副腎白質ジストロフィー

説明

副腎白質ジストロフィー(ALD)は、神経系および副腎に影響を及ぼすいくつかの異なる遺伝性疾患です。 その他の名前としては、副腎脊髄ニューロパチー、小児大脳ALD、およびアジソン病などがあります。

副腎白質ジストロフィーを引き起こす遺伝子は1993年に確認されました。 これは約2万人に1人に発症し、主に男性に影響を与えます。 女性は何の症状がなくても、この疾患を持っていることがあります。 副腎白質ジストロフィーの症状、治療、および予後は、その種類によって異なります。 この疾患を根治する方法はありませんが、場合によっては進行を遅らせることができます。

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種類

種類

副腎白質ジストロフィーには3つの種類があります。

1つめの小児大脳ALDは、主に4歳~10歳の子供たちに影響を与えるものです。  早期に発見されない場合には、急速に進行することがあります。

2つめの副腎脊髄ニューロパチーは、主に成人男性にみられるものです。 これは、小児大脳ALDよりも軽度であり、 比較的緩やかに進行します。

アジソン病は、3つめの副腎白質ジストロフィーです。 これは副腎不全としても知られています。 アジソン病は、副腎が十分なホルモンを作ることができていないために発生します。

原因

原因

副腎白質(ALDP)は、体が超長鎖脂肪酸(VLCFA)の分解を助けます。 この作用が起こらない場合、脂肪酸が体の中に蓄積し、 脊髄、脳、副腎、および精巣内の細胞の外層を損傷する恐れがあります。

副腎白質ジストロフィーを持つ人は、副腎白質を作る遺伝子に変異がみられ、 体内で十分な副腎白質が産生されません。

男性は、一般に女性よりも早い年代で副腎白質ジストロフィーを発症し、症状がより重篤となります。 副腎白質ジストロフィーはX染色体劣性遺伝形式であるため、女性よりも男性により多く発症します。 これは、疾患の原因となる遺伝子変異がX染色体上にあることを意味します。 女性は2つのX染色体を持っていますが、男性には1つのしかありません。 すなわち、女性は通常の遺伝子ともう1つの変異した遺伝子を持っていることを意味します。

変異​​した遺伝子を1つだけ持つ女性は、男性よりもはるかに症状が軽度であり、 全く症状が無い場合もあります。 正常な遺伝子によって、症状を埋め合わせるために十分な副腎白質を産生しています。 副腎白質ジストロフィーである女性のほとんどは、副腎脊髄ニューロパチーを持っています。 アジソン病や小児大脳ALDは、女性にはあまりみられません。

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症状

症状

小児大脳ALDの兆候としては、以下が挙げられます:

  • 筋肉のけいれん
  • けいれん
  • 嚥下困難
  • 聴力障害
  • 言語の理解力
  • 視覚障害
  • 活動過剰
  • 麻痺
  • 昏睡
  • 微細運動制御の劣化
  • 内斜視

副腎脊髄ニューロパチーの兆候には以下が含まれます:

  • 排尿の制御が困難
  • 筋力の低下
  • 脚のこわばり
  • 思考の困難や視覚情報の想起困難

副腎不全やアジソン病の兆候としては、以下のものが挙げられます:

  • 食欲低下
  • 体重減少
  • 筋肉量の低下
  • 嘔吐
  • 筋力の低下
  • 昏睡
  • 肌の色に暗い部分がある、または色素沈着

診断

診断

副腎白質ジストロフィーの症状は、他の疾患の症状と似ている場合があります。 そのため、他の神経疾患と区別するために検査が必要とされます。 血液検査では、以下を調べることができます:

  • VLCFAsの異常な高値
  • 副腎の状態
  • 副腎白質ジストロフィーの原因となる遺伝子変異を発見する

磁気共鳴画像法(MRI)を使用して、脳内の損傷を調べる場合もあります。 VLCFAsを検査するために、皮膚生検および線維芽細胞培養検査を行うことがあります。

副腎白質ジストロフィーの疑いがある子どもは、視力スクリーニングを含めさらに検査を行う必要がある場合があります。

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治療

治療

治療方法は、副腎白質ジストロフィーの種類によって異なります。 アジソン病を治療するためにステロイド薬を使用することがあります。 ほかの種類の副腎白質ジストロフィーを治療する具体的な方法はありません。

一部の人には、以下による効果がみられています:

  • VLCFAs値が低い食事療法への切り替え
  • 上昇したVLCFAレベルを下げるために役立つロレンツォオイルを摂る
  • 発作などの症状を緩和する薬
  • 筋肉を緩め、痙攣を減らすための理学療法

研究者は、新たな副腎白質ジストロフィー治療法を探し続けています。 中には骨髄移植の利用を試みる医師もいます。 これには、早期に診断された小児大脳ALDの子供たちを助けることができる可能性があります。

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予後

予後

小児大脳ALDは、最大10年続く可能性のある、致命的な昏睡状態につながることがあります。 長期的な昏睡状態は、通常、症状が現れ始めた約2年後に発生します。

副腎脊髄ニューロパチーとアジソン病は、小児大脳ALDほど深刻ではなく、 疾患の進行は遅いでしょう。 副腎白質ジストロフィーは、症状を治療することはできますが、根治する方法はありません。

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予防

予防

副腎白質ジストロフィーの家族歴がある女性は、子どもを産む前に、医師から遺伝カウンセリングを勧められます。 DNAプローブと高VLCFAsを調べる検査は、副腎白質ジストロフィー保因者を85%の確率で見つけることができます。  また疾患を診断するために、羊水穿刺又は絨毛膜絨毛サンプリングを妊娠中に行うことができます。