みなさんは、自分のBMI値を知っていますか?
BMIとは、身長と体重から算出する肥満度の指標のこと。たとえば身長165cm、体重55kgだとBMIは20。日本肥満学会によれば「22」が標準体重とされていますから、20は標準よりも少しやせ型。25を超えたら肥満で、生活習慣病に気をつけなければいけないといわれています。
そうであるだけに、BMIが20かそれ以下という人は「私は太っていないからだいじょうぶ、生活習慣病とは無縁」と思いがちです。
でもじつは、BMI20以下でも肥満とされるケースがあるというのです!
今回は、『やめたい食べグセ』(KKベストセラーズ)の著者で加圧トレーニング&ピラティス『rinato』代表・森拓郎さんに、BMIが平均以下でも陥りやすいかくれ肥満についてお聞きしました。
■国によって大きく違うBMIの評価
BMI(ボディ・マス・インデックス)は
BMI値=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
で算出できます。
日本肥満学会によると、18.5~25未満が“普通体重”。25以上で肥満(1度)、30以上で肥満(2度)と、数値が上がるにつれて肥満の程度もアップしていきます。(肥満度の判定基準は記事の最後)
「日本の若い女性の平均は、だいたい身長157cm前後でBMI21未満。これは、世界的に見てものすごく痩せているんです。たとえばアメリカだとBMI25は平均的な体重ですし、国によって数値の評価は違っています」(森さん)。
冒頭の「身長165センチ、体重55キロ」は日本だと平均的ですが、アメリカだと超・やせ型ということになります。
■「筋肉が非常に少ない」かくれ肥満
さらに、森さんはこう続けます。
「じつは、日本の若い女性にはBMIが20以下でも肥満とされる人が少なくないんです。いわゆるかくれ肥満です。かくれ肥満の特徴は、筋肉が非常に少ないこと。体重だけを目安にして、食事を減らすダイエットをしていると陥りやすいものです」
森さんによると、モデル体型の女性のなかにも、体脂肪率が28~30%という人がけっこう存在するのだそう。これは驚きですね。
「20~30代の若い時期に身長が160cm以上あるような人でも『体重50kgが下回れたらいいな』と食事を極端に減らすようなダイエットを繰り返す人がけっこういます。それで5kg落ちても、そのうち2.5kgは筋肉が落ちているかもしれない。その後リバウンドで元の体重に戻ったとしたら、増えた分の殆どは脂肪だけで戻っている可能性が高いのです。
年齢とともに代謝は落ちてやせにくくなります。若いときにそういう方法を繰り返して筋肉を減らしていくと、脂肪がたまりやすく、しかも落としにくくなる悪循環に陥ってしまいます」
BMI20以下でも、食べる量を減らす食事制限ダイエットに熱心で「2~3kgぐらいすぐ落とせる」と思っている人は要注意。自分自身でやせにくい身体をせっせとつくり上げている可能性があるのです。
■かくれ肥満脱出のカギはタンパク質
かくれ肥満を解消するには、ためこんだ脂肪を燃焼し、失われてしまった筋肉をしっかりと取り戻していくことが必要。
そのために、森さんは著書「やめたい食べグセ」のなかでタンパク質を意識してとる食生活を勧めています。
本書のなかで森さんは、「『やせる』というのは、体重を落とすことではなく、筋肉を維持し体脂肪を落とすこと」と指摘。糖質はタンパク質・脂質よりも体脂肪になりやすく、インスリンの働きで脂肪を身体に蓄えやすい状態を作ってしまう、としています。
「ごはんや糖分などの糖質はエネルギーにしかなりませんが、タンパク質はエネルギーにも筋肉や皮ふ、髪の毛にもなります。それに、高タンパクなものの方が腹持ちもいい。できるだけ糖質をとらない食事を意識していただきたいんです」(森さん)
食事では、意識して肉類や魚、卵料理など高タンパクなメニューをとるのがいい、という森さん。
「肉類でも牛肉がもたれる場合は鶏肉とか、豆腐などの豆類もおすすめです。小腹がすいたときのおやつや残業のお供にも、ナッツ類ひとつかみや6Pチーズ、ゆで卵といった良質なタンパク質をとるように心がけてください」
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おなかがすいたときに手軽に食べがちなおにぎりやパン、スイーツ、外食でチョイスしがちなどんぶりものや揚げものなどは、すべて糖質過多な食品。
森さんの著書「やめたい食べグセ」では、つい陥りがちなこうした糖質過多な食事のクセを高タンパクなものに転換するアドバイスが詰まっています。
自分はかくれ肥満かもしれないと思ったら、「やめたい食べグセ」を参考に、ついやってしまう糖質過多な食べグセを見なおしてみてはいかがでしょうか?
■BMIによる「肥満度」の判定基準
18.5未満・・・低体重(やせ)
18.5~25未満・・・正常体重
25~30未満・・・肥満(1度)
30~35未満・・・肥満(2度)
35~40未満・・・肥満(3度)
40以上・・・肥満(4度)
(文/よりみちこ)
【取材協力】
※森拓郎・・・1982年生まれ。大手フィットネスクラブを経て、2009年、自身のスタジオ『rinato』(加圧トレーニング&ピラティス)を東京・恵比寿にオープンし、ボディメイクやダイエットを指導している。
トレーニング至上主義のフィットネス業界に疑問を感じ、栄養学を学び、健康的に理想の身体をつくるための食事指導に力を入れている。著書『ダイエットは運動1割、食事9割』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)は15万部を突破、多数のメディアで注目されている、今話題のボディワーカー。
【参考】