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重症筋無力症において運動症状以外で注意する症状や合併症はあるか?

  • 重症筋無力症
  • 合併症
  • 症状
  • 注意点

重症筋無力症は、物が二重に見える「複視」や瞼が下がる「眼瞼下垂」、嚥下障害などの特有の症状がありますが、これらの症状を「運動症状」といいます。
この運動症状以外に、注意しなくてはならない非運動症状というものもあります。
非運動症状で注意する症状と合併症についてまとめました。

非運動症状について

重症筋無力症が他の自己免疫疾患を合併することが多いということは知られていますが、共通の免疫異常に関しては不明な点が多いです。
また、従来考えられていた以上に様々な症状が現れます。
このような症状は、重症筋無力症特有の「運動症状」に対して「非運動症状」と呼ばれています。
非運動症状は、

①重症筋無力症に合併する他の自己免疫疾患
②重症筋無力症と共通の自己免疫が関連する症状
③非免疫学的機序による症状

に分類されます。

合併症について

自己免疫疾患の合併は重症筋無力症全体の8~15%程度認められ、合併疾患としてはバセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病が多いです。

胸腺腫が関係する重症筋無力症では、胸腺腫由来のT細胞の機能異常が原因となる自己免疫疾患を合併する場合があります。赤芽球癆(せきがきゅうろう)*1や円形脱毛がよく知られています。
赤芽球癆は、胸腺腫関連の重症筋無力症患者の5%に認められます。

貧血による息切れや易疲労感は重症筋無力症の症状と似ているため、診断が遅れる可能性があります。また、円形脱毛は胸腺腫関連の重症筋無力症の10~15%程度に認められ、頭髪喪失という外見面、精神面のダメージが大きいです。

いずれも重症筋無力症の活動度と一致しない場合もあり、胸腺腫摘出後に発症する場合があります。これらの疾患は胸腺腫由来の細胞障害性T細胞が原因と推測され、主に液性免疫を介する重症筋無力症とは異なる病態です。
胸腺腫に伴う低γグロブリン血症は別名Good症候群として知られています。

後天性の免疫不全に含まれ、胸腺腫関連の重症筋無力症の1~2%程度に認められます。重篤な日和見感染症(ひよりみかんせんしょう)*2を繰り返すため、長期的に免疫療法が必要な重症筋無力症の治療では、特に注意すべき合併症とされています。

重症筋無力症における心臓病変は昔から注目されていましたが、心電図異常や心機能障害が重症筋無力症患者で実際によく現れるかどうかについては一定の見解は得られていません。しかし、胸腺腫関連の重症筋無力症の1~2%程度に重篤な心筋炎が合併することが指摘されています。

抗横紋筋抗体に対する自己抗体は重症筋無力症の心筋炎に深く関係している可能性があります。胸腺腫関連の重症筋無力症患者では死に至るような不整脈が認められる場合があり、突然死のリスクを減らすためにも心臓病変に対する注意が必要です。

また、胸腺腫関連の重症筋無力症の10%程度に味覚障害を認める場合があります。特に甘味を障害されやすく、重症筋無力症の活動度と一致し、免疫療法とともに改善します。
胸腺腫の再発と同時に味覚障害が再び悪化することもあります。

味覚障害が起こるメカニズムはわかっていませんが、胸腺腫に伴う免疫異常が原因ではないかと推測されています。ただし、重症筋無力症の味覚障害は、コリン性伝達の障害による嗅覚障害を反映した結果とも推測されています。
味覚障害は生命予後*3には影響しないものの、QOLを障害する症状であり、これまでほとんど認識されていなかった非運動症状です。

*1赤芽球癆
再生不良性貧血の一種で、疲れやすい、倦怠感、顔面蒼白などの症状が出る病気。
*2日和見感染症
健康な人は感染症を起こさない微生物が原因菌となり発症する感染症のこと。
*3生命予後
病気、手術などの経過において、生命が維持できるかどうかについての予測。

推奨を医療現場に用いる際の注意点

医療現場においては、重症筋無力症の特有の運動症状だけではなく、様々な非運動症状が認められることを認識し、その対応策を考える必要があります。
特に胸腺腫関連の重症筋無力症では、胸腺腫由来のT細胞機能異常が原因となる様々な非運動症状が現れる点に注意が必要です。

胸腺腫と重症筋無力症の関係とは?

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