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文/藤崎典子、写真/小林嘉樹
2005年7月15日
日々余分に摂ってしまった炭水化物や脂肪、糖分は体内で中性脂肪となる。肥満のメカニズムは、太った中性脂肪が増殖し、皮下と内臓の両方に蓄積されていくものであるが、このうち皮膚のすぐ下に蓄積される脂肪が『皮下脂肪』である。そして、皮膚よりずっと深い内臓の周囲に付着する脂肪が『内臓脂肪』だ。
東京都池園クリニックの所長、池園悦太郎氏。西洋医学と東洋医学を融合したダイエット方法の提案を行っている
皮下脂肪は、内臓の保護やエネルギーの貯蓄といった重要な役割がある一方、必要以上の量を蓄えれば、内臓を圧迫するなどの悪影響が出てくる。しかし、皮下脂肪よりもさらに身体に重大な影響を与えるといわれるのが内臓脂肪なのだ。そこで、内臓脂肪は身体にどんな害を及ぼすのか、どのようなリスクをもたらすのか。1985年以来、肥満の治療と研究を続けている東京都池園クリニックの所長である池園悦太郎氏に聞いた。
「生活習慣病である肥満や高血圧、糖尿病、高脂血症は、これまで『死の四重奏』や『シンドロームX』と呼ばれ、すべてバラバラの要因で引き起こされると思われていました。しかし、実はすべてに内臓脂肪が大きく関与しているということが、ここ3年くらいで分かってきたのです。内臓脂肪の蓄積により、生活習慣病が起こりやすくなった状態を、最近では『メタボリックシンドローム』と呼んでいます」──まず池園氏はこう説明する。
さらにメタボリックシンドロームを放置しておくと、事態はもっと深刻になるという。少々専門的な話で恐縮だが、内臓脂肪は『TNF‐α(腫瘍壊死因子)』という物質を分泌して、インシュリンの効き方を悪くする。するとどうなるか? 血糖値の上昇を防ぐホルモンの一種であるインシュリンの働きが悪くなるのだから、本来、細胞が活用化するはずの糖や脂肪などが血液中にたまっていく。その結果、高血糖、高脂肪血症などが起こりやすくなり、糖尿病へと移行していく可能性が高まるのだ。
同時に、脂肪細胞は『アディポサイトカイン』という物質を分泌する。正常な状態では、動脈硬化を予防する“善玉”と、促進させる“悪玉”の分泌がバランスよく保たれているのだが、内臓脂肪が蓄積されていると“悪玉”の分泌だけが過剰になる。すると、動脈硬化が促進されて、最悪の場合は致命的な心筋梗塞や脳梗塞を誘発する可能性が高い。すなわち、メタボリックシンドロームを放置しておくと、生命を脅かす危険に直結するのである。
下半身に脂肪が多く付いている体型は、一般に皮下脂肪が多いとされている。『洋ナシ型肥満』と呼ばれるこの種の肥満は、基本的に良性とされている。
これに対して、上半身からお腹周りを中心に脂肪が付いた『リンゴ型肥満』は、内臓脂肪が多く、注意が必要だ。外見的にはやせて見えても、実は内臓にたくさん脂肪が付いている、いわゆる“隠れ肥満”もリンゴ型肥満の部類に入る。
では、読者の皆さんが自分自身に振り返ってみて、どれくらいの内臓脂肪が付いているかを調べるにはどうしたらよいのだろう?
病院にかかればCTスキャンを撮ることによってハッキリと分かるが、そのために病院に行くのも忙しいビジネスパーソンにとってはなかなかツライものだ。そこで、より手軽に自分の脂肪量を知る目安として池園氏が勧めるのは、「体重(kg)」÷「身長(m)の二乗」で算出される『BMI(Body Mass Index)値』だ。
BMIは肥満度を測るための国際的な指標で、日本人の平均体格指数は22とされている。幸いなことに内臓脂肪は、体重が減少すれば皮下脂肪よりも先に落ちるという特徴を持つので、メタボリックシンドロームやそこから起こる生活習慣病を防ぐには、まずBMI値に気を付ければいい。手元にある電卓をたたいてみて、自分のBMI値が22より高かった場合には、減量を心掛けようと考え、少しでも取り組むだけで内臓脂肪を減らす効果をかなり期待できる。
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