ダイエットと言えば食事と運動の管理

TVでも、雑誌でも、ダイエット情報はたくさん氾濫していますが、食事と運動に準じている方法がほとんどです。当たり前と言えば当たり前なのですが、理学療法士の私としては、この傾向にプラスして考えたい要素があります。それが「動作習慣」です。

「動作習慣?運動を習慣的にするってことでしょ?」

いやいや違うんです。そもそも、運動と動作って同じように感じるかもしれないですけど、意味合いがちょっと変わるんですね。

まず、運動という言葉の意味ですが、

人間の身体的な運動に関する意味として
【からだを鍛え、健康を保つために身体を動かすこと】
とされています。

一方、動作の意味は、
【何かをしようとして、からだを動かすこと。また、その時のからだの動き】
となっています。

小難しい言葉の意味なんか抜きで、もっと短絡的に言うと、

・運動=することが目的
・動作=目的のために手段として行うこと

と、なります。

私達、理学療法士は、運動を通じて動作に変化を起こし、生活の中で生じる、多様な目的に応じた動作(手段)を提案しています。その視点をもって、世の中を見渡すと「最近、動作習慣が減っているなぁ」と感じるわけです。

わかりやすく実話をもとに話を進めましょう。

日常の選択肢がいかに矛盾しているのか?  

前にスポーツドリンクのCMで似たような状況がありましたけど、皆さんは日常生活で、階段とエスカレーターがあったら、どちらを選択しますか?

いきなりこんな質問をするのは、よく矛盾する光景を目にするからです。我が家の近所では、ウォーキングをされているご夫人方がいらっしゃいます。早朝から黙々と歩いています。毎日、頑張っておられ、まさに前述した運動という行為そのものです。

後日、偶然にもスーパーで、ご婦人の一人と遭遇しました。エレベーターに乗って上の階に行くようです。さらに奇遇にも上の階から降りてくるのも目撃しました。(誤解のないようにお伝えしておきますが決して見張っていたわけではありません)今度はエスカレーターを使って降りてきています。

この時の矛盾がおわかりでしょうか?

健康管理のためやダイエットのために、ウォーキングやランニングをする人って多いです。しかし、日常でエスカレーターやエレベーターを使う人も多いのです。つまりは、運動はわざわざ時間をとってするけど、動作は楽をしているってことですね。階段を上ることは、ジョギングをするよりも1分間あたりのカロリー消費量は大きいといわれてます。これってもったいなくないでしょうか?

スポーツや運動そのものを楽しんでいる場合はいいのですが、少なくともダイエットや健康管理という目的のために運動をするのなら、動作習慣も見直すべきなんですね。

特に最近は、生活の中で楽になった事が多く、目的を果たすために動作をする事が少なくなりました。これに関して、事例を挙げてみます。

・洗濯 :全て自動になり、乾燥機と一体であれば、干す手間すらなくなってきている。
・皿洗い:洗浄機で自動洗浄
・掃除 :簡単な床掃除はロボット任せ
・料理 :手間なしのカット野菜やレトルト食品の氾濫。弁当販売の充実

まあ、挙げればきりがないです。さらにさかのぼり、戦後から考えれば、生活の為の動作量は半分以下かもしれません。今まで、生活の中で多くの動作が必要とされましたが、今は少しでも便利に、楽に過ごせるかを追求する時代になりました。

その結果、生活の中で動作が失われ、わざわざ健康やダイエットのために運動する時間を設ける必要が出てきているのです。

そこから考えるダイエット成功の視点。それは、「日常の不便さを習慣化」するということです。

便利さは体も心も肥満にします。先に例を挙げたエスカレーターと階段の件。いずれも移動という行動ですが、便利さを求めれば動作する機会や習慣を失うのです。その怠慢が心にも体にも脂肪をつけてしまいます。

外食や弁当の購入は、調理という動作をする機会を失わせ、階段を上らない移動手段は、身体の代謝や筋力向上の機会も失わせる。

動く事が嫌いな人がダイエットのための運動に積極的になれるのでしょうか?目的とする事の為に、あえて不便さを選択するほうが、わざわざ運動をする時間をつくるよりもずっと効率的。

あえて階段を選ぶ。食事を買わず自分で作る。掃除の回数を増やす。そんな簡単なところから、生活の中に動作を臆することなく取り入れる事が、ダイエット前に大切な意識と習慣です。

運動を積極的にできない人は、
・運動の時間を作る事が苦手
・運動に集中する事が苦手
・運動をきつく感じやすい

その点を考えると、生活の為に動く習慣を身につけるほうがハードルが低いです。そこを見なおして、いつもの生活習慣、動作習慣を見直してみませんか?わざわざ運動時間を作るよりも、もっと簡単にできること。それが、日常生活における不便さの選択。これに対し生活の中の動作で楽を求めているようでは、ダイエットや健康管理など程遠いと感じるべきでしょう。

それが、ぼくが理学療法士として考えるダイエット効果を高める意識と習慣です。

コメント

コメントフォーム
評価する
  • リセット
  • リセット

トラックバック