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そして今日久しぶりに私の大好きな某書店に行ったら「かんぺきな街」が新刊コーナーにあって、買って、そのまままあまあコーヒーの美味しい某ファストフード店に入って、読んだ。で、今帰宅してブログを書いている。
話は変わるのだけど、漫画好きなんです〜みたいなことを人に話すとき、「何が好きなの?」「面白い漫画ある?」って聞かれるのは会話のテンプレみたいなものだと思うのだけど、これが結構困る。音楽や映画にも同じこと言えると思うけど。
だって正直なこと話して引かれるの嫌じゃない。「あ…知らないです…」ってなったら気まずいじゃない。で、これなら大衆受け(って言葉使うと、ワタシこれに関しては詳しいですよ〜っていうオタク特有の高慢ちきな上から目線みたいで嫌なんだけど)するだろう、っていうくくりの中から好きな作品を上げると思うんですね。
例えばハチクロとか。これは外れない。だってアニメ化も映画化もしているし。なんといっても好きな漫画を聞かれた時に、女である私が「少女漫画」が好きだと答える時の安心感と護身感はすごい。オタクっぽくなくて、かつ漫画を結構読む人からの評価高くて、実際に心から沁み入るように好きな作品があるっていうのは心強いのである。
「これ面白いですよ」って勧めやすいのって、当たり前だけどストーリーが面白い漫画だと思う。自分がその作品をどんなに好きでも、なんとなく「面白いって思ってもらえなかったら嫌だな」って勧めるのをためらっちゃう系の漫画、揶揄するなら「雰囲気マンガ」といったところか。それが私にとっての売野機子である。
私はものすごく好きだし、女性受けする感じもあるんだけど、友情・努力・勝利みたいなわかり易いところから外れたものって人に勧めづらいんだよな。こればっかりは合う、合わないの問題だと思うし。
一言で言えば、失職中の男と女子中学生がそれぞれのほろ苦い恋愛に折り合いをつけようとする話。女子中学生が可愛い。いや見た目は最初ブスだなあとおもったんだけどなんだか可愛い。終盤に行くにつれてなぜか可愛くなる気がする。実写化するなら小松菜奈ちゃん!って感じのアンニュイガール。
before
after
(嘘みたいだろ…これ同一人物なんだぜ)
で失業マンはだらしない感じの色気ある人。黒いハイネックのニットがエロい人。
私選ぶコマにセンスがないかもしれない。伝わる?この魅力。くたびれた感じが逆にいい!ってやつ。若干ネタバレなのですが、この人とある女性の事後っぽいコマ大好き。(てゆうかMAMAにせよ短編集にせよ売野機子の漫画の性を匂わす部分がめちゃくちゃ好き。常にちょっぴり切ない感じがするんだよね、全体的に性愛ってエネルギッシュなもののはずなのに、売野機子の描くそれは諦観が漂ってる。気だるげな、ぼんやりした感じ)
諦めちゃった恋、諦めなくちゃいけなかった恋。読後感としては、前を向いて歩き出すぞ!!ってほどさっぱりすっきりするわけじゃないんだけど、そこがいいのよね。
きっとこの後二人は今までよりちょっぴり幸せになる。うまくいかなかった過去は昔の傷、その傷をきっと愛せるようになるのでしょう。
2つ目のお話「ねこさがし」は二人の主婦と、それぞれの問題アリな旦那の話。って書くとなんかドタバタコメディみたいだけど、その真逆です。なんてったって旦那のうち一人はうつ病で、そんな彼を献身的に支える妻、みたいな図なのである。もう一組は不倫疑惑の旦那と、探偵を雇ったりして奔走する妻、って感じ。このお話に関してはこんなありきたりで陳腐な説明をしたら読んでくれる人減りそうで本当にどう言及したらいいのか困っちゃうな。
短いけど綺麗に収まっていて群像劇っぽさのある気持ちのいい終わり方だった。
この鬱になっちゃった旦那さんを見守る女性といい、不倫に心痛める女性といい、「かんぺきな街」の登場人物といい、みんな何かしら傷を負っている人なのです。そして売野漫画ではその傷ついた人たちがほんの少し救済されたり、救済のきっかけを与えられたりする話が多いように思うのです。
漫画のストーリーにおいて、他者からの助けを借りて救済されるのって2パターンある気がして、一つは救済者が底抜けに破天荒だったり(ワンピースのルフィとか)、優秀だったり(宇宙兄弟のムッタとか)して、病める人や傷ついた人をウオオオオオオ!!!!!!!と救っちゃうパターン。こんなちっぽけなことで悩んでるのアホらし!!ってなったり、悩みの根本を解決したりしてくれる。「苦しんでるお前をほっとけないんだよ!!!!!」みたいな。
売野機子漫画はだいたい2パターン目の感じがします。だからきっとこんなに切ない気持ちになるんだね。1パターン目だとカタルシスを得られるのでそれはそれで大好きです。
1パターン目は「これ面白いよ、読んでみて!」人に勧めやすくて、2パターン目は一人で、もしくはすでにそれを好きな仲間どうしでしんみり「これはとてもよいものだ…」と感慨深くなるのが私にとってしっくりくる楽しみ方ですね。
「かんぺきな街はとてもよいものだった…」というひとりごとで締めましょうか。おやすみなさい。