専門の皮膚科医に診断してもらった方が良いじゃろう。

で、今の状態において脱保湿が有用かどうかじゃが、原因が特定されなければ、なかなか判断は難しい所じゃ。

もし、アトピー性皮膚炎ということならば、痒みを伴っていなければ、脱保湿そのものを行うことは今の状態では大きなデメリットはないと思われる。
じゃが、皮膚表面がざらついている=皮膚のバリア機能も低下している、という状態じゃから、感染症には十分な注意が必要じゃろう。
できるならば、夜寝ているときなどは、無意識の掻き壊しを防ぐために、包帯、ガーゼなどによる保護は考えてみた方が良いかもしれん。
症状が出ている部位を考えると、包帯は難しそうじゃから、滅菌ガーゼなどによる保護かの。

なお、今の状態がアトピー性皮膚炎でない場合には、その原因ごとに合わせた対処が必要じゃろう。

また、今のところ、脱保湿、保湿を1日ごとに繰り返しておるようじゃが、皮膚の状態次第ではあるものの、その繰り返している状況は、どちらつかずの中途半端な状況と言えるかもしれんので注意が必要じゃ。

もし、脱保湿の考え方で行うのであれば、1日おきに保湿を行っていること自体が、脱保湿そのものを阻害してしまっておるし、スキンケアをしっかり行っていく、という考え方ならば、1日おきの脱保湿の際に保湿しないことによるダメージがあれば、不必要なダメージを受けていることにもなる。

今の状態で脱保湿が有用なのかどうかの結論を出すことは難しいが、いずれにしろ、自分が納得できる方法で治療を行うことは大切じゃから、いろいろと情報を集めて考えてみる方が良いじゃろうの。

結論としては、

・今の状態が、アトピー性皮膚炎なのかどうかの診断を病院で仰ぐこと。
・感染症や、ジュクジュクした炎症を伴っておらず、強い痒みもなく、さらに汗をしっかりかける状況ならば、脱保湿を行ってもリスクは少ないと思われる。
・保湿、脱保湿を1日ごとに繰り返すことによるメリットは、今の状況ではあまり想定ができない。

ということかの。
いずれにしろ、良いか悪いかは、その時々の状況によって判断していく方が良いとは思う。
「質問です」さんの、一早い回復を祈っておる。

 
おまけ★★★★博士のつぶやき

アトピー性皮膚炎の症状と、尋常性乾癬の症状は、似た部分もあるのじゃが、その体内的な原因は、異なる部分もある。
例えば、アトピー性皮膚炎の場合、リンパ球の働きはヘルパーT細胞Ⅱ型(IgEなど)と呼ばれる、アレルギーに関する免疫が強くなる、ということが言われておるが、尋常性乾癬の場合には、ヘルパーT細胞のⅠ型と呼ばれるウィルスなどの外敵に対する免疫が強くなる傾向があると言われておる。
免疫的要因で考えても、全く逆の要素が見受けられるので、アプローチの仕方は、アトピー性皮膚炎と尋常性乾癬では、違う方向も考えた方が良いじゃろう。
もちろん、生活面(食事や睡眠、運動、ストレスなど)の要因は共通しておることも多い。
じゃが、皮膚の症状を引き起こしている原因そのものは、異なるわけじゃから、それぞれに有用なアプローチを行うことは大切じゃな。