おつまみの定番、枝豆は一粒一粒に栄養がぎっしり!
ビールのお供と言えば枝豆ですよね。現代では冷凍枝豆がごく普通に出回っているので季節に関係なく食べることができるようになりましたが、それでも暑い夏に食べるとれたて枝豆の味は格別です。
枝豆はお酒に合うだけでなく、酒好きの人の健康を守ってくれる健康的なおつまみでもあります。枝豆は女性の健康にも良い働きをしてくれますよ。詳しくみていきましょう。
枝豆はどんな栄養素が含まれるのか
先ずは枝豆にどのような栄養素が含まれているのかをみていきましょう。聞きなれた名前の栄養素もあれば、あまり聞いたことのない、しかし私たちの体に欠かすことのできない栄養素もありますよ。
■1:人間の体の2割を占める「タンパク質」
茹でた枝豆の可食部100gにはタンパク質が11.5g含まれています。
人間の体の2割はタンパク質でできています。タンパク質というのはペプチド(アミノ酸が2~50個くらい結合してできている物質)が結合してできる高分子化合物です。
■2:女性ホルモンによく似た構造と働きを持つ「イソフラボン」
枝豆可食部100g中には女性ホルモンによく似た構造と働きを持つフラボノイドの一種「イソフラボン」が30㎎も含まれています。イソフラボンは加熱することで効果がアップする栄養素なので、加熱調理してから食べる枝豆はイソフラボン摂取にもってこいの野菜です。
イソフラボンは美容と健康に良いと言われる栄養素ですが、年代によって吸収率に差があり、若い男女は年配の方の半分しか吸収されないと言われています。そのため若い人は効果を実感できるまでに時間がかかるかもしれません。効果が実感できなくても焦らずに食べ続けることをお勧めします。
■3:遊離アミノ酸のひとつ「オルニチン」
枝豆には遊離アミノ酸のひとつ「オルニチン」が含まれています。特にだだちゃ豆に多く含まれており、可食部100g中に20~40mgも含まれています(普通の枝豆は10㎎以下)。オルニチンを多く含む食品として有名なのはしじみですが、そのしじみでも可食部100g中に10~20mgと言われているのでだだちゃ豆のすごさが分かりますね。
遊離アミノ酸というのは体内でタンパク質にはならずにアミノ酸のまま血液に乗り、全身を循環しているアミノ酸です。体のどこかでアミノ酸が不足しているときにはタンパク質を作る材料として使われ、逆にアミノ酸が多すぎるときには血液中に放出されてアミノ酸を貯蔵する倉庫のような働きをしています。
■4:必須アミノ酸のひとつ「メチオニン」
生の枝豆の可食部100g中には必須アミノ酸のひとつ「メチオニン」が160㎎含まれています。必須アミノ酸とは人間の体で合成することができないアミノ酸のことで不足すると血液や筋肉、骨などを作ることができなくなります。必須アミノ酸を食品から摂取しなければ私たちは健康を維持することができません。
枝豆に含まれる栄養素の機能と効果
枝豆に含まれている栄養素の種類とその含有量が分かったら次はそれらの栄養素が体内で果たしている健康効果が気になりますね。各栄養素が持つ機能と効能を順にみていきましょう。枝豆に含まれている栄養素はお酒好きの人と女性だけでなくすべての年代の人に良い効果をもたらしてくれますよ。
■1:「タンパク質」は美肌・体系の維持を助けてくれる
タンパク質は美肌・体系の維持を助けてくれる栄養素です。
食物から摂取したタンパク質はそのまま私たちの体を構成するタンパク質として使用されるわけではありません。体内に入ったタンパク質は消化されペプチドやアミノ酸に分解されます。消化されてできたペプチドも最終的にアミノ酸に分解されて全身に運ばれ、筋肉、臓器、皮膚、爪、髪など私たちの体を構成するタンパク質に再構築されます。
タンパク質が不足すると肌のたるみやしわの原因になったり、筋肉が減り基礎代謝量が落ちるので太りやすくて痩せにくい体質になってしまうと言われています。
アミノ酸はその他にも、私たちの体を細菌やウイルスなどから守ってくれる免疫グロブリン(抗体)や、生体活動のあらゆる工程(消化、吸収、輸送、代謝、排泄など)に触媒として関係している酵素、全身に酸素を運ぶ役割のモグロビンの原料にもなり、私たちの体の中で様々な働きをしています。
■2:「イソフラボン」は女性特有の病気・前立腺がんなどの予防に効果的
イソフラボンは女性ホルモン・エストロゲンと似たような働きをして女性の若々しさや美しさ、健康を維持する働きをしてくれると言われています。
イソフラボンは更年期障害の諸症状の改善や骨粗しょう症予防、子宮体がん、乳がんなど女性特有の病気に良い効果があると言われています。その他にも大腸がんや前立腺がんなどのがん予防やがん治療後の予後(生存期間)を改善してくれる効果、アルツハイマー病の予防にも良い効果があると言われています。性別や年齢に関係なく摂取をお勧めします。
女性ホルモン・エストロゲンの働きとは?
女性ホルモン・エストロゲンの働きを紹介します。
①肌の新陳代謝促進
②つやとハリのある髪を保つ
③肌や粘膜(眼・鼻・喉・膣など)のうるおい保持
④卵子を育て排卵の準備をする
⑤子宮内膜を厚くすることで受精卵を着床しやすくする
⑥乳房や女性器、皮下脂肪を育て女性らしい丸みのある体形を作る
⑦コレステロールのバランスを整え動脈硬化を予防する
⑧骨を丈夫にし骨粗しょう症を予防する
⑨生理を周期的に起こす
⑩自律神経を整える
⑪脳の血流を増加させ、記憶力や認知力など脳の働きを維持する
など。エストロゲンの分泌量は加齢とともに減少し、更年期、閉経を迎えます。エストロゲンに似た働きをしてくれる大豆イソフラボンを摂取するとエストロゲンが減少することによって女性の体に起こる様々なトラブルを緩和することができると言われています。
■3:「オルニチン」はアルコールの分解を促進してくれる
オルニチンは肝臓の機能を高めてくれる効果があると言われています。オルニチンをアルコールを分解してくれる栄養素と認識している人も多いかと思いますが、これは実は正しくありません。オルニチンが分解してくれるのはアンモニアです。アンモニアは人間が食べ物(タンパク質)を食べて消化吸収しエネルギーとするときに、どうしても発生してしまう毒素です。
アンモニアは毒なので分解(解毒)する必要があり、その役目を担っているのが肝臓です。オルニチンは肝臓の働きを助けてアンモニアを強力に分解してくれます。
オルニチンには直接アルコールを分解してくれる効果はありません。しかし、アンモニアが原因の疲労感や倦怠感を体から取り除いてくれるので、二日酔いの朝のだるさ(体に残るアルコールとアンモニアが原因)を緩和してくれる効果はあると言われています。
その他にも成長ホルモンの分泌を促進してくれるので、美肌効果や若返り効果が期待できるそうです。
オルニチンは二日酔い予防に効く
オルニチンの主とした効果は先に紹介したアンモニア分解ですが、サブの効果としてアルコールについても良い働きがあるそうです。オルニチンは血液中のアルコール濃度の上昇を抑制する働きがあるので、飲酒前や飲酒中、飲酒後にオルニチンを摂取しておくと若干酔いづらくなると言われています。
肝臓がアンモニアやアルコールなどの体に有害な毒素を分解するときには肝臓を構成する細胞が毒素の分解と引き換えに死んでいます。健康な肝臓ならば死んだ細胞の代わりに新しい細胞がどんどん作られていきますが、食生活が乱れている人や飲酒している人の場合は細胞の再生が間に合わずに肝臓はどんどん弱っていきます。
オルニチンはマウスを使った実験で、肝臓が解毒するときに肝臓の細胞を守り細胞が死ぬのを防ぐ効果があるという結果が出たそうです。また人間を被験者とした実験で、オルニチンを摂取することで肝臓の機能が要注意・異常に該当する人でも、肝臓の機能が改善した結果が出たそうです。肝臓の機能が改善すれば二日酔いしにくくなります。
ただし、オルニチン摂取で肝機能が正常値にまで大幅に改善したわけではないようなので、オルニチンの効果を過信して深酒するのはお勧めできません。
■4:「メチオニン」は肝機能の働きを高める作用がある
メチオニンは肝機能を高めて肝臓でできてしまう毒素や老廃物を体の外に排出し代謝を高める効果があると言われています。また、コレステロールを燃焼させる効果や水に溶けにくい脂肪を水に溶けやすい状態に変えて体外に排出しやすくする働きがあるので、脂肪肝や肝硬変、動脈硬化なども予防してくれるそうです。
メチオニンはその他にもアレルギー症状を緩和する効果やうつ病改善、二日酔い予防、薄毛・抜け毛予防の効果があるそうです。
枝豆の力を引き出す調理法と人気レシピ
枝豆に含まれている様々な栄養素の種類やその健康パワーをここまで紹介してきました。この見出しではそれらの栄養素の力を引き出す調理法と人気のレシピを紹介します。普通にゆがいて食べるのも美味しいですが、それに飽きたらちょっとひと手間をかけて食べてみてください。
■さやのお陰で栄養素を逃しにくいので、茹でても焼いてもOK
枝豆にはここまでに紹介してきた栄養素の他にも葉酸やビタミンB群、ビタミンCなどの水や熱に弱い栄養素も多く含んでいます。しかし栄養素を含む豆がさやに覆われていて直接水に触れることが少ないので調理過程に栄養素を逃がしにくいと言われています。
長時間加熱すれば熱に弱い栄養素は壊れてしまいますが、短時間の加熱にとどめておけば茹でても焼いてもOKです。
■枝豆ナゲット
焼いて作る栄養たっぷりのナゲットです。油で揚げないのでヘルシー。お酒のおつまみにも子供のおやつにもお勧めです。
【材料】
さや付き枝豆(冷凍枝豆でもOK)→100g
サラダ油→大さじ3〜4
鶏むね挽肉→200g
絹ごし豆腐→100g
鶏がらスープの素(粉末)→小さじ1
塩→少々
こしょう→少々
片栗粉→大さじ3
【作り方】
①枝豆を少し硬めにゆがいてザルにあげる。冷凍枝豆の場合は解凍する。枝豆が冷まれたら(解凍できたら)豆をさやから取り出す
②枝豆とサラダ油を除くすべての材料をボールに入れよく混ぜる。全体が混ざったらさやから出した豆を加えてざっくり混ぜる
③フライパンを熱しサラダ油をひく。中火にし油が熱くなったら②をスプーンですくって、もう1本別のスプーンも使ってスプーン2本で形を整えながらフライパンに落としていく。ナゲット同士がくっつかないように少し離して落とす
④焼いている面が固まるまでは崩れやすいのでいじらずに待つ。きつね色になったらひっくり返して同様に焼く
⑤きれいな焼き色がつき中までしっかり火が通ったらクッキングペーパーをしいた取り皿に移して完成
■枝豆のぺペロンチーノ
いつもの塩茹で枝豆にちょっとひと手間加えるだけ。ビールにもワインにも合うおしゃれなおつまみになりますよ。
【材料】
さや付き枝豆(冷凍でもOK)→200g
塩→40g
水→1リットル
にんにくみじん切り→小さじ2
赤唐辛子→1~2本
オリーブオイル→大さじ2
ブラックペッパー→適量
【作り方】
①枝豆を水洗いした後、キッチンバサミでさやの両端を少し切り落とす
②枝豆に塩の1/3くらいをかけ、両手で枝豆同士をすり合わせるようにしてさやの産毛をとる
③大き目の鍋に水を沸騰させ、残った塩を全て鍋に入れる。塩が着いたままの枝豆を鍋に入れる
④4分ほどゆでて豆を1つ味見。豆が少し硬いかなというくらいでザルにあげる。冷凍枝豆の場合は電子レンジで温める
⑤フライパンにオリーブオイルとにんにくのみじん切り、輪切りの唐辛子を入れ火にかけてこげないように炒める。※油を熱してからにんにくを加えると焦げやすくなるので、油が冷たいうちに加える
⑥にんにくの良い香りがしてきたら枝豆を入れて軽く和え、仕上げにブラックペッパーを振ったら完成
枝豆を食べ過ぎるとどうなる?1日の摂取量の目安は?
枝豆は美味しいので一度食べ始めるとどんどん手が伸びてなかなか止めることができなくなってしまいますよね。しかし、食べ過ぎてしまうと体の害になってしまうこともあります。食べ過ぎるとどうなるのか、どのくらいが適量なのかをみていきましょう。
■消化不良や塩分過多を引き起こす場合も
枝豆には不溶性食物繊維という水に溶けない性質の食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は便のかさを増やして腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にする働きがあります。
適量の不要性食物繊維は便秘予防に欠かせませんが、多く取り過ぎると蠕動運動が活発になり過ぎて腹痛を起こしたり、便の水分を腸がうまく吸収できなくなって下痢を起こしたりします。
枝豆のぺペロンチーノレシピ紹介のところで紹介した塩ゆで枝豆に使用される塩分量を診てもらえばわかるように、塩ゆで枝豆には塩を多く使います。そのすべてが体内に入るわけではないですが、食べ過ぎてしまうと塩分過剰摂取になり高血圧など生活習慣病の原因になります。
■1日の摂取量の目安は小鉢一杯程度
枝豆の1日の摂取量の目安は小鉢一杯程度(さや付き茹でた状態で50g)と言われています。夏場の美味しい枝豆をそれだけしか食べられないのはとても我慢できないという人でも100g~200gぐらいまでで我慢することをお勧めします。子供が食べる場合は大人の半分の量で止めておきましょう。
1日当たり100g~200gまでというのは大豆イソフラボンの1日の摂取量上限値から考えられています。大豆イソフラボンを摂り過ぎてしまうとホルモンバランスに異常が起きて生理周期が変化したり、乳がんや子宮内膜症のリスクが上がると言われています。
栄養豊富な枝豆は料理におつまみに大活躍!
枝豆はおつまみだけでなく様々な料理に活用できる便利な野菜です。栄養豊富な枝豆は調理法を工夫すれば子供のおやつにも晩御飯の一品にもなります。毎日塩ゆで枝豆で飽きてしまったというときにはいつもとちょっと違う食べ方を試してみませんか?