アトピー性皮膚炎の治療は、皮膚バリアを強くするスキンケア、悪化因子の除去、薬物療法が3本柱となりますが、どれも謝った情報が多く、正しいケア、治療が行えず、いつまでも治らない、かえって症状を悪化させている、という方が多いようです。
ここでは正しいスキンケア方法について詳しく説明します。
アトピー性皮膚炎の治療法は?
アトピー性皮膚炎は、根本的な治療法はまだありませんが、先でも述べたように、
・皮膚バリアを強化するスキンケア
・ダニ、ほこりなどの悪化因子の除去
・炎症、かゆみなどを抑える薬物療法
が、症状をコントロールする為の治療の3本柱となります。
アトピー性皮膚炎の発症は、皮膚バリア機能の低下が関係している、と考えられ、バリア機能が低下することで、アレルギーを起こす物質のアレルゲンなどが侵入しやすくなり、その結果、皮膚の炎症が引き起こされます。
皮膚の炎症を鎮める、抗炎症作用のあるステロイド外用薬や、免疫調整作用のあるタクロリムス外用薬、さらに飲み薬の抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬でかゆみを抑えるなど、医師の指導に基づいた正しい薬物療法を続けると同時に、皮膚のバリア機能を強化する適切なスキンケアを行うことで、症状をコントロールして、上手く付き合っていくのが基本です。
ただ、アトピー性皮膚炎の治療に関しては、間違った情報が多く、特にステロイドに関して否定的な意見があり、謝った情報、先入観に振りまわされて、正しい治療ができていない方が少なくありません。謝った情報に振り回されずに、医師の指導通り、正しく治療を続けることが重要です。
アトピー性皮膚炎、正しいスキンケア方法とは?
アトピー性皮膚炎の方は、皮膚バリア機能を強くするスキンケアを行うことが重要です。
●皮膚バリア機能とは?
皮膚には、ダニ、ほこり、ペットのフケなどのアレルゲンや、細菌などの外敵が体内に入るのを防いだり、体内の水分が蒸発しないように、潤いを保ったりする機能があり、これが皮膚のバリア機能と呼ばれるものです。
皮膚は細胞が何層も重なってできていて、皮膚の表面を皮脂膜が覆っていますが、アトピー性皮膚炎の患者は、体質的に皮脂膜が少ない為に、皮膚バリアを形成することができません。また角層に水分を保持する力も弱く、バリア機能が低下した皮膚では、角層が乱れてめくれ上がり、皮脂膜も少なくなっています。
その為、角層と角層の隙間からアレルゲンや細菌が入って、かゆみの知覚神経を刺激したり、隙間から水分が蒸発して皮膚が乾燥する、などが起こりやすくなっています。
そこで、正しいスキンケアを行い、皮膚バリア機能を取り戻し、強化することが重要になってきます。
●正しいスキンケア方法
・体の洗い方
せっけんやボディソープを泡立てネット、もしくはスポンジにつけて、ホイップクリーム状になるまで十分に泡立て、泡を皮膚の上にのせて、優しくなでるように洗い、泡が残らないようにしっかり洗い流します。
せっけんとナイロンタオルでゴシゴシ洗ったり、石鹸やボディソープを使わず、お湯だけで洗うのはNGです。
・入浴後の保湿の仕方
入浴直後の皮膚が潤っている時に、保湿剤で皮膚にふたをすることで、皮膚バリアの代わりになり、水分の蒸発、外からの刺激を防ぐことができます。
保湿剤の成分でオススメなのが、ワセリン、尿素、ヘパリン類似物質、セラミドなどで、形状は軟膏、クリーム、ローションなど、好みで選んでOKです。ただ、刺激が少ないものを選ぶのがポイントです。
入浴後に10分以内に塗るようにし、タオルで水分を拭き取ったらすぐに塗ります。入浴してから20分たつと、入浴前より皮膚の水分が失われてしまいます。
また、保湿剤を塗るのは、入浴後だけでなく、朝も塗るようにして、少なくとも1日に2回塗ります。保湿剤を携帯して、こまめに塗るのがオススメです。バリア機能を守る為に、皮膚の症状が改善しても続けていくのがポイントです。
アトピー性皮膚炎、汗をかくと悪化する?
アトピー性皮膚炎は、汗をかくと悪化する、と間違った情報に振り回されている方も多いようです。
確かに汗が長時間皮膚に残っていると、汗に含まれる成分が皮膚を刺激して、症状を悪化させることもあります。
ですが、最近の研究では、汗をかかないようにしている患者よりも、汗をかくようにした患者の方が、アトピー性皮膚炎の症状が改善したという報告があります。
汗には皮膚を潤し、バリア機能を高める働きがあり、さらに汗がかけるようになったということは、皮膚の機能が戻ったことも意味しています。その為、汗をかかないように気をつける必要はなく、積極的に体を動かして汗をかくことが勧められています。
ただ、汗をかいたらそのまま放置せず、シャワーで洗い流したり、濡れたタオルなどで拭き取り、肌をしっかり保湿するようにして下さい。
アトピー性皮膚炎の治療、症状改善には根気が必要です。症状がよくなっても、バリア機能を守る為に、しっかり保湿する習慣は続けるようにして下さい。また、謝った情報などに振りまわされず、医師の指示に従って治療を続けることが、症状改善までの一番の近道です。