現代の日本社会においては、体毛というのは何かと忌み嫌われる存在です。ムダ毛と呼ばれる毛はいくつかありますが、特に顕著なのがワキ毛と陰毛でしょう。
成人女性においては、そのほとんどが何らかの手段でワキ毛を処理していると思います。また、最近では欧米文化の流入により、陰毛を除去する女性も増えてきているようです。
また、最近では草食系男子、美容男子なる人たちが増えてきたこともあり、男性でも体毛を処理する人が増えてきました。女性に対して行った意識調査では、九割にも及ぶ女性が「出来ることなら、自分のパートナーとなる男性のワキ毛は薄くあってほしい」と解答したそうです。
このように、ワキ毛や陰毛に代表されるムダ毛は、私たちの生きる社会においては、邪魔な存在でしかありません。それなのに、なぜ進化の途上で淘汰されることなく、現在に至るまで生え続けているのでしょうか。本記事は、代表的なムダ毛として陰毛とワキ毛を取り上げ、その意味や存在理由をまとめていきます。
一般的な体毛の存在理由
本来、体毛というのは外敵から身を守るためも防具のような存在であるとされています。頭髪、鼻毛、耳毛、眉毛などはこれに当てはまりますね。
頭髪は、人体で最も大事な場所である脳みそを物理的な打撃や紫外線などから守っています。また、鼻毛、耳毛などは空気中の有害な物質が体内に取り込まれるのを阻止しています。眉毛は、滴り落ちる汗が目に直接入らないようにガードしているものです。
これらの体毛はその存在理由が明確で分かりやすいですね。もともとは人間も猿のように、全身にびっちりと毛が生えていたそうです。しかし、文明が発達するにつれて、その体毛の役割は、服に取って代わられるようになりました。
そのため、上記に挙げたような毛を除いては、進化の過程で退化してしまったのだと予想することが出来ます。この説明は、非常に合理的でしっくりきますね。
ワキ毛や陰毛の存在理由
では、私たちの共通の敵であるところのワキ毛や陰毛は、なぜ現在でも存在し続けているのでしょうか。ワキ毛も陰毛も、普段の生活では服の下に隠れてしまう位置に生えています。そのため、上記の論理では人間の進化の過程で淘汰されるべき存在であると考えられます。それでも、なぜ現在に至るまで生え続けているのでしょうか。
この疑問を解決されるヒントは、ワキ毛や陰毛が生え始める時期にあります。14、15歳ぐらいが一般的でしょうか。いわゆる思春期の入り口ですね。第二次性徴期と呼ばれる時期にあたります。この時期に生え始めるということは、ワキ毛や陰毛は性的なものと関連が深いことが予想されます。
以上を踏まえての、現在考えられているワキ毛や陰毛の存在理由としては、異性を惹きつけるためのフェロモンを拡散させる装置である、ということです。
脇の下と陰部付近には、アポクリン腺という通常の汗腺とは違ったものが密集しています。このアポクリン腺から放出される汗に性的フェロモンが交ざっているのです。
このアポクリン腺から出た汗は、陰毛やワキ毛に絡め取られることになります。そして、そこで周囲の異性に向けて「匂い」という形でメッセージを送るわけですね。
頭髪と陰毛・ワキ毛の毛それ自体の違いも、この説の正当性を裏付けています。頭髪はストレートな方が多いのに対して、ほとんどの人の陰毛・ワキ毛は縮れています。また、頭髪はほっておけば伸び続けますが、ワキ毛や陰毛は一定の長さ以上には伸びません。
これは、一重にその存在理由、身体における役割が違うからです。ワキ毛や陰毛は、頭髪と比較すると、外敵から急所を守るという役割はあまり担っていません。頭髪などが生まれながらに生えているのも陰毛やワキ毛との違う点ですね。
なのになぜ現代では嫌われるのか?
以上、陰毛やワキ毛はフェロモンを拡散させるという役割を担っているため、その存在にはきちんと意味がある、ということになります。この考察事体は納得いくものだと思います。
しかし、この唯一無二のワキ毛や陰毛の役割も現代社会では終焉しつつあるのかもしれません。今を生きる私たちは、フェロモンなどで直感でパートナーを決めることはあまりしなくなっています。どちらかというと、人柄、経済力、容姿などから論理的な結論を下します。
そのため、アポクリン腺から放出されるフェロモンの匂いも、刺激臭として忌み嫌われるようになっているのかもしれません。論理的な判断でパートナーを選ぶ際には邪魔となる判断材料ですからね。
このようなパートナー選びの傾向は、人の歴史から言うとほんの最近のことでしょう。そのため、まだ進化がおいついていないんだと思います。もしかすると、将来的には、ワキ毛や陰毛が人がら失くなってしまうということも、十分に考えられると思います。ムダ毛処理の面倒さから早く開放されるためにも、早く人の身体が進化をして欲しいものです。
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