「得る」より「手放す」で楽になる
人生のダイエット
第2回
「得る」より「手放す」で楽になる
人生のダイエットに取り組んで、
頭の「ゴチャゴチャ」を
きれいに解消していくこのコラム。
そもそも、頭の中が常に、
「ゴチャゴチャ」
してしまうほど、
たくさんの悩みを抱えている人は、
なぜそんな苦しい状態に
おちいってしまったのでしょうか?
世の中には、
悩みを解決するための
あらゆる手段があふれ返っています。
にもかかわらず、
なぜそんなに苦しくなるまで
「ゴチャゴチャ」が
頭にたまってしまったのでしょうか?
それは、
人生のメタボリズム(新陳代謝)が
低下しているためです。
言いかえれば、
「人生の代謝不良」
をおこしてしまっている。
それが原因となって、
悩みがどんどんとたまっていき、
簡単には解消できない状態にまで
なってしまったのです。
「人生の代謝不良」を
おこしてしまったのには、主に、
二つの理由が考えられるでしょう。
一つ目は、
過去と未来のことばかり
気になってしまうから。
「人生の代謝不良」に
苦しんでいる人のほとんどが、
「今」目の前におきているできごとを
解決していくことがとっても苦手です。
気がつくと過去の悩みや、
将来への不安ばかりに
気をとられてしまっているため、
なかなか「今」のできごとに
集中できないのです。
私たちの人生には、
次から次へと新しい「今」が
立ち現われています。
にもかかわらず、
いつも過去と未来の問題に
振り回されていたら、
日々押しよせてくる「今」の問題が、
どんどん目詰まりをおこしてしまうのは
当然のことと言えるでしょう。
二つ目の理由は、
その目詰まりを解消しようとして、
「得よう、得よう」
とし過ぎてしまっていること。
それによって、
「肥満人生」
とも言える状態になっているのです。
たとえば、
頭の「ゴチャゴチャ」がピークをむかえると、
それを一気に解消するために、
おいしいお酒や食べ物を、
「得よう、得よう」
とするでしょうし、
それでもおさまらなければ、
もっとおいしいお酒や食べ物を、
さらにたくさん、
「得よう、得よう」
とするでしょう。
恋愛でも、
今よりもっと理想的な相手を、
「得よう、得よう」
とするでしょうし、
人もうらやむような相手、
自分の心をもっと完璧に
満たしてくれるような相手を、
「得よう、得よう」
とするでしょう。
また、「ゴチャゴチャ」を
すべてを忘れさせてくれるような、
夢中になれる趣味、つまり、
「自分を輝かす、やりたいこと」を、
「得よう、得よう」
ともするでしょう。
そして、
それらの「得よう、得よう」を
満たすために必要なお金を、さらに、
「得よう、得よう」
とします。
仕事においては、
一気に「ゴチャゴチャ」を吹き飛ばそうと、
常に成果ばかりを、
「得よう、得よう」
とするでしょうし、
今よりもいい評価、いい収入を、
「得よう、得よう」
とするでしょう。
家族は、それを果たすための
邪魔としか目に映らなくなり、
友人は、心を許す相手としてではなく、
賞賛を、
「得よう、得よう」
とする対象でしか
なくなっていくでしょう。
こうなってしまうと当然、
日々やらなければならないこと、
考えなければならないことが
どんどんと増えていき、
体にも心にもさらなる負担が
かかっていきます。
そして、悲鳴をあげはじめた
体と心の苦痛を解消するために、
さらに自己啓発のメソッドや、
瞑想法、心理療法、脳の活性法などの
あらゆる情報を、
「得よう、得よう」
とし、筋トレやジョギング、
ヨガやストレッチ、
精密な健康診断やサプリメント、
オーガニック食品などを、
「得よう、得よう」
とすることになります。
気がつくと「得よう、得よう」が
デップリと脂肪のようにまとわりついた
「肥満人生」
になっているのです。
目詰まりしていたところに、
「得よう、得よう」とさらに自分の人生に
あらゆる問題を放り込んだことによって、
目詰まりを解消するどころか、
解消しようとすればするほど
「ゴチャゴチャ」が増えていく
悪循環をおこしてしまっているわけです。
では、どうすれば目詰まりを取り除き、
「ゴチャゴチャ」を解消できるのでしょうか?
それは、「得る」よりも「手放す」こと。
「人生の代謝不良」をおこし、
「肥満人生」になっている人は、
「得る」より「手放す」で楽になれるのです。
私たちは、
問題が起こるのは、
自分に何かが足りないからではないかと
考える傾向があります。
必要な行動、技術、人、物、お金…、
それらが無いために
問題が解消されないと思ってしまう。
確かに、問題の解消には、
そういう面も多分にありますが、
あまりにその方向だけに
注意が向いてしまうと、
「得よう、得よう」とばかりして、
反対に「人生の代謝不良」を
促進させてしまうことになってしまうのです。
だから、気づいた時点で、
「得る」よりも「手放す」を優先する。
といっても、
よく言われるような、
「シンプルライフ」
を目指す必要はありません。
決して人生を、
「痩せさせる」
のが目的ではないということ。
ダイエットの本来の意味のとおり、
自分が心地よいと思える
人生のサイズに「調節」していくのです。
そうすることによってはじめて、
本来の自分が求める生き方が見えてきて、
過去の悩みや未来の不安が薄れはじめ、
無理なく自然と「今」に
集中できるようになってくるのです。
あなたも、『人生のダイエット』、
はじめてみませんか?
次回からは早速、
人生のダイエット法について
ご紹介していきます。
まずはじめのテーマは、
「欲望のダイエット」です。
Brain with Soul代表
信夫克紀(しのぶ かつのり)