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2012.05.02

By オンライン担当 オガ

The soul in a sole. 「ウェストン・サイコ―物語」②

ということで。。。

第2話 完結編は簡潔にまとめましょう。

このブランドに出会う前は、「なんで毎日履いちゃいけねぇんだ。
靴なんて消耗品じゃねぇか。毎日履いて、履きつぶして、
新しい靴を買うのがふつうじゃねぇのか?」なんて思ってた………。

でも違った……、気がついた、メンズクラブに入って、
パラブーツ社の現地取材も経験し、そして、J.M.ウェストン本店で買い物をして。。。
靴は思いを込めて縫い上げられた嗜好品、額に飾られていない、最も実用的な芸術であることを。

そう、初めてのJ.M.ウェストンは、大好きなロバート・キャパも愛用していた「ゴルフ」。
その購入時のフィティングが、とにかくセンセーショナルだった。

試し履きは、5サイズにもおよんだ。実質上の時間は約2時間ほど?
しかし、スタッフはぜんぜん嫌な顔を見せず、なにか切々と私に語りかけていた。
たぶん、何を言っているか日本語で覚えているので、通訳の土肥さんもいたのでしょう。
その情景は今も脳裏に刷り込まれています。。。

J.M.ウエストンは4mmピッチのサイズと、A~Fまで計6つのワイズを独自に設定しています。
ほぼすべての人の足型への対応を可能にしている、と説明された記憶があります。

であれば、いきなり最高の履き心地が得られるのでは? と期待するのがふつうです。
でも、「そうはウェストンが卸さない」のです。

スタッフ曰く、「私どもの考えとしては、この靴と10年以上付き合ってほしいのです。
その円熟期となる10年前後に最高の履き心地を感じていただくようにフィッティングいたします」と。

フィティングはきめ細かく、サイズとワイズを用意してくれるのは確かです。
しかしそれは、履き込むうちにコルクがどのくらい沈み込み、革もどのくらい伸びるか、
という予想値をマイナスしたサイズ、まさに経験と勘による、想定のサイズがススメられるわけです。

で、私は結局「8D」をススメられたのです。たぶん、26.5㎝くらいでしょう。
当時私は、日本サイズで27.5cmのEを履いていました。。。

ブティックでの試し履き時は、まぁキツイけど、ゴルフは踵が浅いから、
このくらいのほうがホールドしてくれる。 あまりにもスタッフが自信に満ちた顔だったので、
自らに言い聞かせたのを覚えています。
「自分が思うジャストフィットで買ったら、そのうち踵がスポンスポンと抜けるもんな」と、
そのままニヤニヤしながらホテルに帰ったような。(ちゃんと仕事はしました!)

そうして帰国後、それは雨の日です。

ゴルフの魅力は、エレガントとカジュアルの両面を兼ね備えたアッパーと、
そして何よりもソールがオリジナルのラグソールであること。
その性格から「ジャーナリストシューズ」とも呼ばれ、タイドアップしながらも動きやすさを求める
世界のジャーナリストたちの必須アイテムだったのです。というわけでキャパ同様、
私も「取材時でもドレッシー感を保ちながら歩きやすい。さらに雨の多い日本でも、
コレなら大丈夫」とココロ勇んで購入へと踏み切ったのでした。 
で、その日の出勤途中のこと、虎ノ門の駅の階段を昇りきった時、 
親指の付け根から小指の付け根にかけて、いわゆるボール・ジョイントは 
締め付けられたようにこわばりだし、そしてその後、足がつり始めたわけです。

 

悲惨なデュー。でも、これを克服せずに仲良くはなれない。
このまま離別するか、10年後に生涯の伴侶として迎え入れるために、いまは耐えるか。。。

そうして後者、激痛に耐える日々を選び、それが約2年間続いたのです。
やがて、3年目。浮気する可能性がもっとも高い年、ある日ピタっと痛みは止んだのでした。

そんな彼女、ゴルフとのお付き合いは約15年間続きました。
悲しいかな15年目に、小指部分のアッパーに穴が開き、捨てざるをえない姿に。
いま考えれば、ちゃんと保存しておけば、写真ぐらい撮っておけば……、なんて時折思います。
ある種、人生の教訓にもなりましたからね……「くるみ」的な考えですが。。。

と、そのままボクは、J.M.ウェストン好きになったわけです。
靴作りへの執念というか気概というか、そして、類稀なスタッフの経験と勘にヤラレました!

その後のJ.M.ウェストンはというと……。
・ゴルフのダークブラウン(5年前に廃棄)
・このダブルモンクストラップ (現在、活躍中)
・メダリオンのサイドゴアブーツ(ただいま、馴らし運転中。まだシビレます)

ということで、やっぱり長くなりました。
が、これでも語りつくせませんが、この辺で。

もっと知りたい方は、ブティックでお聞ききくださいね。