Description

本考案は、ひげ剃り用ブラシに関するものである。

従来のブラシとして、円形に植毛した毛束からなるブラシ本体と、そのブラシ本体に固定された柄部から構成されるブラシがある。例えば、図11〜13に示される従来のひげ剃り用ブラシ101では、円形に植毛した毛束102からなるブラシ本体104と、そのブラシ本体104に固定された柄部105から概ね構成されている。毛束102の中心にはいわゆる核となる芯部材106が配され、毛抜けを防止するために金具103が配され、さらに、ブラシ本体104と柄部105とを固定する接着剤層107が設けられている。

このようなブラシは、ひげ剃り用に泡立てた石鹸をブラシに含ませた後に、剃りたい部位に石鹸を塗るものとして使用でき、石鹸を十分に泡立てて髭に塗ることが簡単にできるため、広く使用されている。

しかし、近年個人の価値観は多様なものとなっており、個々が望む機能性、美観性も様々なものが好まれるようになってきており、従来のブラシでは十分に対応できないという問題が生じている。

しかも、近年、髭も様々な形状のものが好まれるようになっている。そのような様々な形状の髭に対して、従来のブラシでは、ブラシ上面から見て、円形に密に植毛されており、その毛先は広がっているため、全ての髭を剃ってしまうのであれば、従来のヒゲ剃り用ブラシでも対応できるが、狭い部位の髭のみ剃りたい場合には石鹸等の塗りつけがしづらい。すなわち、従来のひげ剃り用ブラシを用いて、狭い部位に石鹸を塗るには、ブラシの毛束の根元部分を指先で、毛先部分を薄くしたりして、対応せざるを得ない。このような場合には、石鹸が指先について作業に支障が生じるため、都度タオルでぬぐうなどする必要があり、使い勝手の悪いものとなっていた。

また、円形状であることから、バランスと安定感がないと、たとえば、シェービングカップの上縁に放置した場合には、シェービングカップから転がり落ちてしまい、作業効率を低減させるといった問題もあった。

ところで、このような問題に対して次の特許文献1〜3がある。

特許文献1では、馬の毛のような柔らかい獣毛が半分以上を占める毛束の一端側を円環状のリング金具で締め付けてなるブラシ本体と、一端に取付孔を有し、該取付孔に前記ブラシ本体がリング金具側にて挿嵌されて固定された棒状の柄部とを設けたことを特徴とする泡立用ブラシとして構成されている。しかし、特許文献1では、円柱状の毛束が押し広げられ広い範囲に押し付けられたり([0006])、または、毛束が芯部材に押されて径方向外方に広がったりすることにより、毛束の先端側が広げられた状態となってしまう([0007])。したがって、狭い部位、或いは所望の領域だけに石鹸を塗りたい場合にも、狭い部位、或いは所望の領域だけに留まらず、それらの周辺領域にも石鹸がついてしまい、狭い部位、或いは所望の部位に石鹸付けをするには不十分なものであった。

特許文献2では、髭剃り用の泡、化粧料、薬等の塗布物を人体に塗布する目的で使用するブラシであって、柄の底部に磁石を取り付けたことを特徴とするブラシとして構成されている。柄の底部に磁石を取り付けた点で使い勝手は改善されているが、しかし、狭い部位、或いは所望の領域だけに石鹸を塗りたい場合には、不十分なものであった。加えて、化粧用のブラシとして化粧料を塗るのには適していても、ひげ剃り用ブラシとして石鹸を塗るのには使い勝手が悪く十分でない。

特許文献3では、ブラシを構成する1本1本の毛の横断面形状を楕円あるいはトラック形状のような平型とすることにより、使用時にブラシの毛先にかかる塗布圧でブラシ毛束を横方向に広げることができ、爪甲、唇等へのマニキュア、口紅などの化粧料の塗布が容易としている。しかし、特許文献3のブラシでは、最初から横断面形状を楕円あるいはトラック形状のような平型にしているため、広い領域への塗布を所望する場合には、円形時の操作安定性を保ちづらい。さらに、塗布量は感覚で左右されるためばらつきが生じることに加え、塗布が斑にならないようにブラシの毛先を広げて幅広く一気に均一に塗布しようとするため、狭い部位に塗布する際に化粧品等が周囲にはみ出すおそれがあり、必要な所望部位にのみ塗布するには不十分なものであると言わざるを得ない。加えて、化粧用のブラシとして化粧料を塗るのには適していても、ひげ剃り用ブラシとして石鹸を塗るのには使い勝手が悪く十分でない。

このように、ひげ剃り用ブラシとしては、現在まで十分なものに至っておらず、更なる改良が求められる。

実用新案登録第3126850号公報 特開2000−253927号公報 特開2007−44163号公報

本考案は上記問題点を解決すべくなされたものであり、毛束と基部からなるブラシ本体と、ブラシ本体が固定された柄部とからなるひげ剃り用ブラシであって、基部の先端における前記毛束断面が扁平形状にすることにより、狭い部位等どのような部位にも容易に石鹸や化粧料等を塗布でき、指先を汚すことなく作業を進めることができ、加えて1本のブラシで複数本のブラシを兼ねることができ、作業効率を大幅に向上できるブラシを提供することにある。さらに、肌ざわりがよく、泡立ちがよいひげ剃り用ブラシを提供できる。

本考案により、以下のブラシが提供される。

[1] 毛束と基部を備えるブラシ本体と、前記ブラシ本体が固定された柄部とからなるひげ剃り用ブラシであって、前記毛束の少なくとも一つの面が略扇形状或いは略台形形状からなるとともに、前記毛束の先端における断面が扁平形状であるひげ剃り用ブラシ。

[2] 前記毛束が、前記略扇形状或いは略台形形状からなる2つの面を備える[1]に記載のひげ剃り用ブラシ。

[3] 前記毛束の先端における断面が、略長方形、略角丸長方形、又は略楕円形である[1]又は[2]に記載のひげ剃り用ブラシ。

[4] 前記基部が筒状に形成されているとともに、前記基部の断面が略長方形、略角丸長方形、又は略楕円形形状に形成されている[1]〜[3]のいずれかに記載のひげ剃り用ブラシ。

[5] 前記基部近傍における毛束断面が、幅5〜30mm、長さ10〜30mmの略長方形、又は、略楕円形である[1]〜[4]のいずれかに記載のひげ剃り用ブラシ。

[6] 前記毛束の先端が、幅7〜40mm、長さ15〜60mmになるように形成されている[1]〜[5]のいずれかに記載のひげ剃り用ブラシ。

[7] 前記毛束は、獣毛を一種類単独、或いは、数種類混在させて形成されている[1]〜[6]のいずれかに記載のひげ剃り用ブラシ。

本考案によれば、植毛した毛束からなるブラシ本体に基部を備えることにより、狭い部位等どのような部位にも容易に石鹸や化粧料等を塗布でき、指先を汚すことなく作業を進めることができ、加えて1本のブラシで複数本のブラシを兼ねることができ、作業効率を大幅に向上できるブラシを提供できるという優れた効果を奏することができる。

以下、本考案のひげ剃り用ブラシ(シェービングブラシ)を実施するための最良の形態について具体的に説明する。但し、本考案はその考案特定事項を備えるブラシを広く包含するものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。

[1]本実施形態におけるブラシ1は、図1〜3に示されるように、毛束3と基部5を備えるブラシ本体7と、ブラシ本体7が固定された柄部9とからなるひげ剃り用ブラシ1であって、毛束3の少なくとも一つの面3aが略扇形状或いは台形形状からなるとともに、毛束3の先端3Sにおける断面が扁平形状であるひげ剃り用ブラシ1として構成されている。

[1−1]ブラシ本体:
本実施形態におけるブラシ本体は、(植毛した)毛束と基部とから概ね構成され、必要に応じて、芯部材、接着剤層等を備えるものである。なお、後述するように、この基部によって、毛束の先端における断面が扁平形状に形成されている。

ここで、一般的なシェービングブラシでは、ひげ剃り用に泡立てた石鹸を、そのブラシ(毛束)に含ませた後に、剃りたい所望の部位に石鹸を塗るものとして用いられるものであるが、本実施形態のように、毛束の少なくとも一つの面が略扇形状或いは略台形形状からなるとともに、毛束の先端における断面が扁平形状に形成されていることによって、顔面等の所望箇所に石鹸を塗り易くするものである。さらに、石鹸が指先について作業を中断する必要もなくなり、作業効率を向上させることができる。

具体的には、図1〜3に示されるように、ブラシ本体7には毛束3と基部5を備え、毛束3の少なくとも一つの面3aが略扇形状或いは台形形状に形成するとよい。さらに、図1に示されるX−X’線に基いて断面した際に、図3に示されるような毛束3の先端3Sにおける断面が扁平形状に形成されたひげ剃り用ブラシ1を一例として挙げることができる。

[1−1−1]毛束:
毛束の形状としては、毛束の少なくとも一つの面が略扇形状或いは略台形形状からなるとともに、毛束の先端における断面が扁平形状に形成されることが望ましい。このように形成されることで、毛束には、広い面側に形成される毛束の先端と、前述の少なくとも広い領域と比べて狭い面側に形成される毛束の先端とが形成される。したがって、広い面側に形成される毛束の先端では、広い領域に容易に石鹸を塗布することができ、狭い面側に形成される毛束の先端では、少なくとも狭い領域に容易に石鹸を塗布することができる。そのため、1本で複数本のひげ剃り用ブラシを兼ねることができる。

ここで、「毛束の少なくとも一つの面」とは、ひげ剃り用ブラシの長さ方向に形成される面であって、正面側に形成される面である。具体的には、図1〜3に示されるように、符号3aの面を一例として挙げることができる。

また、毛束の少なくとも一つの面が、「略扇形状或いは略台形形状からなる」とは、前述した、毛束の少なくとも一つの面である正面側に形成される面が、略扇形状或いは略台形形状からなることである。すなわち、基部から毛束を延伸させて形成させた形状が、正面視した際、あたかも略扇方の形状であること、或いは、後述する基部との境界領域にある毛束と、毛束先端によって毛束の先端を境界付ける線の夫々を、上辺或いは下辺と見立てて正面視した際に、毛束がいわゆる略台形形状に形成されていることである。ここで、従来のひげ剃り用ブラシでは、基部を中心に周状にあるいは放射状になるよう毛束が形成(固定)されていた。しかし、本実施形態では、毛束の少なくとも一つの面である正面側に、略扇形状或いは略台形形状が形成されるため、少なくとも、従来のひげ剃り用ブラシと同等若しくは、それ以上に広い面が形成される。換言すれば、広い箇所(領域)に、石鹸等を塗布したい場合には、従来と同等かそれ以上に、石鹸を塗布するための毛束の領域が大きく(広く形成されるため)とれ、効率よく石鹸を塗布することができ、作業効率を向上させることができる。

また、「毛束の先端」とは、基部側に形成される端部とは反対側の端部であって、いわゆる「毛束の突き出て尖った先の端部」をいう。また、「毛束の先端における断面が扁平形状である」とは、毛束の突き出て尖った先の端部の断面が、扁平形状であることを意味し、換言すれば、毛束の先端の断面が平たい状態となっていることをいう。より具体的には、扁平形状とは短軸1に対して長軸が1.2〜20倍であるものをいう。このように構成することにより、たとえば、口ひげ等狭い箇所(領域)に石鹸等を塗布する場合にも、扁平形状である毛束先端の幅方向を、口ひげ等狭い箇所(領域)に宛がうことで、所望箇所に適切に石鹸を塗り易い。すなわち、狭い領域にも対応可能となる。したがって、1本で複数本のヒゲ用ブラシの機能を備えることになる。

なお、ブラシ本体の先端部分は、図1〜3に示されるような、いわゆる山状(凸状)の形状に限定されるものではなく、たとえば、図4〜6に示されるような、先端部分を平らに形成するものも含まれる。

より好ましいのは、毛束が、前記略扇形状或いは略台形形状からなる2つの面を備えることである。このように構成されることで、毛束には、正面側と裏面側に、略扇形状或いは略台形形状からなる二つの面が形成され、さらに、正面側と裏面側に形成される2つの面の側面には、狭い面(領域)が形成されることになる。このように、広い面(領域)と、狭い面(領域)が形成されることによって、広い面(領域)側の毛束先端と、狭い面(領域)側の毛束先端を備えることができる。したがって、石鹸等を幅広く塗布したい場合には、広い面(領域)側の毛束先端を使用できるとともに、さらに、石鹸等を幅狭く塗布したい場合にも、狭い面(領域)側の毛束先端を使用でき、ブラシを2本以上使用する必要もなく、作業効率を向上させることできる。

すなわち、従来のひげ剃り用ブラシでは、基部を中心にして周状に或いは放射状に毛束が形成されていた。そのため、石鹸等を幅狭く塗布したい場合にも、誤って所望領域外に石鹸を塗布してしまうことが多く、或いは、従来のひげ剃り用ブラシの先端を手などで変形させて、使用していたため、石鹸が指先について作業に支障が生じ、都度タオルでぬぐうなどする必要があった。しかし、本実施形態では、前述のように構成されることにより、従来のひげ剃り用ブラシと同等若しくは、それ以上に広い面が形成されだけでなく、狭い領域に対応可能な面を確実に形成できるため、本願の効果をより奏することができる。

具体的には、図1、3で示されるような、毛束の一つの面である正面側が、略扇形形状或いは略台形形状に形成するとともに(符号3a参照)、裏面側にも、略扇形状或いは略台形形状からなる面を形成し(符号3b参照)、さらに、それらの(正面側と裏面側に形成される)2つの面の側面に、狭い面(領域)を形成し(符号3c、3d)、本実施形態のひげ剃り用ブラシを形成したものを一例として挙げることができる。

より好ましいのは、毛束の先端における断面が、略長方形、略角丸長方形、又は略楕円形であるひげ剃り用ブラシである。毛束の先端における断面が、前述のような所望形状に形成されると、確実にひげ剃り用ブラシに、石鹸を塗布する広い面側に形成される毛束先端と、狭い面側に形成される毛束先端を備えることができ、本願の効果を奏することができる。

たとえば、長方形としては、図7に示されるブラシが一例として挙げられ、角丸長方形としては、図8に示されるようなブラシが一例として挙げられ、楕円形としては、図14Cに示されるようなブラシが一例として挙げられる。なお、図7、図8は、夫々のブラシの平面図であって、模式的に示した図である。また、図14Cは、夫々のブラシの平面図であって、模式的に示した図である。

また、基部近傍における毛束断面が、幅5〜30mm、長さ10〜30mmの略長方形、又は、楕円形であることが好ましい。一般的なひげ剃り用ブラシでは、基部近傍における毛束断面が20mm程度の円形状からなるものが多くみられるが、本実施形態では、前述のように、基部近傍における毛束断面の寸法を所望寸法に形成することにより、確実に毛束の形状を所望形状にできるため好ましい。他方、基部近傍における毛束断面の幅が、5mmより小さいと、幅断面が小さく成り過ぎて、毛束全体の毛の量が結果的に減りやすく、その結果毛束に石鹸を含ませる量(含浸量)が減ることになる。また、毛束のコシも弱くなりやすい。そのため、作業効率が低減し好ましくない。他方、30mmを超えると、狭い領域に塗布しづらくなるため好ましくない。また、基部近傍における毛束断面の長さが、10mmより小さいと幅広い領域に対応しづらくなり、何度も塗布する必要が生じるため好ましくなく、他方、30mmを超えると、大振りとなってしまい誤って所望領域外に石鹸を塗布してしまうなどの操作性が劣りやすくなり好ましくない。

なお、基部近傍における毛束断面の幅とは、基部近傍における毛束の断面であって、当該毛束の略扇形状或いは略台形形状でない面(方向)の長さをいい、換言すれば、略扇形状或いは略台形形状でない面の両側に形成される面の長さ(厚み方向の長さ)をいう。また、基部近傍における毛束断面の長さとは、基部近傍における毛束の略扇形状或いは略台形形状である面(方向)の長さをいう。より具体的には、図1に示されるひげ剃り用ブラシでは、符号Y1の矢印方向が幅方向を示しており、符号Y2の矢印方向が長さ方向を示している。

具体的には、ひげ剃り用ブラシに、基部の先端における毛束断面が、幅5〜22mm、長さ10〜30mmの略長方形、又は、楕円形にひげ剃り用ブラシが形成されると、図3に示されるように、ひげ剃り用ブラシの部の先端における毛束断面が、狭い面と、広い面を備える毛束となる。したがって、石鹸を塗りたい顔面の箇所が狭い箇所、(たとえば、口ひげの箇所、具体的には、鼻と口の間等)或いは、広い箇所(たとえば、頬や顎鬚等)であろうと、本実施形態のひげ剃り用ブラシで、複数本のブラシとしての機能を持たせることができるため、所望箇所に自在に石鹸を塗ることができる。

より好ましいのは、毛束の先端が、幅7〜40mm、長さ15〜60mmになるように形成されていることである。このように毛束断面が形成されることで、ひげ剃り用ブラシに、狭い面と、広い面をバランスよく備えることができ、シェービングカップ上に載置しても、バランスを崩しづらく安定させやすいからである。一般的なひげ剃り用ブラシでは、毛束の先端が、40〜55mm程度の円形状からなるものが多くみられるが、本実施形態では、前述のように、毛束の先端を所望寸法に形成することにより、確実に毛束の形状を所望形状にできるため好ましい。他方、毛束の先端の幅が7mmより小さいと、幅断面が小さくなり過ぎて、毛束全体の毛の量が結果的に減りやすく、その結果毛束に石鹸を含ませる量(含浸量)が減ることになる。また、毛束のコシも弱くなりやすい。そのため、作業効率が低減し好ましくない。他方、40mmを超えると、狭い領域に塗布しづらくなるため好ましくない。また、毛束の先端の長さが、15mmより小さいと幅広い領域に対応しづらくなり、何度も塗布する必要が生じるため好ましくなく、他方、60mmを超えると、大振りとなってしまい誤って所望領域外に石鹸を塗布してしまうなどの操作性が劣りやすくなり好ましくない。

この毛束の材質としては、たとえば、馬、豚、穴熊、山羊等の獣毛の他、ポリエステル等の合成樹脂等が挙げられるが、これらの素材からなるものに限られず、公知の材質からなる毛束であれば本願の毛束に好適に用いることができる。

より好ましいのは、毛束は、獣毛を一種類単独、或いは、数種類混在させて形成されていることである。毛束に、獣毛を一種類単独、或いは、数種類混在させることによって、毛束が顔面に触れた時に触感が向上する。すなわち、肌ざわりがよく、泡立ちもよくなるからである。たとえば、この獣毛を幅の狭い横長形状等扁平形状に植毛してひげ剃り用ブラシを形成すると、コンパクトで扁平な形状が把持性を向上し、攪拌効果を高めるため、小さくきめ細かな泡立ちが得られる。

[1−1−2]基部:
本実施形態における基部は、毛束を後述の柄部に固定するだけでなく、毛束の少なくとも一つの面が略扇形状或いは略台形形状にするとともに、毛束の先端における断面を扁平形状にするために用いられるものである。すなわち、この基部を所望形状にすることで、毛束が所望形状に押圧された状態で、基部に(或いは基部を介して柄部)に固定され、安定して形状を保持できるのである。したがって、このような基部を備えることにより、1本のブラシの石鹸等を塗布できる面に、狭い面(領域)と広い面(領域)を備えた毛束或いは毛束の先端を形成でき、顔面の所望領域に石鹸を塗ることが出来る。

さらに、基部が、筒状に形成されていることが好ましい。筒状であれば、毛束を挿入して固定しやすくなり、さらに、毛束断面を扁平形状に形成しやすいからである。たとえば、基部が、筒状に形成されているものとしては、所定寸法の円形パイプ状金属等から形成してもよい。このような所定寸法の円形パイプ状を使用する場合には、基部の一端側である先端側に挿入された毛束を挿嵌した後、毛束側の基部外面を押圧することによって、基部先端の断面を所望形状(たとえば、横長扁平形状)に形成することができる。

また、基部の他端側は、柄部の上端が挿嵌できるとともに、柄部を基部に圧入挿嵌できることが好ましい。基部と柄部とを夫々にしっかり固定できるからである。この柄部を基部に圧入挿嵌する方法としては、柄部の上端を、その外寸が基部の内寸よりも僅かに大きくなるように形成するとよい。なお、ブラシ本体と柄部との固定については、圧入のほか接着剤を用いることもできる。

なお、接着剤を用いて固定する場合には、毛束の基部側を、接着剤を含浸させて固めると、毛が抜けるのを防止でき、柄部に安定的に固定し易くなるため好ましい。具体的には、ひげ剃り用ブラシを、毛束の一端を芯部材に巻きつけて成形し、この芯部材が埋設された毛束の一端側を基部に挿入し、さらに、柄部を基部に挿入させる。その後、柄部に、接着剤が含浸された毛束の先端と反対側の一端側を固定するとよい。

なお、毛束を柄部に固定する方法としては、前述の圧入方法、接着材により固定方法に限られるものではなく、本願の構成を採用し、本願の効果を奏することができるものであれば、公知の固定方法、固定手段を用いて毛束を柄部に固定してもよい。

さらに、基部は、筒状に形成されているとともに、前記基部の断面が長方形、角丸長方形、又は楕円形形状に形成されることが好ましい。このように構成されていることによって、確実に毛束断面を所望形状に形成しやすくなり、本願の効果を奏することができる。

より好ましいのは、基部の一端側(先端側)に挿入された毛束を挿嵌した後、毛束側の基部外面を押圧して、毛束近傍の基部(基部先端側)を略長方形、略角丸長方形、略楕円形など幅の狭い横長扁平形状にすることである。このように基部を形成すると、毛束が基部の形状に沿って所望形状に形成できやすいからである。

さらに、基部の先端における毛束断面が、幅5〜30mm、長さ10〜30mmの略略長方形、又は、略楕円形であるように、基部の先端が形成されることが好ましい。このように基部を形成することにより、毛先部を所望の形状、所望の寸法に形成しやすくなるからである。すなわち、このように毛束断面が形成されると、ひげ剃り用ブラシに、狭い面と、広い面を備える毛束となるため、石鹸を塗りたい顔面の箇所が狭い箇所であろうと、広い箇所であろうと、自在に石鹸を塗ることができるため、本願の効果をより奏することができる。

ここで、「基部の先端」とは、柄部とは反対側の端部であって、毛束を支持する側の端部である。具体的には、図1に示される符号3Sの端部をいう。また、基部の先端における「毛束断面」とは、毛束の長さ方向に直交する断面(或いは、毛束の根本方向に直交する断面)をいう。具体的には、図1に示されるようなI−I’断面線を引いた際に図9、図10に示されるものを例示できる。

[1−2]芯部材:
ブラシ本体のその他の構成としては、たとえば、芯部材等が備えられることが好ましい。ただし、この芯部材等は本実施形態の必須の構成要素ではなく、適宜必要に応じて用いられることが好ましい。

芯部材は、前述の毛束のいわば芯(核)となる部材であって、前述の獣毛等の毛束の一端を、芯部材に巻きつけて毛束を成形する際に使用される。この芯部材を毛束の一端側の中心に埋設させることで、毛束を所望形状に成形し易くなる。この芯部材の形状および材質等は、公知の芯部材を用いることができる。

[1−3]柄部:
本実施形態における柄部は、ブラシの持ち手部分となるものであり、棒状部材から構成される。この柄部には、ブラシ本体を取り付ける取付部が設けられることが好ましい。取付部は、たとえば、内寸が基部の外寸よりわずかに小さくすることが好ましい。このように形成されることにより、ブラシ本体を安定的に柄部に固定し易くなるからである。

柄部へのブラシ本体の取付方法(固定方法)としては、ブラシ本体を、柄部の取付部に圧入しながら、挿嵌して柄部に嵌め込み、固定するとよい。

より好ましいのは、柄部底面近くの外周にR6程度の凹部を設けてくびれをつけたものである。このようにくびれをつけることによって、滑り止めとしてだけでなく、安定しやすくなり、たとえば、シェービングカップ上に載置しても、落下することを防ぐことができる。具体的には、ひげ剃り用ブラシを使用するにあたり、ひげ剃りの準備段階では(ひげ剃りの作業前では)、シェービングカップにお湯と粉石鹸を入れてひげ剃りブラシで攪拌し、泡立てする。石鹸を塗る者の顔に、この泡立てた石鹸を塗った後、ブラシは、通常シェービングカップ上縁に置いておくことが多いが、置き方が悪いとバランスが崩れてブラシが落下してしまうことがある。シェービングカップの形状にもよるが、前述のような、柄部底面近くの外周にR6程度の凹部を設けてくびれ15を設けると、仮にバランスを崩しても、シェービングカップの上縁にブラシがひっかかって、落下を防ぐことができるため好ましい。ただし、このくびれの程度は、前述のR6に限定されるものではない。

具体的には、図14A〜図14Eに示されるブラシのように、柄部底面近くの外周に凹部を設けてくびれを設けると、図15A,15Bに示されるようなシェービングカップの上縁にブラシがひっかかって、落下を防ぐことができる。なお、図14Aは、本実施形態のひげ剃り用ブラシの正面図であって模式図であり、図14Bは、本実施形態のひげ剃り用ブラシの右側面図であって模式図であり、図14Cは、本実施形態のひげ剃り用ブラシの平面図であって模式図であり、図14Dは、本実施形態のひげ剃り用ブラシの底面図であって模式図であり、図14Eは、本実施形態のひげ剃り用ブラシの斜視図であって模式図である。

[2]本実施形態のひげ剃り用ブラシの使用方法:
本実施形態のひげ剃り用ブラシにより、石鹸や化粧料を塗りたい箇所が、広い部位である場合には、本実施形態のひげ剃り用ブラシの広い面側の先端を使用する。すなわち、ブラシを石鹸に浸した後、顔面等の所望部位に、その石鹸に浸した広い面側の先端をあてて塗る。石鹸を塗りたい箇所が狭い部位である場合には、本実施形態のひげ剃り用ブラシの狭い面側の先端を使用する。すなわち、ブラシを石鹸に浸した後、顔面等の所望部位に、その石鹸に浸した狭い面側の先端をあてて塗る。

[3]本実施形態のブラシの製造方法:
芯部材を用いる場合には、獣毛等の毛束の一端を、芯部材に巻き付けて埋設させて毛束を成形する。次に、基部の一端側である先端側に毛束を挿入し挿嵌した後、基部の他端側に、柄部の上端を圧入挿嵌する。さらに、毛束側の基部外面を押圧し、基部先端の断面を横長扁平形状にして、形成することができる。

なお、前述の本実施形態のブラシは、前述の製造方法に限定されるものではなく、公知の方法で、本実施形態のブラシを製造できる場合には、そのような製造方法によって製造されたブラシも本実施形態のブラシに含まれる。

上述の通り、本考案によれば、毛束と基部からなるブラシ本体と、ブラシ本体が固定された柄部とからなるひげ剃り用ブラシであって、基部の先端における前記毛束断面が扁平形状にすることにより、狭い部位等どのような部位にも容易に石鹸や化粧料等を塗布でき、指先を汚すことなく作業を進めることができ、加えて1本のブラシで複数本のブラシを兼ねることができ、作業効率を大幅に向上できるブラシを提供することにある。さらに、肌ざわりがよく、泡立ちがよいひげ剃り用ブラシを提供できる。

本考案のブラシの実施形態を示す正面図であって、模式的に示した図である。 図1のブラシの側面図であって、模式的に示した図である。 図1のブラシをX−X’線で断面し、模式的に示した図である。 本考案のブラシの別の実施形態を示す正面図であって、模式的に示した図である。 図4のブラシの側面図であって、模式的に示した図である。 図4のブラシのY−Y’線で断面し、模式的に示した図である。 本考案のブラシの別の実施形態を示す平面図であって、模式的に示した図である。 本考案のブラシの別の実施形態を示す平面図であって、模式的に示した図である。 本考案のブラシの別の実施形態であって、図1に示されるようにI−I’線で断面した際の断面図であって、模式的に示した図である。 図1のブラシをI−I’線で断面し、模式的に示した図である。 従来のひげ剃り用ブラシの正面図である。 図11の従来のひげ剃り用ブラシの一部断面図であって、模式的に示した図である。 図11の従来のひげ剃り用ブラシの平面図であって、一部省略すると共に模式的に示した図である。 本考案のブラシの実施形態の別の実施形態であって、正面図である。 本考案のブラシの実施形態の別の実施形態であって、右側面図である。 本考案のブラシの実施形態の別の実施形態であって、平面図である。 本考案のブラシの実施形態の別の実施形態であって、裏面図である。 本考案のブラシの実施形態の別の実施形態であって、斜視図である。 シェービングカップを模式的に示した斜視図である。 シェービングカップを模式的に示した斜視図である。

符号の説明

1:ひげ剃り用ブラシ、3:毛束、5:基部、7:ブラシ本体、9:柄部、15:くびれ、101:従来のひげ剃り用ブラシ、102:毛束、103:金具、104:ブラシ本体、105:柄部、106:芯部材、107:接着剤層、Y,Y:矢印。