概要

グルテンフリー (GF) ダイエットは、穀物 (特に小麦) に含まれる貯蔵タンパク質であるグルテンをまったく摂取しないダイエットです。GF ダイエットは、小腸内の繊毛に損傷を与えるグルテンに対する炎症性免疫反応で栄養素の吸収を妨げ、胃腸障害、場合によっては栄養障害や長期にわたる健康上の問題を引き起こすセリアック病患者に欠かせないものです。セリアック病の発生件数はここ数十年、急増しています。また、グルテン過敏性があると診断される人々の数が増加していますが、これは GF ダイエットによって緩和されると思われます。グルテンを控えることによってさまざまな点で、健康を増進できると信じる人々もいます。結果として、GF 製品やメニューはさらに広がっています。

利点

  • GF ダイエットは、セリアック病の症状を通常数カ月以内に軽減することができ、長期にわたる損傷を防ぐために役立つほか、がんや死亡リスクを減らします。
  • GF ダイエットは症状を緩和し、グルテン過敏性のある人々の長期にわたる損傷を防ぐことができます。
  • GF ダイエットは、自己免疫疾患などの治療にも役立つ可能性があります。
  • リスクと注意点

  • GF ダイエットの展開や観察については、栄養士に相談する必要があります。
  • セリアック病の患者の場合、ごく少量のグルテンによって数カ月続く症状が引き起こされる場合があります。
  • GF ダイエットは複雑で、実行するのが難しい場合があります。すべての食品のラベルを読む必要があります。
  • セリアック病の患者は、成分が確認されていないすべての食品を避ける必要があります。
  • 高品質の GF 食品は高価で、見つけるのも大変です。
  • 大部分の人は、グルテンを含む穀物から食物繊維とビタミンの一部を摂取しています。
  • GF ダイエットは、穀物ベースの食品に存在する栄養素が欠乏する可能性があるため、サプリメントが必要となる場合があります。
  • 製品には、でんぷん、加水分解または繊維状の植物性タンパク質、結合剤、賦形剤、増量剤など、隠れたグルテンが成分に含まれている可能性があります。
  • GF 食品は製造または加工中、グルテンに 2 次感染する可能性があります。
  • レストランや食事を作る家族や友人などが、グルテンに汚染されている可能性のある食品を把握していない場合があります。
  • 胃腸症状のための GF ダイエットによって、クローン病などの症状がわからない可能性があります。
  • GF ダイエットには、エネルギーレベルや集中力の増加、自閉症や問題行動の治療など、さまざまな主張がありますが、科学的な証拠はありません。
  • 仕組み

    米食品医薬品局は、グルテンが 20 ppm 未満の食品にはグルテンフリーラベルの表示を許可しています。これはセリアック病の患者に安全なレベルであると考えられています。ただ、ヨーロッパの機関や認証プログラムの大部分はグルテンの限度を 10 ppm 以下に設定しています。

    グルテン過敏性がある人々は監督の下、低グルテンダイエットを行うことができます。グルテン過敏性は変わるため、グルテン過敏性がある人に統一されたな安全なグルテン摂取量はなく、GF ダイエットはしばしば試行錯誤を重ねて行われます。

    初期の GF ダイエットは次のものを基本としています。

  • 新鮮な果物と野菜
  • 牛乳
  • 熟成チーズ
  • 新鮮な牛肉、豚肉、鳥肉、魚、卵などの未加工のタンパク質
  • 乾燥豆
  • ナッツ等種実類
  • 添加物のない植物油
  • 禁止されている穀物には、以下のものが含まれます。

  • グルテンタンパク質プロラミンやグルテリンを含むすべての小麦 (デュラム、スペルト、カムートなど)
  • ホルディンとして知られる貯蔵タンパク質を含む大麦
  • セカリンと呼ばれる貯蔵タンパク質を含むライ麦
  • ライ小麦などの交配種
  • グルテンを含む場合の多い加工食品には次のようなものがあります。

  • スープ
  • サラダドレッシング
  • マリネ
  • ソースとグレービー
  • 醤油
  • 模造ベーコンとシーフード
  • ランチョンミート
  • タレ付きの鳥肉
  • キャンディ
  • 聖餐用聖餅
  • 自然調味料
  • 増粘剤
  • 大麦や小麦で醸造されたビールの大部分
  • 1 日当たり約 1 カップの調理したオーツ麦は、セリアック病の患者にとって安全な場合もありますが、栽培や収穫、輸送、貯蔵、加工中に 2 次汚染する可能性があります。GF ダイエットに含まれるその他の穀物やでんぷんには、次のようなものがあります。

  • トウモロコシ
  • 大豆
  • ジャガイモやサツマイモ
  • タピオカ
  • ソラマメ粉
  • ソルガム
  • キヌア
  • 雑穀
  • アロールート (クズウコン)
  • アマランサス
  • テフ
  • ナッツ粉
  • そば粉、市販のそば粉製品には小麦粉が含まれているものがあります
  • 一般的な食事内容

    セリアック病財団 (Celiac Disease Foundation) の 7 日間グルテンフリー食事プラン (7-Day Gluten-Free Meal Plan) の初日の夕食、GF ソーセージ、サンドライトマト、ほうれん草、バジル、パルメザンチーズの GF パスタ、インゲン豆添え。

    専門家の意見

    GF ダイエットはセリアック病の患者には欠かせないもので、通常、グルテン感受性を示す人々に推奨されます。GF ダイエットは、米栄養士会 (Academy of Nutrition and Dietetics) やセリアック病の組織によって考案されました。ただ、食品内のグルテンを検出する正確な方法がないほか、セリアック病やグルテン感受性の高い患者に安全なグルテンの量を何が構成するかについての証拠がないため、GF ダイエットの厳密な定義はありません。大部分の専門家は、セリアック病の患者やグルテン感受性が認められた人々以外には、GF ダイエットの健康に関連した主張を承認していません。

    詳細は、セリアック病財団 (Celiac Disease Foundation) や メイヨークリニック (Mayo Clinic) をご覧ください。