管理栄養士が教える。1日30品目を食べるコツとは?
健康のために、「1日30品目を食べましょう」という言葉をよく耳にします。そこで、筆者が1日で食べた食材を数えてみると、約15種類でした。とても30種には届かないことに気付きました。ひとり暮らしの友人たちも同じように話します。
そこで、多くの食材を栄養バランスよく食べるコツはないものかと、糖尿病専門クリニックで患者さんの食事指導にあたる管理栄養士の西山和子さんに聞いてみました。
■野菜カレーなら、トッピング次第で8品目ほどになる
「1日30品目を食べよう」という目標の根拠について、西山さんはこう説明します。
「毎日30品目とは、1985年に厚生労働省が作った『健康づくりのための食生活指針』で提唱された栄養目標です。『30』という数字が分かりやすくて広まりました。一方で、数に神経質になる、食べ過ぎる例も増えたので、2000年には『主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスをよく』と表現が変わりました。
ただ、食べる品目の数が少ないと、栄養素の必要な量を確保することができません。『毎日30品目ぐらいを食べる』と、自然に栄養のバランスがよい食事になるので、いまも栄養指導の際の目安としています」
自分で数えてみると、30品目にはとても及びません。
「外食やファストフード、テイクアウトの総菜を利用することが多い場合は、カロリーに注意しながら、同じメニューばかりにならないように意識しましょう。例えば野菜カレーを選ぶと、野菜5種とトッピングにチーズ、それにルー(油脂)とごはんで8品目になります」(西山さん)
■栄養バランスがよいメニューはカロリーも抑えられる
ではここで西山さんに、毎日続けて30品目を食べるコツを教えてもらいましょう。
「まず、自炊でもテイクアウトでも外食の場合でも、『主食』・『主菜』・『副菜』をそろえるようにしてください。
『主食』は米、パン、めん類などの穀類で、栄養素は炭水化物です。
『主菜』とは魚や肉、卵、大豆製品を使ったメインのおかずのことで、タンパク質源となります。
『副菜』は野菜や海藻、きのこ類を素材にしたサイドメニューで、ビタミン、ミネラル、食物繊維などをとることができます。副菜をじょうずに用意することが、栄養バランスを整えるポイントになります。
これらを組み合わせた食事を毎日、最低2食以上を食べると、だいたい30品目を食べているのに近い栄養バランスになります。和食店の定食メニューが参考になるでしょう。副菜をできるだけ2品にします。ただし、1回の食事でカロリーをとり過ぎないようにするため、ごはんを大盛りにするのは避けてください」
ものぐさで、考えるのが面倒な筆者のようなタイプはどうすればいいでしょうか。
「例えば、コンビニやスーパーで買い物をする場合には、600キロカロリーくらいの、幕の内弁当を買うようにしましょう。
ファストフード店なら、ハンバーガーとポテトではなく、ポテトを野菜サラダに変えます。丼店では、大盛りの丼とみそ汁だけではなく、丼を並盛にして野菜サラダをオーダーしてください。これを続けると、栄養バランスが整うだけではなく、カロリーも抑えられます」と西山さん。
また、「簡単な自炊の場合でも、少しの工夫で複数の品目をとることができます」と、西山さんは次のようにアドバイスをします。
・トーストに冷凍ミックス野菜と、チーズをオンしてトースターで3〜5分ほど焼き、ピザ風に。見た目にカラフルに仕上げます。
・チャーハンやピラフ、炊き込みご飯など、具だくさんの混ぜご飯のレトルトは便利。
・豚汁やミネストローネは、具だくさんのスープなので品目が多種になります。
・「おやつは食事の補助食」と考えて、フルーツや雑穀クッキー、ミルクなどを選びましょう。
・ドリンクには、野菜ミックスジュースを選びましょう。ただし、果汁のパーセントや糖分が高いものは避けて。
・品目が足りないと思ったら、栄養補助食品の鉄・カルシウムなど、女性なら葉酸もお勧めで、サプリメント(マルチビタミン)で補うのも可です。
・野菜を買うときは、トマトの赤、レモンの黄色、ナスビの紫、キャベツの緑など、「色めを豊かに選ぶ」と、必然的に多くの種類、栄養素がとれます。
おにぎりだけ、パンだけ、という偏ったメニューではなく、「ごはん+メインのおかず+サイドのおかず2品」、「できるだけカラフルに食材を選ぶ」ことを意識すると、1日30品目を食べることができるようです。さっそく日々の食事に取り入れてみませんか。
(品川緑/ユンブル)
取材協力・監修 西山和子氏。糖尿病専門・ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)にて管理栄養士、糖尿病療養士。糖尿病、生活習慣病、メタボリックシンドロームの患者さんを対象に、パーソナルな食事指導にあたる。『専門医が考えた 糖尿病に効く「腹やせ」レシピ』(福田正博 洋泉社)の監修担当。また、食生活に関する記事の執筆、監修多数。