もし、子育て中にパパがDVするようになったら……?
きっと、「もう一緒にいたくない! でも、子どもが小さいので何とかならないかな」と葛藤してしまいますよね。
しかし、ただ悩んでいるだけでは解決しません。あなたと、子どもの身を守る必要があります。
そのためには、一体どうしたらいいのでしょうか? 弁護士の長森亨先生(馬場・澤田法律事務所)のお話をもとに、DVから身を守る方法を4つお伝えします。
■1:まずはDVの証拠を収集する
DVを受けたらすぐに、いつ、どこで、どのようにして行われたかという証拠を残すために、日記や手帳などに記録しましょう。
実は、第三者に助けを求める場合に一番問題になるのは、“本当にDVがあったのか”ということなのです。
DVは家庭という密室で起こるため、証拠が残りにくいです。証拠がないと、第三者に助けを求めても救済を受けられないときがあるのです。
身体的なDVの場合は、怪我の写真や病院の診断書などが証拠になります。病院の診察を受ける際には、原因がDVであることを説明してカルテに残るようにしておくよう頼んでみてください。
また、実際にDVを受けている際の映像や録音などがあれば、いい証拠となります。
DVの結果、鬱などを発症している場合には、病院の診断書も証拠となります。この際も、カルテにDVの事実が残るように医者に説明しておきましょう。
■2:証拠と一緒にこっそりDVから避難する
命の危険を感じる前に、DVから避難しなければいけません。その際の注意点は、以下の2つです。
(1)避難場所は誰にも教えない
避難場所は、実家や親戚、友人宅などが一般的でしょう。こうした支援者がいない場合でも、安心してください。
婦人保護施設や母子生活支援施設などの公的な避難場所、NPO法人が運営しているDV被害者のためのシェルターなどがあります。
ちなみにこのとき、心細くても家族や友人に自分の避難場所を教えてはいけません。
DVの加害者は家族や友人から被害者の居場所を聞き出そうし、ときには暴力や脅迫的な言動を用いて聞き出してしまうことがあるのです。もちろん、住民票の異動や郵便物の転送などもしてはいけません。
(2)DVの証拠を持ち出すことを忘れない
DVから避難する場合、当面の生活資金や生活に必要な身の回りのもののほか、避難先で診療を受ける必要が生じたときのための保険証と、収集していたDVの証拠は忘れずに持ち出しましょう。
■3:すぐに公的機関へ相談する
DVの相談先として代表的なものには、配偶者暴力相談センターと警察の2つがあります。
(1)配偶者暴力相談センター
これは各都道府県にあります。DVの相談に応じてくれたり、緊急時に安全の確保や一時保護をしてくれたり、DVの被害者が自立して生活することを支援してくれたりします。
(2)警察
警察も、法律でDVの被害者に対して必要な援助を行うように定められているため、必要なアドバイスや援助をしてくれたり、被害者が加害者とDV防止の話し合いをすることに関する援助をしてくれたりします。
配偶者暴力相談センターか警察に事前相談をしておくと、DV防止法の保護命令などを利用する際、申し立ての手続で有利になったり、DVの証拠を残すことになったりするので、早めに相談しておきましょう。
■4:最終的にはDV防止法の保護命令を利用する
避難しても、DV加害者がしつこく連絡してきたり、追いかけてきたりしたら……?
最終的には、DV防止法を利用してください。この法律は、被害者を加害者から守るため、一定の要件を満たす加害者に対して一定の行為を禁止する命令(保護命令)を裁判所が発する制度を定めています。
例えば、以下のような保護命令があります。
(1)接近禁止命令・・・6ヶ月間、被害者の身辺につきまとったり、被害者の住居(同居する住居は除く)や勤務先等の付近をうろついたりすることを禁止する命令
(2)退去命令・・・夫婦が同居している場合で、被害者が同居する住居から引っ越しをする準備等のために、配偶者に対して、2ヶ月間家から出て行くことを命じ、かつ同期間その家の付近をうろつくことを禁止する命令
(3)子への接近禁止命令・・・6ヶ月間、配偶者が、被害者と同居している子の身辺につきまとったり、住居や学校などの通常いる場所の付近をうろついたりすることを禁止する命令
(4)親族等への接近禁止命令・・・6ヶ月間、配偶者が、その親族等の身辺につきまとったり、住居や勤務先等の付近をうろついたりすることを禁止する命令
(5)電話等禁止命令・・・6ヶ月間、配偶者から被害者に対する面会の要求、深夜の電話やFAX送信、メール送信など一定の迷惑行為を禁止する命令
このような保護命令は、裁判所に一定の書類を提出して申し立てをし、裁判所に命令を発してもらう必要があります。
それぞれのケースで、どの保護命令を申し立てればいいのか、どのような書類を準備すればいいのかなどは、弁護士や配偶者暴力支援センターに相談してみてください。
DVを受けたときは、どうしたらいいのかを頭ではわかっていても、体が思うように動かないこともあるでしょう。
でも、DVはあなただけでなく子どもにも被害が及ぶ可能性があるのです。
暴力を受けて育った子どもは将来、他人に攻撃的な大人になってしまうといわれています。さらに、がんや心臓病、脳卒中、薬物・アルコール依存症、肥満にもなりやすいのです。
子どもの将来を考えて、上記4つの方法で身を守ってください。
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