「ザーネクリーム」は、赤ちゃんから大人まで、幅広い世代に60年以上愛され続けている肌荒れ改善の市販薬です。
「ザーネクリーム」といえば、手荒れ予防のイメージが強いかもしれませんが、実は今、「ザーネクリーム」を保湿クリームとして、顔に使う人が増えているのです。
そこで今回は、「流行のニベアクリームを越えた!」とも言われている「ザーネクリーム」の保湿効果を検証し、スキンケアとしての使用方法や注意点を紹介します。
「ザーネ」で顔の保湿はできるのか
「ザーネ」と言っても、「ザーネ軟膏」と「ザーネクリーム」の2種類があり、二つは成分や効果が異なるので、使用の際には注意が必要です。
今回は、保湿効果に注目して「ザーネ」を検証し、「ザーネ軟膏」と「ザーネクリーム」の違いや、どちらが優れた保湿効果をもっているかを紹介していきます。
「ザーネ」ってなに?
「ザーネ」には、「ザーネ軟膏」と「ザーネクリーム」があり、二つを混同している人が多いのですが、この二つは成分や効果、入手方法が全く異なります。
「ザーネ軟膏」と「ザーネクリーム」は、ビタミン剤の「チョコラBB」シリーズで有名な製薬会社、エーザイ株式会社が販売しています。
似ている名前の二つですが、薬局やドラッグストアで手軽に買える「ザーネクリーム」に対して、「ザーネ軟膏」は病院で処方箋をもらわないと手に入りません。
このように、大きく分けて処方薬と市販されている医薬部外品2種類の「ザーネ」がありますが、市販されている「ザーネ」は、昔からあるザーネクリームだけでなく、今ではローションなど他に3種類のシリーズ品があります。
「ザーネ軟膏」と「ザーネクリーム」は、どちらも皮膚の乾燥を改善するために使用されますが、入手方法以外にも成分や効果などの違いがあるので、それぞれの効果を知った上で正しく使用しましょう。
【要注意】ザーネクリームとザーネ軟膏は別物
「ザーネ軟膏」と「ザーネクリーム」の違いを、それぞれの特徴を確認しながら比較していきましょう。
【ザーネ軟膏】
ザーネ軟膏は、1981年から販売されている、病院で処方される医療用医薬品で、正しい商品名は「ザーネ軟膏0.5%」です。
ザーネ軟膏の主成分は、レチノールとも呼ばれる脂溶性ビタミンであるビタミンAで、名前に「軟膏」とついていますが、柔らかいクリームタイプの塗り薬です。
ザーネ軟膏の有効成分はビタミンAだけで、他には低刺激の添加物しか含まれていませんので、ザーネ軟膏には特に保湿成分が含まれていません。
ザーネ軟膏の主成分であるビタミンAは、新しい肌に生まれ変わる周期(肌のターンオーバー)を促すことで、皮膚の一番外側である角質層が固くなり過ぎるのを抑える作用があるので、ザーネ軟膏は「角化性皮膚疾患」つまり「皮膚(角質層)が硬くなっている病気」の治療のために使う薬です。
また、ザーネ軟膏に含まれるレチノールというビタミンAにはピーリング効果があり、古い角質層を落としてくれますが、塗り続けると新しい角質層まで落としてしまう危険性があるので、注意して使用しましょう。
ビタミンAの大量投与による催奇形性が報告されているため、ザーネ軟膏の使用上の注意に「妊婦には慎重投与」と記載されていますが、ザーネ軟膏で副作用が起こる頻度は0.61%とも報告されているので、副作用が起こる可能性は非常に低く、基本的には安全な塗り薬と言えます。
ザーネ軟膏の特徴
- 硬くなった皮膚を柔らかくする作用がある
- 副作用はほとんどないが、妊婦は慎重投与
- 特に保湿成分は含まれていない
【ザーネクリーム】
医薬部外品のザーネクリームは、肌荒れや皮膚の乾燥を防いでくれる、サラッとしているクリームタイプの保湿剤で、正しい商品名は「ザーネクリームE」です。
1954年に「チョコラビタミンADザーネ」として誕生したザーネクリームは、60年以上多くの家庭で親しまれ続けている素肌ケアの定番アイテムで、赤ちゃんにも使え、今ではクリーム以外にもローションなどのシリーズ商品も3点あります。
現在ザーネクリームは3種類の大きさで販売されていて、チューブタイプの28gが希望小売価格324円(税込)で、ジャータイプの57gが626円(税込)、115gが1,118円(税込)なので、どれもリーズナブルな価格で手に入れやすい塗り薬ですね。
ザーネクリームの有効成分は、肌のターンオーバーを促す「天然型ビタミンE」、抗炎症作用をもつ「グリチルリチン酸ジカリウム」、保湿効果のある「大豆由来レシチン」です。
ザーネクリームは、ビタミンEが皮膚の血流を促進して、グリチルリチン酸ジカリウムが肌の炎症を静め、大豆由来レシチンが肌の水分を保ってくれるので、肌の保湿や保護の効果が期待できます。
天然由来成分が主成分のクリームなので、乾燥肌の人にはもちろん、幼児や敏感肌の人など、肌が弱い人でも全身に使える保湿クリームなので安心して使えますね。
ザーネクリームの特徴
- 保湿成分「大豆由来レシチン」を含む、3つの有効成分が入っている
- 3種類の大きさで販売されている
- クリーム以外にもザーネシリーズの商品が3点ある
保湿をするならザーネ軟膏よりもザーネクリーム!
ザーネ軟膏とザーネクリームの違いを比較すると、それぞれの有効成分や使用目的が異なるため、全く別の薬だということがわかりました。
ザーネ軟膏には保湿に有効な成分は含まれておらず、ザーネクリームには保湿成分である「大豆由来レシチン」が配合されています。
また、ザーネクリームのパッケージに記載されている効能・効果として、「皮フの乾燥を防ぐ」や「皮フにうるおいを与える」、「肌を整える」と挙げられているので、保湿効果には期待ができます。
つまり、保湿クリームとしてスキンケアに使用するのが向いているのは、ザーネ軟膏ではなく、薬局でも買えるザーネクリームと言えます。
ザーネクリームの保湿力を検証
ザーネクリームの有効成分や、保湿クリームとしてスキンケアに取り入れる際の使用方法、そして、クリーム以外のザーネシリーズも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ザーネクリームの有効成分をチェック
ザーネクリームには3つの有効成分が含まれています。
①大豆由来レシチン
大豆から抽出したレシチンは保湿力が高く、浸透性も優れているので、荒れた肌をしっかり保湿して、乾燥から肌を守ってくれます。
また、大豆由来レシチンには、肌のターンオーバーを促す作用もあるので、肌の生まれ変わり周期が乱れた肌を正常な状態に戻すために機能してくれます。
②天然型ビタミンE(酢酸d-α-トコフェロール)
ビタミンEには、人の体内での効力が高い順に「天然」「天然型」「合成」の3種類があり、植物油から直接抽出して、酢酸をつけ安定化したのが「天然型ビタミンE」で、成分表示では「酢酸d-α-トコフェロール」と表記されています。
天然型ビタミンEは、私たちの毛細血管の血流を良くし、新陳代謝を活発にすることで、肌のターンオーバーを促してくれるので、荒れた肌の改善スピードを促進してくれます。
また、ビタミンEは老化の原因になる活性酸素の増加を抑制する抗酸化作用があるため、アンチエイジング効果にも期待できます。
③グリチルリチン酸ジカリウム
グリチルリチン酸ジカリウムとは、漢方薬で知られる甘草(かんぞう)の有効成分で、抗炎症作用をもっています。
乾燥による肌の炎症はもちろん、ニキビや日焼け、かみそり負けなどで炎症した肌を沈静させるのにも有効です。
以上の通り、ザーネクリームに含まれている「大豆由来レシチン」「天然型ビタミンE」「グリチルリチン酸ジカリウム」、この3つの有効成分が、キレイな肌づくりのサポートをしてくれます。
他にも、ザーネクリームには、保湿成分「グリセリン」や「ステアリン酸」なども含まれているので、しっかりと肌の保湿ができます。
保湿クリームとしてザーネクリームを使用するには
ザーネクリームをスキンケアアイテムとして使用する具体的な方法は、洗顔後すぐに化粧水で整えた顔に、ザーネクリームを塗り、ハンドプレスをしながらしっかりなじませるという方法です。
乾燥がひどく、敏感になっている肌には、ザーネクリームを顔に「塗る」のではなく、手のひらで「包み込む」ようにプレスしながら顔になじませましょう。
ザーネクリームを手にのせ、体温で温めてから顔になじませたり、乾燥が特に気になる部分にはクリームを重ね塗りしたりすると更に保湿効果が高まります。
ザーネクリームでパックをするスキンケア方法もあります。
洗顔後、化粧水で肌を整えた後、顔全体にザーネクリームを塗り10分~15分置いた後に、化粧水を含ませたコットンや蒸しタオルでやさしく拭き取りましょう。
クリームパックをする前に蒸しタオルで顔の毛穴を開いたり、パックをしている時にスチーマーを使用したりすると、さらに保湿効果が期待できるので、時間がある時のスペシャルケアとして試してみてください。
また、ザーネクリームと精製水を混ぜて乳液として使うという方法もあるので、クリームのベタベタ感が苦手という人におすすめです。
様々な菌が付着している指で、そのままクリームをとると衛生的に良くないので、ジャータイプのザーネクリームを使用するときは、化粧品用のスパチュラ(ヘラ)ですくって使用するようにしましょう。
ザーネシリーズを徹底比較
60年以上前に誕生したザーネクリームですが、今ではクリーム以外にもシリーズ商品が3点あるので紹介していきます。
ザーネ スキンローション
140ml 希望小売価格1,134円(税込)
ザーネシリーズの中で、一番サラっとしているテクスチャーなのが、ザーネ スキンローションです。
ザーネ スキンローションは暑い季節にさっぱりと全身の保湿をしたい時や、化粧水として普段のスキンケアとして使用できます。
配合されている有効成分はザーネクリームと同じですが、加えて、ザーネ スキンローションには角質層の水分維持をサポートする保湿成分、キシリトールが配合されています。
また、ザーネ スキンローションは、皮膚と同じ弱酸性で、色素や香料、殺菌剤などの添加物が不使用なので、クリームよりも更に低刺激で、赤ちゃんや、敏感肌の人には特におすすめです。
ザーネスキンミルク
140g 希望小売価格1,134円(税込)
ザーネ スキンミルクはローションより油分がありますが、クリームよりもさっぱりとした使い心地で、乳液としてスキンケアに取り入れることができます。
ザーネ スキンミルクも、配合されている有効成分はザーネクリームと同じですが、それに加えて、保湿成分のスクワランも含まれているので、クリームよりも更に保湿したい人におすすめです。
クリームのベタつきが苦手だけど、ローションではさっぱりし過ぎて物足りないと感じている人には、ザーネ スキンミルクがぴったりの商品です。
チョコラザーネプラス
60g 希望小売価格1,490円(税込)
チョコラザーネプラスは、ザーネクリームよりも更に濃厚なクリームで、ガサガサに硬くなった手足やひじ、ひざ、かかとなどの角化症やさめ肌、老人の乾皮症に効果的な第3類医薬品です。
チョコラザーネプラスには、天然型ビタミンEやグリチルリチン酸ジカリウムに加えて、硬くなった皮膚をやわらかくする尿素が20%配合されています。
体の非常に硬くなった部分向きの商品なので、顔への使用はおすすめできませんが、ストッキングが伝線するほど硬くなっているかかとなどには、ぜひ試してみてください。
クリーム、ローション、ミルク、症状や使い心地に合わせて、あなた好みのザーネをぜひ見つけてくださいね。
保湿だけじゃない!ザーネクリームのスキンケア効果
ザーネクリームには保湿効果があるということがわかりましたが、実はザーネクリームには、保湿効果の他にも肌に嬉しい効果があります。
【ニキビ予防効果】
ザーネクリームに含まれているグリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症作用が、ニキビの炎症を落ち着かせ、天然型ビタミンEが肌のターンオーバーを促し、荒れた肌の生まれ変わりをサポートしてくれます。
ザーネクリームを塗るときに、ニキビやニキビ跡が気になる部分にはザーネクリームを重ね塗りしてしっかり成分を補給しましょう。
ザーネクリームのパッケージの効能・効果欄にも、「ニキビを防ぐ」とはっきり書かれているので、効果があると言えます。
しかし、ザーネクリームはニキビ予防やニキビ跡への効果があるといっても、あくまでもニキビケアの補助的な役割で、クレーターのようなニキビ跡に効果がある成分は含まれていないので、重点的にニキビケアをしたい人は他のニキビ肌用化粧品も使用しましょう。
【カミソリ負けを防ぐ】
ザーネクリームに含まれている抗炎症作用をもつ成分、グリチルリチン酸ジカリウムが、カミソリを使用した後の肌に起こるかゆみや炎症も治めてくれます。
【日焼け・雪焼け後のほてりを沈静】
グリチルリチン酸ジカリウムの抗炎症成分の働きで、ザーネクリームが日焼けや雪焼けをして炎症している肌も落ち着かせてくれます。
水仕事後の手を保湿する効果だけでなく、ひげ剃りやニキビによって炎症している肌のケアにも使えるザーネクリームは、ひとつ常備しておくと、季節を問わず色々な場面で使えて便利ですね。
ザーネクリームを使用するときの注意点
優れた保湿効果をもち、肌の炎症を落ち着かせてくれる効果もあるザーネクリームですが、使用する前には、使用上の注意も確認しておきましょう。
まず、ザーネクリームは有効成分が含まれているので、副作用が出る可能性もゼロではないという点を理解して使用しましょう。
起こる可能性がある副作用は、皮膚の赤みや湿疹、刺激などですが、ザーネクリームで副作用が起きることは稀で、起きたとしても軽度な場合がほとんどです。
しかし、もしザーネクリームを使用して、副作用のかゆみなどを肌に感じた場合は使用を中止しましょう。
また、ザーネクリームは乾燥肌の人にはおすすめですが、その反対に脂性肌(オイリー肌)の人にはおすすめできません。
ザーネクリームは油分が多いので、脂性肌の人が使用すると、肌が更にベタついたように感じるかもしれません。
ベタつきが気になる脂性肌の人がザーネクリームを無理して使い続けると、毛穴の詰まりの原因になることもあるので、注意してください。
脂性肌の人でザーネクリームを試してみたい人は、クリームの代わりに、有効成分はほとんどザーネクリームと同じで、ザーネシリーズの中で一番油分が少なくさっぱりしているザーネ スキンローションを使用してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
ザーネクリームには乾燥肌の人には嬉しい保湿効果があり、加えてニキビの予防や、カミソリや日焼けによる肌の炎症を鎮静する効果もあることがわかりました。
こんなにも万能なザーネクリームを、あなたも今すぐ使いたくなったのではないでしょうか。
ザーネクリームは一般的な基礎化粧品に比べると低価格なので、気軽に試したり、継続して使用し続けたりできるのも嬉しいですね。
顔全体に塗らなくても乾燥やニキビが気になる部分だけにつけたり、ハンドクリームとして職場のデスクに置いたり、体の色々な部分に使えるザーネクリームを、これから上手に活用してみてくださいね。