ニキビに男女差はあるのか?と聞かれればその答えはイエスです。
男性の方が女性に比べてニキビはできやすいです。
その理由ですが、皮脂腺の活性度や皮脂の分泌量の増加を促し、角質層が厚くなる「過角化」を引き起こす男性ホルモン(=アンドロゲン)の量が男性のほうが圧倒的に多いからです。
女性の体でも卵巣や副腎で男性ホルモンは分泌されていますが、男性に比べるとその量は極めて微量(約1/20)ですし、さらには女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)が男性ホルモンを抑制してその作用にブレーキをかけています。
そのため女性の肌は男性ほど皮脂が分泌されることはありませんし、角質層が厚くなって毛穴詰まりを引き起こすことも男性に比べると少なくなります。
この男性ホルモンの差はニキビの程度にも影響して、男性のほうがニキビが悪化しやすいことにもつながります。赤ニキビや黄ニキビといった炎症を起こして悪化したニキビの保有者の割合は圧倒的に男性のほうが多いことからもそれは明らかです。
ポーラ化成工業が男女の肌の違いを調べた調査によると、男性の肌は女性に比べて以下のような特徴があることがわかりました。
肌の水分蒸散量が2倍以上多く、保水力が低い
肌の水分量が1/2以下と乾燥しやすい
角層細胞面積が1割程度小さいため、ターンオーバーが早く、保護力が弱い
皮脂の分泌量は約3倍
つまり、男性の肌は保護力・保水力ともに女性の肌と比べると弱く、肌状態は女性よりも悪化傾向にあるということ。乾燥していて、しかも皮脂の分泌量が多いというニキビができやすい状況が男性の肌では揃っているということなんです。
女性特有のニキビ=ホルモン周期が原因の「周期ニキビ」
女性は女性で、生理前ニキビなどといわれるホルモン周期が原因のニキビがあります。肌の水分量を保つ卵胞ホルモンの影響が低下し、皮脂の分泌を増やす黄体ホルモンが優位になる生理前はニキビができやすくなります。
そこまでニキビが悪化することはないけれど、月に1回、必ず頬や顎といった部分にポツポツと白ニキビができてしまうとか、大きなニキビが鼻の下や口周りにボコッとできるということで悩んでいる女性は多いです。
「男性ホルモンによる皮脂過剰&過角化」が男性のニキビの特徴だとすれば、「女性ホルモンによる周期性」が女性のニキビを語るうえで1つのキーワードになるといっていいと思います。
勘違いしてほしくないのは、女性でもニキビの発生に男性ホルモンが関係しているといっても男性ホルモンが他の人と比べて多いからニキビができるというわけではないということです。
「男性ホルモンが多い人ほどニキビができやすい」とか「血中の男性ホルモン濃度を下げれば治る」という話はよく見聞きしますが、よく考えるとそんなわけがありません。
「男性ホルモンが多い=ニキビができる」のなら男性はみんなニキビだらけなはずです。
男性ホルモンが少ない女性でもひどいニキビに悩まされている人はいるわけですし、その女性が仮に女性にしては男性ホルモンが多い人だったとしても、ニキビのない男性よりも男性ホルモンが多いということは生物学上ありえないからです。
「男性ホルモン+●●」ニキビを発症させる引き金になるものが他にあるということです。
【男女共通】ニキビができやすい悪化しやすい素因を持っているかどうか
男性の男性ホルモンは精巣でつくられ、女性の男性ホルモンは「卵巣」で1/4、「副腎」で1/4、残りの1/2が脂肪や筋肉においてアンドロステンジオンなどから代謝されて生成されています。
ニキビの発生過程において男性ホルモンがかかわっているのは間違いありませんが、こうしたホルモンの働きというのはホルモンの作用を受け止めるレセプター(受容体)の存在があってはじめてでてきます。
ようするに男性ホルモンの影響がニキビとして、でてくるか否かというのは「ホルモンの作用を受け止めるレセプター(受容体)」の有無のような素因があるかないかが関係するということです。
例えばニキビに悩まされている人は多いといっても日本人は欧米人に比べると重症のニキビ患者というのは少ないといわれていて、その理由はニキビができやすい、あるいは悪化しやすい素因が関係しているといわれています。
男性ホルモンが多い男性でもニキビに悩まない人もいれば、男性ホルモンが少ないはずの女性でもニキビに悩む人がいるように、外的要因や内的要因の影響を受けて、体内バランスが崩れたところで、それがニキビになるか否か、ニキビがどこまで悪化してしまうのか?というのはその人のもつ素因次第だということなんですね。
ニキビケアは食生活も一緒に改善しないといけないといわれるのもこういうことが研究からわかっているからなんですね。
そんなわけで、男性ホルモンが多いほど皮脂腺が活発なので毛穴の皮脂詰まりができてニキビができやすいという傾向はあっても、男性ホルモンが多いからニキビができるということにはつながらないということは覚えておいてください。